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the「燃費」ちょっと気になるアドベンチャー、ヤマハ「テネレ700」の実力は? 実走計測!

バイクのニュース / 2021年2月6日 11時0分

2020年6月に国内販売開始されたヤマハの新型アドベンチャーモデル「Tenere 700」は、オフロードでの走破性とツーリングでのユーティリティ性を高次元でバランスさせた大型バイクです。燃費性能はどうなのでしょうか? 実際に走って計測しました。

■ヤマハが放つ海外発機種、アンダー1000ccクラスの注目株

 2020年に国内で発売されたヤマハ「Tenere 700(テネレ700)」のパワーユニットは、「MT-07」や「XSR700」に搭載される排気量688ccの直列2気筒エンジンと同型のもの。世界でも人気の高いアドベンチャーバイクセグメントの中でも、ここ5年ほど販売が好調なアンダー1000ccクラスに向け、ヤマハが投入した注目株です。

 この「テネレ」という車名は、サハラ砂漠の中にある広大な砂丘地帯の名称に由来しており、冒険ラリーバイクに端を発したモデルラインだけに、悪路走破性能がしっかり担保されたツアラーなのが特徴です。

 フロント210mm、リア200mmというサスペンションストローク、前輪21インチ、後輪18インチのブロックタイヤ、そして240mmを確保した最低地上高、その分シート高がグッと引き上げられるのですが、これらスペックを見て胸熱になる人なら、875mmのシート高を機能美と呼べるはず。

 そんなアドベンチャーバイクで、どこまでも走ることを想像する人がとっても気になるのが燃費です。「テネレ700」のカタログスペックによると、定地燃費値(60km/h走行、2名乗車時)が35km/lで、WMTCモード値(クラス3、サブクラス3-2)は24.0km/lとなっています。

 同型エンジンを搭載する「MT-07」と「XSR700」は、それぞれ38.4km/lと23.9km/lです。悪路走行を意識したギアレシオ(二次減速比)やブロックタイヤを採用する「テネレ700」が、定地燃費値ではロード系の両モデルと差があり、アクセル開度が大きく、計測速度が高くなるWMTCモード値(同クラス)ではほぼ同等、と見ることもできます。

 しかし、正直どちらの燃費モードも個々の使用環境にドンズバというワケではありません。では実走ではどんな燃費なのか? the「燃費」取材班は「テネレ700」の実力を知るべく、市街地+高速道路+快走路をいつものルートで測ることにしたのです。

 文中の距離、燃費値は車載のトリップメーターと平均燃費計の数値を活用しており、満タン法での計測ではありません。

■街が荒野に見える!? 市街地でも感じるオフロードモデルのキャラクター

 the「燃費」の市街地計測は、都内外苑周辺をスタートし、青山通りを皇居方向へ、そのまま銀座、晴海を抜け、首都高湾岸線沿いの国道357号線東雲付近までで計測しています。

いざ、ツーリング燃費の計測へ。都心の石畳のブティック通りから朝の通勤時間帯の大通りへ

 交通量が多く、タイミングによっては信号待ちが長く続くこともあり、交通の流れによって燃費データが左右されるため、同じルートながら定量的な数値とは必ずしもなりません。

「テネレ700」は比較的ファイナルギアレシオをオフロード走破性に合わせて低めに設定していることから、市街地でもキビキビとした動きを感じます。遅い流れでも3速、4速での走行を許容するため走りやすく、1速、2速での低速走行時の粘りも引き出しやすいのが特徴です。また、50km/hを超せば6速ホールドでスルスルと走ることも可能です。この日、やや渋滞が多く、12.8kmの走行で燃費データは16.8km/lでした。

 同等排気量車のスズキ「V-Strom 650XT」が同区間で18.9km/lで、DCTを装備するホンダ「X-ADV」が23.9km/lだったため、比較するとやや低い印象は否めません。

