西川貴教さん「アンコールの義務はない」 観客のノリが悪い場合、しなくてもいい?

弁護士ドットコムニュース / 2015年7月8日 11時28分

写真

関連画像

「アンコールは演る側も義務ではありませんし、お客様も強制ではありませんよ」。T.M.Revolution(T.M.R)の西川貴教さんが6月29日、ライブのアンコールに対する考え方をツイッターに投稿して、話題になった。

6月30日のツイッターでは「アンコールを頂きステージに出ると、スマホを触ったり、着席して談笑されてることがある」と指摘。西川さんは6月28日に佐賀市民会館でライブを行ったが、そのときのアンコールの際に、何らかの不満を感じたのだとみられる。

西川さんはライブ後のツイッターで「基本は本編で全て完結しており、チケット代はこの本編に対して頂戴しております。更に求められ、それに応える心と心の呼応がアンコールです。本当に求めて頂ければ、いくらでもお応えします。ですから『もっと』のアピールは、強く大きくお願いします」と語っている。

西川さんのツイッターアカウントに対しては「アンコール分も含めてセットリスト作ってるんでしょ?」「お金を払って得た時間をどう過ごすのかは自由」「アンコールはあくまで公演が終わってからのサービス」といった様々な意見が投げかけられている。

最近のミュージシャンのライブでは、アンコールが当然のものとして想定されているケースも多いが、観客の反応が悪かった場合、アンコールをしなくても問題はないのだろうか。アーティストの問題にくわしい太田純弁護士に聞いた。

●契約関係では規律できない、状況次第のワンテイク

「コンサートにおける楽曲・演目の順番を記載した紙面や、その構成自体を、セットリストと呼びます。その決定は、特段の事情のない限り、主催者側の広い裁量に委ねられているのが通常です。

これは、個々のステージやツアー全体の演出という、アーティストの世界観に絡む事柄だからです。注意的な意味で、チケットの規約等にも、この趣旨が記載されることもあります。

ですから、アンコールに応えて演奏するかどうかも、通常は主催者側に委ねられていると考えられます。演奏することが義務というわけではないでしょう」

では、今回の問題をどうとらえればいいのだろうか。

「法的観点はさておき、ライブ公演は、アーティストと客席が一体となるグルーヴ感が、スタジオ録音とは一味違う、格別の醍醐味です。アーティスト本人の視線からは、客席全体の空気感だけでなく、個々の座席状況も、手に取るように分かるようです。

ライブの醍醐味をアーティスト本人が感じとっていなければ、名演は生まれません。他方、熱心なファンは各公演のセットリストを楽しみにしていますし、中には、ソロパートの微妙な違いにも気付くような、シビアなお客さんもいることでしょう。

契約関係などでは規律することができない、アーティストと客席の一体感による、その時々の状況次第のワンテイクだからこそ、価値のあるアンコールなのだと、私は思います。西川さんが『心と心の呼応』とおっしゃっていることには、うなずけます」

太田弁護士はこのように話していた。

(弁護士ドットコムニュース)

【取材協力弁護士】
太田 純(おおた・じゅん)弁護士
訴訟事件多数(著作権、知的財産権、労働、名誉棄損、医療事件等)。その他、数々のアーティストの全国ツアーに同行し、法的支援や反社会的勢力の排除に関与している。
事務所名:法律事務所イオタ
事務所URL:http://www.iota-law.jp/

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング