吉本興業「今後も契約書つくらない」に近藤春菜さん反発、口頭契約に潜むリーガルリスク

弁護士ドットコムニュース / 2019年7月16日 17時28分

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所属芸人が事務所を通さない「闇営業」で反社会的勢力(反社)の会合に参加し、報酬をもらった問題で、吉本興業ホールディングスの大崎洋会長が各メディアのインタビューに応えている。

闇営業の背景には、芸人の収入の不安定さがあるのではないかという指摘がある。たとえば、日経新聞電子版は7月13日配信のインタビューで芸人との契約方法についても突っ込んで聞いている。

記事によれば、吉本と所属芸人との間には紙の契約書はなく、「諾成契約という口頭による契約を交わしてきた」という。「昔の芸人の中には漢字が読めない人もいて、紙の契約書は存在しなかった」という理由からだ。今後もこの方針は変わらないという。

●ハリセンボン・近藤春菜さん「口頭でも聞いた覚えない」

一方、吉本所属のお笑いコンビ・ハリセンボンの近藤春菜さんは7月15日、日本テレビ系「スッキリ」の中で、「お互い同意していないと契約って結ばれないと思うんですよね」と述べた上で、次のように語った。

「『吉本興業はどういう考えであなたとこういう風に契約しますよ』っていうことを私は口頭でも聞いた覚えはないですし、『会社にいくら入ってあなたの取り分はこうです』とか、他の問題に関しても何もない」

「会長がおっしゃっていることと、芸人みんなの間での相違がすごくて。これで納得している芸人っていないんじゃないかなって思います」

法律上、口頭でも契約は成り立ちうるが、言った言わないのトラブルにもなりやすそうだ。契約のあり方について、秋山直人弁護士に聞いた。

●口頭のリスク「契約が意味を持つのはトラブルになったとき」

契約は口頭でも成立する、というのは理屈としてはそのとおりですが、現実には、契約が意味を持つのはトラブルになったときですから、口約束ではあまり意味はありません。

例えば、芸人が約束してもらったはずのギャラを芸能プロダクションに払ってほしいというときに、口頭でギャラを約束しただけでは、裁判を起こして強制的にギャラを払わせるということは非常に難しいでしょう。

「そんなに払うなんて約束してないよ」という話になれば、言った・言わないのレベルの話になります。

●契約書がないと「闇営業」の禁止も大変?

逆に、今回問題になったような《闇営業》についても、芸能プロダクションが芸人に裁判を起こして、「会社を通さずにギャラをもらって営業をすることは契約上禁止されているから損害賠償を請求する」と主張しても、契約書がなければ、そもそも芸能プロダクションを通さずに営業をすることが禁止されているのかどうかから争いになるでしょう。

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