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MotoGP アンダルシアGPで表彰台を独占するもヤマハ陣営に浮かび上がる不安

バイクのニュース / 2020年7月30日 9時0分

MotoGP第3戦(MotoGPクラスのみ2戦目)アンダルシアGPの決勝レースは、ヤマハのライダーが表彰台を独占したが、エンジンの信頼性に不安が残る結果になりました。

■クアルタラロが2連勝。ビニャーレス、ロッシが続き、ヤマハが表彰台を独占

 スペインのヘレス・サーキット‐アンヘル・ニエトで2週連続での開催となったMotoGP第3戦(MotoGPクラスのみ2戦目)アンダルシアGPの決勝レースが行われ、ファビオ・クアルタラロ(PETRONAS Yamaha Sepang Racing Team)が開幕から2連勝。2位にマーベリック・ビニャーレス、3位にバレンティーノ・ロッシとヤマハ・ファクトリーの2人(共にMonster Energy Yamaha MotoGP)が続き、ヤマハのライダーが表彰台を独占した。

 前戦のスペインGPでポール・トゥ・ウィンを飾ったクアルタラロは、ポールポジションを獲得。決勝でもホールショットを奪って徐々にリードを広げ、一度も首位を譲ることなく、2位に4.495秒差を付けた。

「今回のようなタフなレースで、もう1勝を挙げられたことは、とても嬉しい。ずっと長い間、バレンティーノは僕のアイドルだったから一緒に表彰台に立てて最高だった」と快進撃を続ける21歳は述べている。

 2番グリッドからまずまずのスタートを見せたビニャーレスだったが、オープニングラップ最終コーナーでのブレーキングのミスあり、ロッシにパスされて3位へと後退。その後も前方をふさがれたことによる周囲のマシンからの熱気の影響で「呼吸が苦しくなり、急激に疲れてしまった」ため、フランチェスコ・バニャイア(Pramac Racing Ducati)、フランコ・モルビデリ(PETRONAS Yamaha Sepang Racing Team)に先行を許す。バニャイア、モルビデリがいずれもマシントラブルでリタイアすると、レース終盤でロッシを抜き返して2位に浮上。最後までポジションを守った。

 予選4番手のロッシは、クアルタラロ、ビニャーレスと同じ方向から自分好みのセッティングへと変更したことが功を奏し、2019年の第3戦アメリカズGP以来となる、最高峰クラスで199回目となる表彰台を獲得し、「ダビド(・ムニョス:クルーチーフ)と違うセットアップを試したら上手くいった。チームのみんなも良い仕事をしてくれた。表彰台に戻れて、優勝したのと同じぐらい嬉しい」」と喜んだ。

4位は自己最高位を更新した中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)

 4位は自己最高位を更新した中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)。5位にはジョアン・ミル(Team SUZUKI ECSTAR)、6位には前回3位表彰台のアンドレア・ドビツィオーゾ(Mission Winnow Ducati)が滑り込んだ。

右腕上腕骨骨折からの復帰を目指していたマルク・マルケスだったがレースは欠場した

 右腕上腕骨骨折からの復帰を目指していたマルク・マルケスは、フリー走行を走ったものの出場を断念。右肩の骨折及び脱臼を抱えるアレックス・リンス(Team SUZUKI ECSTAR)は10位で6ポイント、左手舟状骨の手術明けとなるカル・クラッチロー(LCR Honda CASTROL)は13位で3ポイントを掴み取った。

 先週に引き続き、最高気温36℃、路面温度59℃という厳しいコンディションに見舞われ、リンスを除く全ライダーが、フロントにハード、リアにソフトのタイヤを選択(リンスのみフロントもソフト)。完走13台というサバイバルレースとなった。

■最高のスタートを切ったヤマハ陣営だが、エンジンンの信頼性に不安も

 2レースで6席中5席の表彰台を獲得し、コンストラクターズランキング1位、チーム別ランキングでも1-2位と最高のスタートを切ったヤマハ陣営だが、懸念材料もある。MotoGPクラスの初戦となったスペインGPではロッシが、今回のアンダルシアGPではモルビデリが、エンジンに起因するトラブルでリタイアしている。センサーの異常ではないか? と推測されているが、原因はまだ特定されてはおらず、ロッシとビニャーレスがスペインGPで使用したエンジンは日本に送られ、詳細に調べられているとされる。

アンダルシアGPではモルビデリがエンジントラブルでリタイアした

 ロッシの場合は警告灯が点いた後にセーフモードへと入り、マシンを止めたが、モルビデリの場合は「前のラップまで何の兆候もなく、警告もなしに突然トラブルが起きた」という。すぐにピットインし、大事には至らなかっが、スペインGPのFP3では、ビニャーレスのエンジンからも奇妙な音が発せられていた。

 エンジンの基数制限も気になるポイントだ。すでにマシン1台に対する上限の5基(優遇措置を受けるKTMとアプリリアは7基)のエンジンをビニャーレスは使用し、ロッシ、クアルタラロ、モルビデリも4基を使用している。ちなみにヤマハの4台を除く他のメーカーのマシンは、すべて2基までに留めており、もし上限を超える数のエンジンを使用する場合は、レースディレクションから何らかのペナルティーを課されることになる。また、今シーズンのエンジン開発は凍結されているため、トラブルの原因を究明できたとしても、安全性に関わり、かつパフォーマンス上の利点がないことを認められた上、MSMA(Motorcycle Sport Manufacturers’ Association:モータースポーツ製造者協会)MotoGP委員会で満場一致の可決を得られた場合にのみ、変更を認められる。

 ヤマハ・ファクトリーでマネージングディレクターを務めるリン・ジャービスは「2つの週末に3つのエンジンを失ったので心配ですが、同じ問題かどうかを確認してから解決策を見つける必要があります」とこの問題について語っている。

コーナリングスピードを重視するビニャーレスのライディングスタイル

 信頼性の問題に加え、以前から囁かれているようにライバルと比べてパワーが劣っている点も不安な要素だ。スペインGPではパワーに定評のあるドゥカティに比べ、トップスピードで10km/h以上の差があった。コーナリングスピードを重視するビニャーレスらのライディングスタイルもあり、ヤマハのマシンは単独走行では速いが、ラインの自由度を奪われる集団での走行にやや難があるとされる。予選で上位を独占し、ヤマハ陣営でリードを築く展開になれば問題はないが、今後、マルケスが復帰し、接近戦の展開になった場合にも現在のような結果を残せるかにはまだ疑問の余地がある。

 エンジンパワーが重要なブルノ・サーキットでのチェコGP、レッドブル・リンクでの2戦(オーストリアGP・スティリアGP)が控えており、この3連戦のパフォーマンスで今シーズンの行方が占えそうだ。

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