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草レース参戦はじめの一歩 BMW「G310R」で「もてぎロードレース選手権」を走るために必要な改造とは?

バイクのニュース / 2020年7月28日 13時0分

バイクの楽しみ方は幾多あり、レース参戦もそのひとつです。プロのライダーがしのぎを削るものではなく、アマチュアライダーが参戦できる大会もたくさん開催されています。そんなレースに参戦するために必要なバイクをご紹介します。

■市販車からレーサーになるための変更点とは?

 今回ピックアップするのは、ツインリンクもてぎ(栃木県)で行なわれる地方選手権『もてぎロードレース選手権(通称:もてロー)』の「NEO STANDARD G310R」クラスに参戦するための車両、BMW Motorrad「G310R」です。

 NEO STANDARDクラスというのは排気量250ccクラス中心のバイクを使ったチーム戦で、1戦あたり最大2名のライダーで1台のバイクを走らせます。また、年間を通してエントリーする場合でも、1戦ごとにライダーの変更が可能となっており、レースに参戦したい複数名のライダーが、年間を通して(または1戦スポット参戦で)1台のバイクをシェアして参戦できるのです。参戦コストの負担が少なく済むのは魅力ですね。

 じつは筆者(伊藤英里)、ひょんなことから1戦に参戦することに……。とは言えレース参戦はまったくの初心者、NEO STANDARDクラスのレース仕様車にどういう変更が加えられるのかもよくわかっていません。そこで、車両の組み上げを行なっている『BMW Motorrad Central花園店』(埼玉県深谷市)の支店長、高橋直樹さんに話を伺ってきました。

 各クラス、レギュレーションによって定められた車両規則は違いますが、NEO STANDARD G310Rクラスの車両はどのようにレーサーになっていくのでしょうか?

2020年モデルの「G310R」。BMW Motorradのラインナップのなかで、唯一の普通二輪車免許で乗れるロードスポーツモデル。倒立式のフロントフォーク、前後のブレーキキャリパーはBYBLEを装備。エンジンは後方排気という特徴をもつ

 まず市販車状態、つまりノーマル状態からレース参戦のために最低限行なわれる変更点については、ミラー、ナンバープレート、ホーン、灯火類、サイドスタンド、タンデムステップなどを必ず取り外します。

 次に、レギュレーションに定められている取り付け義務のパーツはというと、アンダーカウル(オイル受け)、左右のエンジンカバー、ブレーキレバー側のレバーガード、スプロケットガード、キャッチタンク等です。また、フロント側のスプロケットガードなどは取り外ししてはいけないパーツとなっています。

 このクラスの車両は改造できる範囲が比較的狭いのが特徴です。ちなみにNEO STANDARDクラスのタイヤは、ラジアルよりも低コストに抑えられるバイアスです。これも、参戦のハードルを下げていますね。

 装着義務のブレーキレバーガードは、接戦で争われるレースにおいて、車両同士が接触してブレーキレバーがライダーの意図しない形で操作されることを防ぐためのモノです。ロードレース世界選手権MotoGPや全日本ロードレース選手権などを見ているレースファンならば、レース参戦経験がなくとも、なんとな~くイメージできると思います。

ブレーキレバーガード。クラッチ側は義務ではなく装着推奨

 スプロケットガードにはどんな目的があるのでしょうか? 高橋支店長曰く「スプロケットガードは、万が一転倒してライダーがバイクに接触したとき、側方面からチェーンに巻き込まれないようにするためのものです。転倒時、バイクのエンジンが止まる仕組みにはなっているのですが、後輪が回ったままという可能性もゼロではないですから」とのこと。安全性の観点から取り付けられるパーツだそうです。

 こうして最低限、レース参戦が可能な車両になるとのこと。もちろん、ライダー同士がしのぎを削るレース。ほかにも様々な変更が施されています。

 例えばフロントカウル。じつはこれ、NEO STANDARDクラスでは装着義務ではないのだとか。マフラーはWR’S製に変更され、ステップはZIP MOTOR PROのバックステップ、そしてチェーンにはRKジャパンのシールチェーンが採用されています。

■ネイキッドレーサーの強みとは……?

 G310Rは、ご覧のとおりバーハンドルタイプのネイキッドバイクです。NEO STANDARDクラスではセパレートハンドルに変更も可能ですが、バーハン仕様でも参戦できるのです。

ハンドルバーはノーマルから変更されている

「このハンドルバーはノーマルのものから変更しています。ネイキッドタイプであれば低いバーにすることが多いです。幅は狭めにした方がいいと思いますが、最低幅についてはレギュレーションで決まっています。

 ハンドルはコーナリングのときのセルフステアの感覚と、セルフステアの強さとライダーの操作感などの塩梅を見て選択していきます」(高橋支店長)

 以前このバイクを駆っていたのは大柄なライダーだったそうで、じつはフルカウルのバイクの場合、体格が大きなライダーだとストレートで伏せたときに体がカウルからはみ出してしまうこともあります。このようなネイキッドタイプの方が好タイムが出ることもあるそうで「体格に左右されないのは、ネイキッドの特徴のひとつですね」と高橋支店長は話します。

 レーサー仕様にするためにはいくつもの選択肢があり、ライダーの要望や可能性を検討しつつ、その中で車両を組み上げてくれるメカニックとコミュニケーションを取りながらセットアップしていくことが必要です。これも、レースに参戦する面白さのひとつと言えそうです。

■取材協力
『BMW Motorrad Central花園店』
住所/埼玉県深谷市小前田332‐2
TEL/048-578-8871
営業時間/10:00から19:00
定休日/火曜日・水曜日(祝祭日除く)

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