コズミックのソフテイル・チョッパーに見る チョッパーが本来、あるべき姿とは
バイクのニュース / 2020年7月29日 13時0分
ハーレー・カスタムの世界で知られた存在である仙台の「コズミック」は、その高いクオリティとバランスの良いカスタムバイク製作で多くのファンを持つカスタムショップです。ここに紹介する一台はまさに同店を代表するスタイルに仕上げられています。
■かつてのチョッパーに共通するものとは
ハーレーダビッドソンというオートバイを語る上で切っても切れないものに“カスタム”という行為があるのですが、現在のシーンで最もオススメしたいモデルといえるのが、“ソフテイル”かもしれません。
第二次大戦後、戦地から帰った帰還兵の若者が当時の中古車をイジり、BOBBER(ボバー)というスタイルが爆発的なムーヴメントを起こしたことや、50年代から60年代にかけて生まれたCHOPPER(チョッパー)についての歴史などを以前、当サイトで紹介させて頂きましたが、そのどれもに共通するのが「カネのない当時の若者たちが中古車両に手を加え、創り上げた」ということです。
ハーレーをベースにしたチョッパーが生まれた歴史的背景や定番のスタイルを振り返ると、もともとリアサスのないリジッドフレームを採用したナックルヘッドやパンヘッド、そして社外フレームやハードテイルを取り付け、リジッド化されたショベルヘッドなどは『定番』として挙げられるものですが、現在、それらのモデルは驚くほど高額。若者が手を出しようにも、最初の一歩も踏み出せないのが現実ではないでしょうか。
■チョッパーの基本理念を再考させる一台
チープな車両に手を加え、ストックよりもスタイリッシュかつクールに……そんな基本理念を考えるとここに紹介する宮城県仙台市に店舗を構えるショップ、コズミックによるTC(ツインカム)ソフテイルベースのチョッパーは、カスタムベースとなるモデルが比較的安価に中古車市場で流通される今の時代、まさに正統なチョッパーといえるものです。
チョッパーの良し悪しを判断するポイントとしてリアビューのスタイルの良さがあるのですが、その点もこのマシンはパーフェクト。絶妙なバランスです
そのコズミックといえば1990年に伊東保裕氏によってパーツの輸入販売ショップとして業務をスタートし、1993年に現在の代表である三浦大介氏が入店後、カスタム・ショップとしての色を強め、現在まで続いています。
2016年に三浦氏が業務のすべてを引き継いで運営される同店は、仙台で“フリスコ・スタイル”を基にする“走りとスタイルを両立する”チョッパー・ビルドを行うショップとして知られた存在です。
もともと米国のアウトロー・カルチャーから生まれたこのスタイルを、現在は東京に移転した“SAMS”の鈴木修氏と共に仙台という街で根付かせ、シーンを牽引してきたコズミックというショップですが、やはり業界内で定評があるのが、車両のクオリティの高さとバランスの良さ。それはここに紹介する一台からも伝わるでしょう。
2004年式FLSTFファットボーイをベースに、鈍重な外装を捨て去り、オールド・フリスコ・スタイルを現代的にアレンジした車体のエクステリアは、すべてコズミックによるワンオフ(一品もの)なのですが、タンクの造形やマウント位置、リアフェンダーの長さやストラットのデザインなど、随所にビルダーの三浦大介氏のセンスが光ります。
ストレッチしたフレームに4インチほど延長されたフロントフォークがこの車体には取り付けられているのですが、ネック部の構造を見ると、しっかりと強度が確保されていることが分かります。またタンクのマウント位置やリアフェンダーのサイズなどのバランスも絶妙です
似たような仕様のフリスコチョッパーでも、創り手の繊細な感覚の違いで、フィニッシュに微妙な差が現れるのも、この手のマシンの奥深さです。
また、この車両はメインフレームをストレッチし、リアのフェンダーを支えるストラットをカットしてあるのですが、これらの処理もビルダーのセンスと技術が垣間見えます。特に、こうしたマシンの場合、ストラット部分を荒っぽく切断しただけのものが多く見受けられますが、この点の仕上がりに気を配るだけで完成度は大きく違います。無論、このコズミックのマシンは、そうした部分もパーフェクトです。
ストレートな物言いで表現してしまうとカッコ悪い純正バイクをクールに昇華するのがチョッパーの基本なのですが、そうした部分を踏まえると、このコズミックによる一台は完璧。
大胆にカスタムを施すチョッパーといえども基本は“乗り物”なのですが、そうしたことを踏まえるとこのコズミックによる車両は旧車的な気難しさやトラブルも皆無です。これこそがまさに、一般的なユーザーの方にもオススメ出来るチョッパーかもしれません。
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