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使いすぎに要注意!制汗剤のデメリットについて医師に尋ねました

美人百花デジタル / 2021年9月29日 20時10分

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涼しい日が続いていますが、昼間は日差しが出て汗をかく日も……。汗っかきの人はまだまだ制汗剤が手放せないかもしれません。制汗剤の使い方を間違えるとかぶれなどにつながることもあります。今回は、制汗剤のリスクについて「うるおい皮ふ科クリニック」院長の豊田雅彦先生にインタビューしました。

 

制汗剤を脇等に塗ることによって起こる悪影響を教えてください。

局所的な影響としては、制汗剤に含まれる成分で接触皮膚炎(かぶれ)を起こす危険性があります。継続的に制汗剤を使い、かぶれが続くと、皮膚の黒ずみなどの炎症後色素沈着を引き起こす場合も。腋の下は皮膚が薄く、また腋毛が生えているために外用剤などが毛包から皮膚内に浸透しやすいためにかぶれ(アレルギー性のかぶれ)を起こしやすいです。制汗剤を使用していて皮膚にかゆみや赤みが生じた場合には直ちに制汗剤の使用をやめ、ステロイド軟膏などの抗炎症外用剤を使用しましょう。

他にも全身的な影響を与えてしまう場合もあります。例えば、大量の汗が出た日に汗染みができるのを恐れ、全身に多量かつ頻回に制汗剤を使用するなど使い過ぎると汗が正しく出なくなり、熱中症のリスクになる場合もあります。特に、スプレータイプなどでは吹きかけるだけで広範囲に行き届くため、脇だけでなく全身に制汗剤がかかる場合があります。何度も使用するとトラブルが生じることがあるので注意してください。ただし、説明書などの指示に従って適切に使用すれば問題ないので安心してください。

注意が必要な制汗剤があれば教えてください。

多くの制汗剤に含まれ局所の多汗症治療薬として用いられているのは塩化アルミニウムです。病院で脇の下の多汗症と診断された場合、治療の第一歩としてまずは「塩化アルミニウム液」が処方されるほど効果がハッキリしています。ただ、皮膚刺激によるかゆみやヒリヒリ感などの副作用もあるため、肌が弱い人はなかなか使いにくいことがデメリットです。

ちなみに市販の制汗剤には皮膚刺激性を弱めたクロルヒドロキシアルミニウムが用いられています。アルミニウム系の制汗剤がを脇や手足のみに外用することによる全身的な悪影響を過剰に心配する必要はありません。

汗対策として効果的なものを教えてください。

制汗剤以外の汗対策

・汗を小まめに拭き取る

乾いたタオルではなく、湿らせたタオルで軽く押さえながら、優しく拭き取ると気化熱で体温を下げることができ、発汗を自然に抑えられます。市販の汗拭きシートを用いる場合、敏感肌や乾燥肌の人はエタノール(アルコール)が含まれるものは、肌にしみたり、油分を奪ってしまう可能性があるので注意が必要。

・保冷剤や冷たいペットボトル飲料などで冷やして体温を下げ発汗を抑える

皮膚を冷やす場合は凍傷にならないように、保冷剤をタオルに巻くなど地肌に直接触れないようにしましょう。長時間同じ場所に当てないように注意する。

・汗対策インナーや汗取りパッドを使用する

汗をかくと洋服が濡れてしまうこともあり、そのままにしておくと洋服が黄ばむ原因になる可能性が。汗取りパッドを使えば、体についた汗を吸収してくれるだけでなく洋服を汚れから守ってくれますよ。汗取りパッドは脇部分にセットするタイプが多く売られています。洋服に貼るタイプと脇に直接貼るタイプとがあり、なかには抗菌・消臭効果を持ち合わせているものも。脇汗パッド付のインナーを着るのもおすすめ。最初からパッドが付いているので、使っているうちにパッドがズレる心配がない。Tシャツタイプ・ノースリーブタイプ・キャミソールタイプなど種類が豊富なので、着る洋服に合わせてインナー選びをすると良い。

・肌着の素材

肌着は通気性・吸湿性の良いものをおすすめします。綿100%は吸湿性に優れているが、一度ぬれると乾きにくく雑菌が繁殖しやすくなるので、汗をかいたらすぐ着替えることが大切です。現在は速乾性の新素材が開発され、化繊が混じっていても肌触りが良くて肌が弱くてもかゆくなりにくいものもある。自分に合った使いやすい肌着を探してみましょう。

その他、汗に関してアドバイスがあれば教えてください。

汗をかくことのメリットは体温調節のみではありません。

・皮膚内の老廃物や余分な水分を排泄する。
・汗の水分や汗に含まれる成分が皮膚の保湿に役立つ。
・汗と皮脂が混じって皮膚表面の皮脂膜が厚くなり、皮膚のバリア機能が高まる。
・弱アルカリ性のサラサラした汗は汚れを洗い流す。
・汗には抗菌作用があり細菌の繁殖を防ぐ。
・アレルギーの原因となる物質を失活させる。

近年の酷暑ではエアコンを全く使わないのは無理ですし、危険でもあります。しかし、長時間低すぎる設定温度の中で過ごすことは汗腺の退化を促し、“汗をかきにくい体質”となってしまいます。適度に体を動かして、良い汗をかいていきましょう。

教えてくれたのは

「うるおい皮ふ科クリニック」院長・豊田雅彦先生
 
うるおい皮ふ科クリニック院長。富山医科薬科大学(現在は富山大学)医学部卒業、1994年から2年半、米国ボストン大学医学皮膚科学教室に留学し、皮膚老化や神経などの研究を行う。2002年と2004年の国際皮膚科学会で、それぞれ臨床部門と研究部門の最優秀賞を単独受賞する。現在までに2000以上の医学論文・医学専門書を執筆。また、国内外で、最も多い年で年250回以上の講演会・学会発表・保健所指導を行う。2005年、千葉県松戸市に、うるおい皮ふ科クリニック(皮膚科・美容皮膚科・漢方皮膚科・アレルギー科・形成外科)を開業。

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