ツーリングで見かけた廃墟 奥多摩周遊道路近くに残る『奥多摩湖ロープウェイ』 いったいナゼこんなものが!?
バイクのニュース / 2021年6月7日 11時0分
バイクでツーリングをしていると、たまに「こんなところにナゼこんなものが!?」と感じられるような、驚きの光景に出会うことがあります。東京都奥多摩で遭遇した廃ロープウェイについてのお話です。
■なにげなく走り過ぎていた道のすぐ脇に、廃ロープウェイがあった……
その光景に出会ったのは、ホンダ「CT125ハンターカブ」で東京都奥多摩方面へとツーリング取材に行った時のことでした。首都圏のライダーにはおなじみの走りどころ、奥多摩周遊道路のとあるパーキングで休憩をしていたところ、ふと脇を見ると古びた鉄塔と、そこに張られたワイヤーケーブルが目に入りました。奥多摩周遊道路脇の山中から、湖の対岸へとワイヤーが伸びているようです。
どうやらここには昔ロープウェイが通っていて、その遺構がまだ残っているようです。とても気になったので、実際に見に行くことにしました。
走っていたら気付かずに通り過ぎていましたが、よく見ると道路沿いから山肌に古い階段が伸びています。それを伝って上ること数分……林の中にコンクリート製の建物が姿を現しました。派手な落書きがあり少々不気味な雰囲気ですが、思い切って中を覗いてみました。すると建物の壁には『奥多摩湖ロープウェイ』というプレートがあり、さらに奥へと進むと、ロープウェイのゴンドラが、いまにも動きだしそうな雰囲気でそのまま残されていたのです。まるで時が止まったかのようなプラットホームには「みとうさんぐち」と読める駅名板も残っていました。
奥多摩周辺をホンダ「CT125ハンターカブ」で走っていたら、不思議な光景に出会った
この奥多摩湖ロープウェイは、1962年1月に営業を開始し、奥多摩湖を渡った対岸の「かわの」駅との間622mを結んでいました。当初は奥多摩湖を一望できるということで人気を博したらしいですが、湖を横断する橋ができたことで客が激減し、わずか4年ほどで運行を終えたそうです。
その後、所有権を持っていた会社の関係者が所在不明となり、撤去することもできずそのままの状態で残されている、とのこと。じつは、廃墟好きの間では有名なスポットだったようです。
すぐ脇の道路を走るライダーはこの存在を知らないのか、あるいは知っているけど興味が無いのか、ここに目を向ける人はいませんでした。奥多摩周遊道路を走る際には、こんな場所と歴史があったんだな、と心の片隅に覚えておくと、風景がまた違って見えるかもしれません。
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