「AV女優のアイドル化が出演強要問題を加速させた」元人気女優たちが懸念表明

弁護士ドットコムニュース / 2019年7月12日 10時11分

写真

関連画像

若い女性がアダルトビデオ出演を迫られる「AV出演強要」など、業界内外の問題について考えるシンポジウム「AV問題を考える会」(AV男優・辻丸さん主催)が5月11日、都内で開かれた。シンポには、かつてAV女優として一世を風靡した小室友里さん、大塚咲さんが登壇した。本稿では、小室さん、大塚さんの発言を振り返りたい。

●「やりたくない」と拒否できない撮影現場

小室さんは1996年から1999年にかけて、約3年半の間、トップのAV女優として活躍した。主に、講演活動をしているが、AV出演強要が大きな社会問題になってからは、「本番行為の全面禁止」を訴えている。この日のシンポでも、自身の体験を振り返りながら、次のように述べた。

「本番行為をするかどうか、女優が選べないのが問題だと思っています。(自身の現役)当時は、選べていました。それが、1990年代のAV女優の権利だったと思います。今は、セックス(本番行為)をすることが当たり前になっています。この意識が、AV業界の根本的な問題を引き起こしていると考えています」(小室さん)

小室さんの現役当時は、挿入がない「疑似本番」という撮影も少なくなかった。女優の心身に対する負担が少ないのだが、2000年代以降、モザイクが薄くなるにつれて、ほとんどが「本番」になっていった。

また、撮影現場では、台本や事前に聞かされていた内容とはちがう演技をもとめられることもある。小室さんによると、撮影現場で「やりたくない」と拒否できる雰囲気ではないという。もし、拒否した場合は「ペナルティ(罰金)」を支払うようもとめられるケースも起きていた。

「『ペナルティ、払えるの』と言われると、女の子は固まってしまいます。痴漢された人の心理に似ていると思います。(痴漢された人は)痴漢の手をとって、『痴漢です。助けてください!』と言えません。AVの現場で『やりたくありません!』と言えないのは、同じ心理ではないでしょうか」(小室さん)

●引退したからこそ感じていること

AV女優になるきっかけは、さまざまだ。AV出演強要で、被害者支援団体が問題視しているスカウトや、求人サイトなどから入ってくる人は、あとをたたない。一方で、自分から「やりたい」と応募した人が大半とも言われている。実際にそう証言する女優も多い。しかし、小室さんは、その自己決定そのものについて疑問を投げかけた。

「大学生から社会人になりたてくらいの年齢の彼女たちが、大人と対等にわたりあえるくらいの知識や、契約書にサインすることや、ハンコを押す意味を知っていたのでしょうか」(小室さん)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング