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買い物カゴ並の収納力!? ホンダ「NC750X DCT」 熟成の2018年モデルでツーリングの使い勝手を検証する

バイクのニュース / 2021年2月21日 13時0分

2021年2月25日に新型が発売されるホンダ「NC750X DCT」は、従来モデルからクラッチ操作不要で気軽に乗れるアドベンチャーテイストのツアラーとして人気を博してきました。あらためて2018年モデルを駆り、ツーリングでの使い勝手を確かめてみました。

■実用派ツーリングマシンは今後も継続!! その使い勝手をあらためて

 まもなく新型が発売(2021年2月25日)されるホンダ「NC750X」は、クラッチ操作が不要なセミオートマチックの「DCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)」仕様を中心に、従来から気軽に乗れるアドベンチャーテイストのツアラーとして人気を博してきました。ここではあらためて2018年モデルの「NC750X DCT」を駆り、神奈川県の三浦半島までツーリングに出かけ、その使い勝手を確かめてみました。

ホンダ「NC750X DCT」(2018年型)でツーリング。コンパクトな車体と安定感のある走り、エンストしないDCTのおかげで、気になる景色があれば気軽に「寄り道しようかな?」という気にさせてくれる

 アドベンチャーテイストの大型バイク(排気量745cc)としては車体が比較的コンパクトで車重も軽め(231kg)。同じホンダの「CRF1100Lアフリカツイン」や「VFR800X」に比べて「誰でも乗れます」感が強いマシンです。実際に乗ってみても、気負わず「楽だな」と思えるシーンが多々ありました。まずはやっぱりDCT、これがとにかく便利でした。

 ツーリングに出かける際、高速道路に乗るまでの一般道で渋滞、なんて状況はありがちですよね。渋滞とまではいかなくても、信号が多く何度もゴー&ストップを強いられる都市部の走行では、MT(マニュアルトランスミッション)車だとクラッチレバーを握る左手に負担がかかりがちです。でもDCT仕様にそんな苦労は一切ありません。クラッチレバー自体がなく、スイッチを「D」モードに入れるだけで、あとはスピードに応じてバイクが勝手に変速をしてくれます。停まると自動で1速に戻るので、再発進の際も何も考えることなく楽々でした。

 DCTの恩恵は首都高から横浜横須賀道路など、高速道路を走っているときにも感じられました。たとえばIC(インターチェンジ)付近で流れがグッと遅くなって減速、その先でまた再加速するような場合も、いつの間にかギアを1速落とし、スピードアップとともにシフトアップしてくれるなど、最適なギアを選んでくれます。これは、クルーズコントロールとはまた違う意味で楽な機能と言えます。

ハンドル右側にあるDCTのスイッチを「D」方向に押して走り出せば、最適なタイミングでシフトチェンジをしてくれる。ちょっとスポーティに走りたいときは「S」モードを選択

「NC750X」は、大型アドベンチャーモデルの「アフリカツイン」のような湧き出るトルクにまかせてグワーッと加速するようなパワー感はありません。しかし「ここでシフトダウンしてパワーが欲しい」「そんなに上まで引っ張らなくていいからシフトアップしたい」という場面では、左手でパドルシフトを操作すれば任意にギアチェンジができます。また、峠のワインディングなどではDCTを「S」モードにすれば、シフトアップのタイミングが早くなり、スポーティに走ることもできます。バイクまかせでも、ライダーの意思を反映してもイージーに走れるのが良いですね。

 ツーリングマシンとして見た場合、嬉しいのがETC2.0車載器とグリップヒーターを標準搭載しているところです。高速道路を多用するツーリングや、寒い季節も走るアクティブ派には欠かせません。それに加え、いわゆるトラクションコントロールであるHSTCまで最初から搭載されているのは、実用的で本当にありがたいです。

 スタイリングはアドベンチャーテイストではありますが、スポーツツアラーの色が強いロードバイクなので、オフロード志向の強いアフリカツインのような腰高感もなく、どっしりと安定感のある乗り味です。

 筆者(野岸“ねぎ”泰之)はツーリング先で脇道を探索することが好きなもので、全幅845mmのスリムな車体は、港近くの路地や小さな漁港に通じる細い道などにも臆することなく入って行けました。その際、行き止まりで引き返すことになってもDCTだとエンストの心配がないので、切り返しやUターンがとても楽でした。

 また、三浦半島らしい景色を求めて畑の中を巡る道を走っていると、ところどころでアスファルトの上に土が流出している場面があります。そんなときでもABSとトラクションコントロールがもたらす安心感で、心配せずに走ることができました。新型はスロットルバイワイヤーの採用や、DCTの設定も見直されているとのことで、さらに乗りやすくなっていることでしょう。

ラゲッジボックスに巨大ブロッコリーや三浦大根、キャベツを入れてみた。大根の葉を落としたらすべての野菜が納まった。かなりの収納力

 車体の特徴として忘れてはならないのが、エンジン上に配置されることが一般的な燃料タンク部分に設けられたラゲッジスペースです。スクーター以外でこれだけの収納スペースを確保しているバイクは稀有な存在です。「何を入れようかな?」と考えるだけでも楽しいもの。雨具や防寒具などを収納するのも良いですが、個人的にはあえてカラのままツーリングに出向き、お土産を詰めて帰ってくる、という使い方がオススメです。今回は三崎港にある産直品売り場「うらりマルシェ」で野菜を買い込み、わかってはいましたがかなりの量を収納出来てびっくりしました。新型ではさらに容量が拡大しているとのこと、ユーザーにとっては楽しも広がるのではないでしょうか。

給油の際にはタンデムシートを開ける必要がある。空荷の時はいいが、キャンプツーリングなどでシートに荷物を積んでいるときは面倒

 ひとつ残念なのが、給油口の位置です。リアシートの下にあるため、キャンプツーリングなどでシートに荷物を積んでしまうと、給油のたびに荷物を下ろす必要があるのです。パニアケースとトップケースを装備すればほぼ悩みは解消できますが、尺の長い荷物などタンデムシートに積む必要がある場合、少々面倒なことは否めません。ラゲッジスペースの利便性とトレードオフなのは理解できますが、従来から不評だったポイントだけに、今回のフルモデルチェンジで変更がないと聞き「何とか工夫できなかったのかな?」という思いは残ります。

 とはいえ、気負わず楽に乗れて疲れも少なく、実用的な装備が盛りだくさんの「NC750X DCT」は、ツーリングマシンとして熟成され、バランスの取れた名車であることは間違いないでしょう。さらに進化した新型にも期待が高まります。

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