出産は「会社員の特権」ですか? フリーランス産休で「300万円」の収支格差

弁護士ドットコムニュース / 2019年8月11日 9時4分

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内閣府が7月24日に発表した推計によると、日本国内のフリーランスは300万人を超え、その約3分の1が女性とされる。だが女性フリーランスの妊娠・出産に関するセーフティネットは、まだ十分とは言えない。

プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会の試算では、出産に伴う会社員とフリーランスの収支には、300万円近くの格差が生じるケースもあるという。同協会の平田麻莉代表理事は「ライフリスクに関するセーフティネットは、働き方に関わらず平等に整備してほしい」と訴える。(ジャーナリスト・有馬知子)

●収入は会社員が、支出はフリーが多い

同協会の試算から、まずは出産にまつわる収入を見てみよう。雇用形態に関わらずもらえるのは、出産育児一時金(42万円)だけだ。

会社員の場合、加入している健康保険組合が、出産手当金(週5日8時間勤務、月収30万円の場合、約65万円)を給付する義務を負っている。子どもが1歳になるまで育児休業を取得すると、育児休業給付金として、育休開始後半年は給料の約3分の2、それ以降は2分の1(計約180万円)が雇用保険から支給される。

フリーランスの多くが加入する国民健康保険の場合、出産手当金は任意給付で、保険者である自治体に、支払う余力がないのが現状だ。しかし平田氏は「会社員と同等、あるいはそれ以上の保険料を納めているフリーでも、手当金はもらえない。本来、弱い立場の人をこそ救うべきセーフティネットが、会社員の特権になってしまっている」と指摘する。

一方、支出は圧倒的にフリーが多い。

会社員の場合、産休・育休中は会社の届け出によって、健康保険料と厚生年金保険料の支払いが免除となる。一方、国民健康保険に、出産に伴う納付免除はない。

平田氏は第2子出産の際、予定日前日まで仕事を入れていた。「主治医からは『フリーの妊婦が一番危険』と言われた。医師の間にはこれほどまでに、リスクが高いという認識が浸透している」と話す。

同協会の調査によると、フリーで働く女性の約45%が産後1カ月以内に復帰している。休んだ分、収入が途切れることが早期復帰の最大の理由ではあるが、支援金が手薄で、保険料の負担が続くことも一因とみられる。

●保育園の奪い合いは不毛 バウチャー制度も検討を

フリーランスは、例え外に出て働いていても原則として「居宅内労働」とみなされ、自治体によっては、保育園の入園審査の点数が大幅に下がってしまう。

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