新車の初回点検とは一体何をするのか?
バイクのニュース / 2021年5月5日 9時0分
新車のバイクを購入して、しばらくすると「初回点検」を受けるようにと通知が来ます。新車で不具合なんて考えられないし、実際に受ける必要はあるのかと、疑問に思う人もいるかもしれません。新車の初回点検とは、一体どんな内容で、どのくらいの費用がかかるのか、点検受診の内容、必要性、経費について詳しくレポートします。
■新車バイクの初回点検って何?
新車でバイクを購入して、一定の条件が経過した際、「初回点検整備」を受けるように決められています。購入から1カ月経過、または1000km走行のどちらか早い方で受診します。日本のホンダをはじめ、ヤマハ、スズキ、カワサキの二輪車製造大手4社は、この初回点検整備は、「特にバイクの寿命に大きく影響する」として重要視しています。
とはいえ、各メーカーの厳しい完成検査で合格した商品なのに、なぜ早期に点検をする必要があるのか、という疑問も湧いてきます。しかしながら、新型車を生産ラインで組み上げた状態の完成検査で発見できなかった不具合も、ある程度の時間と距離を実走行することで発症する可能性があるのです。
実際に走行することによって、組み立て時には無かった走行振動や負荷によって、各部のネジの緩みや、タイヤやホイールなどの取り付け部の緩みが発生する場合があります。
初回点検では、このような各部の馴染みによる緩みの締め付け・調整などに加えて、エンジン内部の部品が擦り合うことによって微細な金属片が発生し、それらをスラッジなどと共にオイル交換によって取り除くことや、電子部品の初期不良の確認なども含まれます。
さまざまな箇所の確認すべき点が整備項目に入っています
具体的な点検項目として、ホンダの例で示すと、「ブレーキ装置」「走行装置」「動力伝達装置」「エンジン」「メーカー推奨交換部品」の項目で分けられ、「ブレーキ装置」ではブレーキの効き具合からペダル・レバー・ケーブルなどの損傷や緩みなどの取り付け状態を確認します。「走行装置」ではホイールのリム・ディスク・スポークの緩みや損傷確認し、「動力伝達装置」ではクラッチの作動状況やチェーンなどの駆動部分の緩みなどを確認します。
「エンジン」の項目では、アイドリングから低速・加速の状態や、カムチェーンの調整(自動調整式は除く)、エンジンオイル・燃料・冷却水それぞれの漏れの有無を点検し、有償ですが1000km走行した車両はオイル交換とオイルカートリッジ(エレメント)の交換を行うように規定されています。
ヤマハやカワサキでは新車購入後には、バイクの寿命を伸ばすために「慣らし運転」を推奨しており、その説明のなかでカワサキは具体的に「1000km程度」の慣らし運転距離が指定されているので、慣らし運転後に実施する初回点検は新車バイクの最終的な検査だとも言えます。
■費用や注意点とは
新車の初回点検に関しては、期間内は原則「無料」ですが、無料点検期間は各メーカーともに登録から50日間の指定があり、これを超過したときやメンテナンスノートなどの必要書類を持参しないと、購入店以外への持ち込みは有償になります。費用については排気量や車種によって異なりますが、原付で数千円からとなっていて、無料点検であってもオイル交換・電球・ブレーキパッドなどの消耗品に関しては実費負担となります。
無料点検であってもオイル交換・電球・ブレーキパッドなどの消耗品に関しては実費負担です
初回点検は前述のとおり登録から「1カ月経過」または「1000km走行」経過のいずれかの場合に行います。そのため、乗る機会が少なく走行距離が伸びていなくても、1カ月経過した時点で初回点検を受けなければなりません。また、購入から1カ月未満と日が浅くても、走行距離1000kmを超えた場合、初回点検を受けるべきだとしています。
バイクの初回点検の注意事項は、事前に「予約」をしておくことと、不調や違和感を感じる症状を詳しく伝えることです。また、ブレーキやクラッチの遊びや、各部の軋み音など、気になる点があれば伝えて、調整や確認をしてもらいましょう。さらに、専門店ならではのバイクの乗り方や、長く乗るためのメンテナンスに関する情報を聞いておくと、役立つことも多いはず。実際に点検整備を担当したスタッフに、今後のために注意すべき点・事柄などを、しっかり聞いておくべきでしょう。
実際の初回点検の時間はおおよそ30分程で、オイル交換などの作業が入るときには、その作業時間が加わる程度です。が、事前の予約をせずに持ち込んだ場合に、ショップの受け入れ準備が整っておらず、待ち時間も長くなることが避けられません。また、持ち込み先が購入店でない場合、必要な書類が揃っていない場合は、無料で点検を受けられません。
バイクの初回点検は、バイクの各部が馴染んできた際に行う調整、初期不良などの異常の有無などの点検・発見のために行います。さらに、新しいバイクにライダーが馴染んでいく過程で、正しく乗られているかを確認するための点検でもあります。
初回点検は法的に定められた強制的な点検整備ではありません。ただし、メーカーの新車保証などを継続するための条件に含まれる項目なので、忘れずに受けることをお勧めします。
※ ※ ※
一部で中古のバイクにも初回点検を行う販売店もあります。新車と同じく登録から1カ月または1000km走行時に無料で点検してくれるサービスです。中古車でも展示期間や以前のオーナーとの乗り方の違いなどから、乗り始めると不調が発生することもあるため、ぜひ活用したいシステムです。
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