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生理の血の量が多い…これって異常?過多月経について医師に聞きました

美人百花デジタル / 2021年7月28日 20時15分

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経血量が多いと「病気なのかな?」と心配になりますよね。過多月経の症状改善のポイントなどを「直レディースクリニック」院長・竹村直也さんに尋ねました。

 

過多月経ってどんな症状?

経血量が異常に多いものを過多月経と呼びます。一般に正常範囲の経血量は20~140gとされています。

過多月経は「器質性過多月経」と「機能性過多月経」の2つにわかれます。子宮になんらかの病気が隠れているものを「器質性過多月経」といいます。子宮内膜ポリープや子宮筋腫、子宮腺筋症、子宮内膜増殖症などが原因となり、過多月経を起こしている場合をさします。このような疾患があると子宮内膜の表面積が拡大することにより経血量が増加すると考えられています。このような場合には妊娠能力の低下も考えられますので妊娠希望があれば手術をして原因となる疾患の除去が必要です。

また、子宮になんらかの病気が隠れていないものを「機能性過多月経」といいます。血液が固まりにくくなっている病気など内科的な疾患の見落としに留意すべきであると思われますが、治療法は経血量の減少を目的に薬物投与が行われます。トラネキサム酸という止血剤を使用したり、低用量ピル内服が有効なこともあります。また子宮内黄体ホルモン放出システムを装着することにより経血量を減少させることができます。

過多月経を見極めるポイントを教えてください

経血量をほかの人と比べることも難しいので自分の経血量が多いかどうか迷われている方もおられると思います。さらに、ナプキンやタンポンなどを生理中に使用すると正確な経血量を客観的に把握することが難しいです。

そこで目安になるのがナプキンのもつ時間です。2時間もたなければ過多月経と考えてもよいでしょう。昼間でも夜用ナプキンが必要な場合も過多月経の疑いがあります。また健康診断で貧血を指摘されていれば過多月経の疑いがあります。

過多月経の改善方法は?

器質性過多月経の場合には妊娠能力の低下も考えられますので妊娠希望があれば手術をして原因となる疾患の除去が必要です。一方、機能性過多月経に対してはトラネキサム酸という止血剤を使用したり、低用量ピル内服が有効なこともあります。現在では避妊目的のほかに、月経困難症、月経不順、PMS、肌荒れなどの治療目的で低用量ピルが処方されています。低用量ピルの作用として生理の時に剥がれ落ちる子宮内膜を薄く保つ効果があるので月経量が減少し過多月経の治療に用いられます。

最近では子宮内黄体ホルモン放出システムを装着することにより経血量を減少させることができます。子宮内黄体ホルモン放出システムとは子宮内に装着する器具のことです。大きさは約32mmでT字の形をしておりやわらかいプラスチックでできています。この器具に付加されている黄体ホルモンが5年間にわたり子宮内膜に直接作用します。

黄体ホルモンとは卵巣から分泌されるホルモンの一種です。放出される黄体ホルモンは、子宮内膜の増殖を抑える働きがあるため、内膜は薄い状態となり、月経量を減少させるとともに月経痛を軽くします。日本では2014年から「過多月経」「月経困難症」に対して保険適用が開始となっています。

その他、アドバイスがあれば教えてください

月経量が多くて生理期間が不安と思われている方も多いと思います。小さな子宮筋腫でも発生する場所によっては深刻な貧血をおこすほど月経量が多くなることがあります。内診だけでは小さな筋腫はわからないことがあるので婦人科受診される際はエコー検査もしてもらいましょう。過多月経の原因疾患が隠れていないかよく見てもらうことが大事です。

低用量ピルの内服や子宮内黄体ホルモン放出システム装着により過多月経が驚くほど改善することがあります。これらの方法は避妊効果があるために今すぐ妊娠希望のある方は使用できません。また低用量ピルは血栓症(血液の塊が血管内に詰まる病気)のリスクが上昇するほか、閃輝暗点といった前兆(目がチカチカする感じ)を伴う片頭痛や重度の高血圧症、35歳以上で1日15本以上の喫煙される方などは内服禁止となっていますので注意が必要です。

子宮内黄体ホルモン放出システムの装着では少量の不正出血がよくある副作用になっています。過多月経かなと思っていたらまずはお近くの婦人科を受診してどのような原因で経血量が多いのかまた、治療方法を相談してみてください。

教えてくれたのは

「直レディースクリニック」院長・竹村直也さん

2000年神戸大学医学部卒業。現在は直レディースクリニック院長として診療を行う。婦人科診療は生理、妊娠に関する相談、更年期治療、筋腫、卵巣のう腫などの管理など産科婦人科疾患全般の診療に携わっている。

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