一歩引いて見ればおかしなネーミング? カワサキ「Ninja ZX-25R」の他にはない個性的すぎるキャラクターとは
バイクのニュース / 2020年12月30日 15時0分
2020年9月に発売されたカワサキの新型「Ninja ZX-25R」は、並列4気筒エンジンを搭載する排気量250ccクラスのスーパースポーツモデルです。ライターの伊丹孝裕さんが試乗します。
■そのネーミングとは裏腹に、表舞台で輝く抜きん出た存在!?
カワサキ入魂の2020年ニューモデル「Ninja ZX-25R SE KRT EDITION」に乗りました。アルファベットアレルギーの人のためにカタカナで記しておくと「ニンジャ・ゼットエックスニーゴーアール・エスイー・ケイアールティー・エディション」。どちらにしても長いので、ここから先は「ZX-25R」でいきます。
そもそもバイクの名前に「ニンジャって正気の沙汰か?」と思わなくもありません。アラフィフライダーにもなるとすっかり慣れてしまっただけで、ニンジャですよ、ニンジャ。スズキの輸出仕様ジムニーに「サムライ」ってのもありましたが、いずれにしても「なにに乗ってるの?」って聞かれた時、答えるのが微妙に気恥ずかしい。どうせなら「トノサマ」あたりまで振り切ってくれた方が清々しく、逆に250ccクラスなら「アシガル」とかいいんじゃないですかね。なんかこう、キビキビ曲がって小気味いい感じがして。 そこはかとなく、ヤラれキャラ感が漂わなくもないですが。
それはさておき、今回乗ったZX-25Rは全然アシガルじゃありませんでした。ハンドリングはかなり安定指向で、特にフロントタイヤは路面をヒタヒタと追従。どちらかと言えば、ご家老のようにどっしりと落ち着いた振る舞いを見せてくれたからです。
反面、エンジンは“お転婆”です。転がる婆さんと書いて、おてんば。もうその字面だけでただごとではありませんが、「お転婆娘」という言い回しからも分かる通り、不思議なことに、この言葉は若い娘さんに対して使われるわけです。ちょっとした侮蔑表現に感じられるものの、あまり深堀りしても話が一向に進まないので、それもさておき。
排気量250ccクラスの4ストローク並列4気筒エンジンから、旨味を感じられる回転領域があったことを思い出す
ともかく、ZX-25Rのエンジンで印象的だったのは、今や死語に近い「パワーバンド」というワードを思い出させてくれたことです。パワーバンドとはエンジンが活き活きとレスポンスする領域のことを言い、ZX-25Rの場合はだいたい14000rpmから17000rpmあたり。この3000回転の中に旨味がギュッと詰まっていて、この回転域を外すとまったく活力を感じさせません。
8000rpmやそこらでは、エンジンはモワァ~と手応えがなく、その様はまるで志村けん扮する“ひとみ婆さん”さながら。スロットルを開けても「あんだってぇ?」的な反応しか見せてくれない一方、13000rpmあたりからは急にキャンキャンと騒がしく、小泉今日子演じるあんみつ姫のような“おちゃっぴい”な(※ウィキペディアで“あんみつ姫”を調べると、こう書いてあった)キャラに豹変。その二面性が、ZX-25Rに搭載される並列4気筒エンジンの魅力と言えるでしょう。
カワサキ「Ninja ZX-25R SE KRT EDITION」(2020年9月発売)
ただし、婆さんモードの時はいいとして、娘もしくは姫モードの時はかなりうるさいです。パワーバンドに入った時の排気音は金切り声と表現しても差し支えなく、その領域を一般公道で楽しもうとすれば、非合法極まりない速度に到達するのは必至。本領を発揮させるには、結局のところサーキットに持ち込まなければならず、その意味ではリッタースーパースポーツが抱えるジレンマとあまり変わりありません。250ccでありながら、決して手軽ではないところに一抹のもったいなさが感じられるのです。
とはいえ、他のモデルにはない抜きん出た個性を持っているのは事実。話題性に関してもパフォーマンスに関しても、しばらくカワサキの独壇場が続くのは間違いありません。
カワサキ「Ninja ZX-25R SE KRT EDITION」(2020年9月発売)
ニンジャというネーミングとは裏腹に、まったく世を忍ぶつもりはないようです。
※ ※ ※
今回試乗したカワサキ「Ninja ZX-25R SE KRT EDITION」の価格(税込)は91万3000円、標準仕様の「Ninja ZX-25R」は82万5000円です。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
カワサキ「エリミネーター」が人気に? バイク王が「リセール・プライス」ランキング発表!
マイナビニュース / 2024年4月19日 13時37分
-
バイク未来総研、『リセール・プライス』ランキングを発表『カワサキ・ELIMINATOR』が初の首位獲得!
PR TIMES / 2024年4月18日 11時50分
-
見た目はほとんど同じ!?フレームが共通の兄弟バイク3ペア
バイクのニュース / 2024年4月15日 13時10分
-
バイクなのにストロングハイブリッド!? カワサキ「Ninja 7 Hybrid」に驚いた
バイクのニュース / 2024年4月10日 17時0分
-
あと5cm身長が欲しい!足が地面にとどきにくい人にはどんなバイクがオススメ?
バイクのニュース / 2024年4月8日 9時10分
ランキング
-
1平均月23万円だが…〈初給与〉に心躍る大卒新入社員〈給与明細〉を見て愕然「天引き額が多すぎる!」
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年4月25日 7時15分
-
2初期から老眼鏡をかけっぱなしにすると「老眼」が早く進む【一生見える目をつくる】
日刊ゲンダイ ヘルスケア / 2024年4月25日 9時26分
-
3「健康食品は健康に悪い」という不都合な事実…紅麹サプリ問題で明確になった健康食品の恐ろしいリスク
プレジデントオンライン / 2024年4月25日 9時15分
-
4ビジネスシーンでの「方言」どう思う? 「標準語にすべき」「方言でも問題ない」意見真っ二つ! マナーコンサルタントの見解は
オトナンサー / 2024年4月25日 7時10分
-
5「いつまでも結婚できない40代男性」の勘違い…高年収でも女性から選ばれない“深刻な原因”
日刊SPA! / 2024年4月25日 11時11分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください