バイク運転手死亡事故、信号無視した「歩行者」を書類送検…「異例の立件」なぜ?

弁護士ドットコムニュース / 2019年7月3日 9時59分

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静岡市葵区の国道交差点で今年1月16日深夜、バイクと歩行者がぶつかり、バイクの運転手が頭を強く打って、亡くなる事故が起きました。歩行者の男性がこのほど、重過失致死の疑いで書類送検されました。

この事故では、歩行者の男性も首の骨を折る重傷を負って入院しました。当時、酒に酔って、赤信号を無視して横断歩道を渡っていたそうです。

毎日新聞によると、静岡県警は、歩行者の男性が(1)赤信号を無視して渡れば事故を招くことが予見できた(2)バイクの進行に気づいたのに回避措置をとらなかった−−と判断して書類送検したということです。

今回のように歩行者が立件されるのは、めずらしいということです。どんな場合にされるのでしょうか。交通事故にくわしい清水卓弁護士に聞いた。

●歩行者も「加害者」として立件されることがある

――まず、重過失致死罪はどのような容疑でしょうか。

重過失致死罪は、重大な注意義務の違反を犯して、人を死亡させた場合に成立する罪です。刑罰として、5年以下の懲役・禁固または100万円以下の罰金が定められています。

単なる過失致死罪の刑罰が50万円以下の罰金とされていることに比べて、刑事責任の重い犯罪といえます。

――歩行者の立件はめずらしいということですが、どんな場合にされるのでしょうか?

一般に、歩行者は、対自動車や対バイクとの関係では、「交通弱者」とされています。それは、交通事故によって、歩行者に死傷の結果が生じやすいからと言われています。

しかし、歩行者が交通弱者と一般に扱われていることは、必ずしも交通事故において歩行者が加害者にはならないということを意味しません。

自動車・バイク・自転車・歩行者などが存在する道路では、運転者のみならず、歩行者も交 通ルールに従って、適切に行動するであろうという相互の信頼の下、日々の運転や歩行がな されています。

一般に交通弱者とされる歩行者であっても、赤信号無視や横断禁止場所の横断など歩行者側に道路交通法上の注意義務の重大な違反が認められるような場合には、事故を起こした主たる原因は歩行者にあるものとして、加害者として立件がなされる可能性があります。

なお、今回のケースでは、周囲に目撃者がいて、複数の目撃証言があるという報道がされています。歩行者が立件された要因の1つとして、その注意義務違反を裏付ける証拠が存在したことが指摘できるでしょう。

●歩行者も交通ルールを守る必要がある

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