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意外と汚れてるヘルメットの内装を清潔に、日常のお手入れのコツをヘルメットのプロフェッショナルに聞いてみました!

バイクのニュース / 2021年1月7日 11時0分

ライダーの頭部を守ってくれるヘルメットですが、内装は汗と皮脂、帽体は排気ガスとホコリで汚れやすいのが難点です。そこでアライヘルメットのプロに、日常のお手入れのコツを聞いてみました!

■ライダーの頭部を守るためのヘルメットの基本構造

 万が一の事故の際、ライダーの頭部を衝撃から保護するヘルメット。丈夫な外殻部分となる帽体(シェル)、衝撃を吸収するライナー、ホールド感を高める内装、走行風から目を保護するシールド、そして固定するためのアゴひもなどによって構成されています。

 帽体(シェル)の素材は主にABS(アクリルニトリル・ブタジェン・スチレン)やFRP(ファイバーグラス・レインフォースド・プラスティック)、PC(ポリカーボネイト)などの樹脂を採用。転倒時の衝撃を受け止め、分散させる役目があります。風雨や排気ガスにさらされ続けているので、砂やホコリで汚れがちです。

 転倒時の衝撃を吸収しするライナーの主な素材は発泡スチロール、頭部を保護しつつフィット感を高める内装はポリウレタンフォームのパッドが採用されています。特に素肌と常に密着しているパッドは、汗と皮脂で汚れやすいのが難点です。最近では内装の取り外しのできるタイプが増えています。

 日常でのこまめのメンテナンスが必要ですが、さまざまな素材を複合して作られているのでお手入れ方法には注意が必要です。そこでアライヘルメットの上幸一さんにその極意を聞いてみました!

■皮脂や汗で汚れたままの内装を放置すると、肌や内装自体へのダメージも!

 頭や顔を覆うヘルメット。素肌と常に密着している内装は、汗と皮脂で汚れやすくなっています。汗や皮脂は雑菌の大好物。しかも、ヘルメットの内部は湿気がこもりやすいので、そのままにしておくと雑菌の繁殖する温床となり、嫌なニオイの原因にもなります。使用後はしっかり乾燥させるなどのケアが必要です。

ヘルメットを使用後はしっかり乾燥させるなどのケアを行い表面の汚れは拭き取りましょう

「普段から風通しのよい場所や空調のよいところで保管しましょう。使用後、すぐに袋や箱に入れて押し入れで保管…というのが実は一番よくありません」

 内装の清潔さを保つには洗濯が効果的という上さん。取り外しができるシステム内装を採用したヘルメットがオススメです。軽量で通気性がよく、内装の修正やサイズ交換も気軽に行えるのがポイントです。

内装の清潔感を保つには洗濯が効果的、取り外しができるシステム内装を採用したヘルメットがオススメ

「夏場やツーリングの後など、汗やニオイが気になる時には内装を取り外して洗濯することができます。洗濯する場合は家庭用の中性洗濯洗剤を使用してください」

 アライヘルメットでは中性以外の洗剤は使用しないように呼びかけています。アルカリ性洗剤や弱アルカリ性洗剤、酸性洗剤などを使用した場合、衝撃緩衝などにダメージを与えてしまい、本来の機能を損なうおそれがあるそう。

洗濯する場合は家庭用の中性洗濯洗剤を使用しましょう

「手洗いはやさしく押し洗い。洗濯機で洗う場合は洗濯ネットなどに入れ、『弱』または『手洗い』など、負担の少ないモードで洗ってください。湿気は悪臭の原因になるので、洗濯後はしっかり自然乾燥させることが大切です」

 水でよくすすぎ、水分を取り除いてから、風通しのよい場所に干して自然乾燥。ドライヤーにかけたり、長時間直射日光にさらすのは、衝撃吸収ライナーにダメージを与えてしまうので避けましょう。完全に乾いてからヘルメットにセットすれば、気持ちよい被り心地、パッドのフィット感がよみがえります。

内装が劣化した場合は、交換、買い替えの時期です

「内装の交換時期は使用頻度によりそれぞれですが、洗濯しても被り心地がよくなかったり、フィット感が戻らないのは内装の劣化が原因です。交換、買い替えの目安にしましょう」

■帽体は中性洗剤を使うのがお約束。さらにマットブラック塗装には注意が必要!

 一方で常に風雨、排気ガスにさらされているヘルメットの帽体(シェル)。一見キレイに見えてもよく見ると水アカ、ホコリや汚れが付着していることも…。

通常のヘルメットは、汚れがヒドい場合、一般に市販しているヘルメットクリーナーや中性洗剤を使用します

「それぞれの使用頻度にもよりますが、ヘルメットの外側は目立つ汚れを見つけたらこまめにキレイにしましょう。長くバイクに乗る予定がなければ、保管前にメンテナンスしておくことが大切です」

 帽体を清掃する場合は、水、またはぬるま湯を浸して固く絞った柔らかい布で拭くのが基本。汚れがヒドい場合は一般に市販しているヘルメットクリーナーや中性洗剤を使用しましょう。その際、ヘルメットからシールドや内装などは取り外しておくのがベスト。

シールドや内装などは取り外し帽体を清掃しましょう

「使用するケミカルは基本的にオートバイ用品店で購入できるモノで大丈夫ですが、気をつけなければならないのがシールドや樹脂パーツです。コーティングされていない稼働部分などから溶剤が浸入し、素材の劣化を早めてしまう可能性があります。また、意外とつきやすいのが虫で、早めに落とした方がいいですね」

 日頃のこまめなお手入れで汚れが固着しないようにするのがコツ。ツブれた虫の死骸などは、乾燥するとこびりついて落としにくくなるので、早めに洗い落とすことが肝心です。

「塗装のタイプによってもケアが異なります。最近人気のマット塗装には注意が必要です」

 マット塗装は「つや消し」とも呼ばれる塗装で、表面に細かな凹凸をつける塗料を使用し、光沢のない独特の質感が魅力となっています。洗浄剤によっては塗装面にダメージを与える可能性があり、色ムラになってしまっている場合もあるのだとか…。

マット塗装(つや消し)には、裏ワザですがしつこい汚れを水だけでかき取ることができるメラミンスポンジがオススメです

「特にマット塗装にコンパウンド(研磨剤)の入っているものを使うのはNGです。落ちにくい汚れについては、裏ワザですがメラミンスポンジが落ちやすいとスタッフの間では評判です」

 メラミンスポンジは、メラミン樹脂を発泡させたメラミンフォームを採用。細かいミクロン単位の気泡と硬度の高い骨格構造が特徴で、しつこい汚れを水だけでかき取ることができます。メーカーでは表面に特殊加工が施された製品への使用を推奨していないのであくまで裏ワザ。たっぷりの水を含ませて丁寧に優しく使い、強くこすらないことが大切です。

シールドは家庭用の中性洗剤を薄めたもので洗浄しましょう

「シールドは家庭用の中性洗剤を薄めたもので洗浄しましょう。シールドの表面はコーティングしてあるので大丈夫ですが、加工面から徐々に溶剤が入ってしまい、劣化して割れたりヒビが入ったりすることもあります」

 ヘルメットのクリーニングは帽体、内装、シールドなどを取り外し、きちんと洗剤を落として完全に乾燥させてから組み上げることが大切です。劣化を防ぎ、長く使用することができます。安全性はもちろんメンテナンス性も考慮し、自分のライフスタイルに合ったヘルメットを選び、日頃のお手入れも心がけましょう!

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