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【MotoGP第4戦スペインGP】世界戦に挑む中上選手 表彰台まで0.69秒差の4位に感じた、満足とほろ苦さ

バイクのニュース / 2021年5月6日 13時0分

MotoGP第4戦スペインGPの決勝レースが5月2日、ヘレス・サーキット‐アンヘル・ニエトで行なわれ、中上貴晶選手(LCRホンダ・イデミツ)が自己ベストリザルトタイとなる4位でフィニッシュを果たしました。

■表彰台まであと一歩!! 力強い走りと大きな決断

 25周にわたるスペインGPの決勝レースを、中上選手(LCRホンダ・イデミツ)は2列目5番グリッドからスタートしました。1周目は7番手に後退したものの、3周目には6番手に浮上すると、中盤以降しばらくは5番手を走るアレイシ・エスパルガロ選手(アプリリア・レーシング・チーム・グレシーニ)を追いかける展開となります。

「かなりの周回、アレイシを追いかけていました。そしてどこで交わせるのかを考えていました」と、中上選手は決勝レース後の取材で振り返りました。

「13コーナーで彼のインに入ることを考えていましたが、毎周12コーナーで距離ができてしまい、(13コーナーでインに)行けなかったんです」

 しかし、15周目ごろにファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)に異変が発生したことが中上選手にとって契機となります。

 それまで圧倒的なラップタイムでトップを走っていたクアルタラロ選手でしたが、右腕の腕上がり症状によって大幅にタイムを落とし、19周目には4番手あたりにまで後退。このとき5番手はエスパルガロ選手、6番手は中上選手、そしてその後方に2020年チャンピオンのジョアン・ミル選手(チーム・スズキ・エクスター)が迫っていました。

「ここしかないと思ったんです。もしこのチャンスを逃せば、ミルと争うことになるだろうと思いました。4コーナー、そして5コーナーで(アレイシの)インに入り、ラインを締めました。アレイシはインサイドにいて、僕たちは接触しました。僕のレーシングスーツには、右肩の部分に大きな黒い跡が残っています。アレイシのフロントタイヤが僕の右腕と肩に当たったんです」

ポルトガルGPで負傷した右鎖骨は、スペインGPでは問題なかったようだ

 一歩も引かない、そんな中上選手の気迫が見えるような力強いオーバーテイク。中上選手はその後、クアルタラロ選手も交わして4番手に浮上しました。

 最終的に、中上選手は3位とわずか0.69秒差の4位でチェッカーを受け、自己ベストリザルトタイの結果でした。

 今季の中上選手は、開幕戦、第2戦でまさかの大苦戦。第3戦ポルトガルGPでは、フリー走行2回目に転倒を喫して右鎖骨を痛め、それでも決勝レースでは10位でフィニッシュしました。思うような走りができていなかった3戦のあと、ついにこの第4戦スペインGPで本来の走りを発揮したのです。

19周目、4つどもえになったポジション争いの中で、エスパスガロ選手とクアルタラロ選手をパス

 しかし、中上選手にとっては少しほろ苦い感情も入り混じったようです。

「50パーセントは満足しているのですが、残りの50パーセントは……がっかりしているわけではないのですが。どう説明していいのかわかりません。ピットに戻って泣きました。初表彰台獲得も頭によぎったので、少し残念だったんです」と、レース後の胸中に悔しさがあったことを明かしていました。

 じつはスペインGPの初日、中上選手はあるトライをしていました。第3戦まで使用していた2021年のシャシーと、2020年の“最新進化版”シャシーを比べたのです。そして、スペインGPでは2020年の“最新進化版”シャシーの採用を決断しています。テストではなくレースウイークにマシンの骨格となるシャシーについて検討しなおすことは、大きな決断だったはず。しかし、その決断もまた、中上選手に良い結果をもたらしたと言えるでしょう。

初日には2種類のシャシーを試したという

 第5戦フランスGPは2021年5月16日に決勝レースが行なわれます。スペインGPであと一歩まで迫った、中上選手の初表彰台獲得に期待したいですね。

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