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ピルのメリットとデメリットは?医師が「低用量ピル」の正しい知識を教えます

美人百花デジタル / 2021年5月24日 20時0分

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生理の不調や子宮内膜症など女性ならではの悩みに困っていませんか?

治療薬として低用量ピルが使われることがあります。ピルと聞くと避妊のためというイメージが強いですが、それだけのための薬ではありません。

正しい知識を大阪美容クリニック理事長の南真実子先生に教えていただきました。

 

低用量ピルを避妊以外の目的で服用する場合は、どんな時ですか?

低用量ピルは、避妊のイメージが強いかもしれませんが、月経困難症や子宮内膜症の治療薬でもあり、保険適応で処方できるお薬です。月経困難症は、月経痛や腰痛など月経時に認める症状により生活に支障をきたす場合をいいます。

ピルを服用することで子宮内膜の増殖を抑え、痛みの物質であるプロスタグランジンの過剰な産生を抑えて痛みを軽減させる効果があります。子宮内膜症とは、子宮内膜組織が、卵巣や腹膜など子宮の内膜以外の場所に発生する病気です。骨盤内の臓器が周辺組織と癒着し、月経痛、腰痛、排便痛、性交痛など様々な痛みの原因となります。

卵巣に発生するものをチョコレート嚢胞といい、不妊の原因となることもあります。ピルは子宮内膜の増殖を抑える効果があるため、子宮内膜症の治療やチョコレート嚢胞の術後に再発予防としても使用します。

また、自費診療にはなりますが、ピルは月経を移動させるのに使用することもあります。月経が旅行などの予定とかぶってしまう時、月経を早めたり遅くしたりすることができます。

低用量ピル服用によるメリットとデメリットを教えてください

メリット

ピルを服用すると子宮内膜の増殖が抑制されるため、月経痛の改善、月経量の減少を認めます。ピルの避妊効果は高く、用法用量を守って服用すればまずまず妊娠することはありません。

排卵を抑えることによりプロゲステロンの分泌が抑制されるため、PMSや月経前のニキビ・肌荒れの改善にも有用です。

また、子宮体がん、卵巣がん、大腸がんのリスクを低下させるという報告もあります。骨粗鬆症の予防や更年期障害の1つの症状であるホットフラッシュや冷えなどの血管運動神経系障害の改善、関節リウマチ発症の減少なども報告されています。

デメリット

ピルの重篤な副作用に血栓症があります。血栓症は、血管に血の塊ができ血管を詰めてしまう病気です。

静脈性の深部静脈血栓症や肺塞栓症、動脈性の心筋梗塞、脳梗塞など、場合により命に係わる重篤な合併症となることがあります。また、長期的に服用すると、子宮頸がん、乳がん、悪性黒色腫のリスクを上昇させるという報告もあります。

どんな方におすすめでしょうか?

月経痛は仕方ないと我慢している方も多いと思います。月経痛により朝起きられない、学校や会社に行くことができない、夜眠れないなど、日常生活に支障がある場合は、我慢をせずピルを服用することを考えてもよいでしょう。ピルを服用すると月経周期を整えることができます。月経不順でいつ月経が起こるか分からないという場合、周期的に月経を起こすことも可能です。

逆にピルを服用して頂けない方もいらっしゃいます。例えば、 35歳以上で1日15本以上喫煙される方は血栓症のリスクが非常に高く、ピルを服用することはできません。  喫煙は血栓症のリスクを上昇させるため、禁煙することをおすすめします。婦人科を受診し、定期的な診察や検診を受けながら服用しましょう。

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