■さすがアドベンチャー、淡々と移動距離を重ねる燃費性能は悪くない

 市街地での燃費計測を終え、高速道路、快走路での燃費計測のため千葉県木更津市へ移動します。高速道路の燃費計測は往復の2区間です。往路はアクアライン連絡道「袖ケ浦IC」から館山道「富浦IC」出口近くにあるコンビニまでの間で計測しています。

高速道路移動の快適性もさることながら、燃費性能も悪くない結果に

 往路スタート直後の制限速度は80km/hで、館山道で南下を始めると100km/hになり、さらに進むと対向2車線になるため、制限速度は80km/hから70km/hへと低下します。また、この館山道はアップダウンの連続になります。

 復路は、館山道「富津中央IC」からアクアライン連絡道「木更津金田IC」まで。往路同様、館山道区間はアップダウンが続く制限速度100km/h区間、アクア連絡道は80km/h制限となります。

「テネレ700」は往路53.8kmを走行した燃費は30.2km/lとなり、復路25.4km区間では28.5km/lでした。高速道路の平均燃費は29.3km/lと、悪くありません。

 ローギアードなためやや巡航時のエンジン回転数は高めになるものの、アクセルレスポンスが良く快適です。制限速度域までだとハンドルまわりに伝わる振動もマイルドでどこまでも走れそうです。スズキ「V-Strom 650XT」が平均27.4km/lで、ホンダ「X-ADV」のそれが31km/lとなり、「テネレ700」の燃費性能は悪くないことが確認できました。

■里山ツーリングが抜群に楽しい! 舗装路での快適性も重要な性能

 快走路は、いわゆるツーリングで走る一般道であり、信号や交通量の少ないルート3区間で燃費を測ります。

the「燃費」の設定ルート。房総半島最南端エリアにて

 区間1は館山道「富浦IC」出口付近から房総半島南端エリアまで。半島内陸の「安房グリーンライン」を使い海岸線まで走ります。区間2は南端エリアから国道410号線、県道34号線を通り「大山千枚田」まで。区間3は「大山千枚田」から県道34号、県道184号「紅葉ロード」を経て館山道「富津中央IC」の入り口まで、合計87.5kmを移動します。

 区間1の一部と、区間2の前半パートの海岸線以外はアップダウンが続き、ツーリングルートとしても多くのライダーに利用される道です。

「テネレ700」はオフロード走行を重んじたアドベンチャーバイクですが、こうした道を走ると楽しいの一言です。舗装路が苦手、移動で疲れていては冒険ができない、そんなことを開発の方も語っていました。そう、アドベンチャーバイクにとってアスファルト性能は重要パートなのです。

 区間1で22.1kmを走行し、31.8km/lを記録、区間2では39.1kmを走行し、31.3km/lを記録、区間3で26.3kmを走行し、31.1km/lを記録しました。31km/l台でキレイにまとまり、快走路での平均燃費は31.4km/lとなりました。

 市街地燃費では後塵を拝した「V-Strom 650XT」が平均31km/lだったので、それをやや上回る成績です。低燃費自慢でもある「X-ADV」はこの区間35.4km/lとやや水をあけていますが、「テネレ700」も納得の数値でした。

■優れた燃費性能+レギュラーガソリン指定が嬉しい!

 出発して早々、市街地での燃費(結果)を見た時に、この日の行程にやや暗雲を見たthe「燃費」取材班でしたが、それは全くの杞憂に終わり、市街地状況がいつもより厳しめだったと結論付けることが出来そうです。燃費が良くてレギュラーガス指定、同じ距離を走るのに高価なハイオクガスを入れなくて良い、というのも嬉しい冒険性能だと言えるでしょう。

いつものツーリング想定の計測ルートを走り終え、ゴール地点の千葉県木更津エリアに到着

■ヤマハ「Tenere 700」燃費結果
総合評価:☆☆☆☆★(ホシ4つ)
総走行距離:179.5km
市街地:16.7km/l
高速道路:29.3km/l
快走路:31.4km/l

 ヤマハ「Tenere 700」の価格(消費税10%込み)は126万5000円です。

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