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the「燃費」つい回したくなる楽しいエンジン ホンダ「NC750X DCT」最新型の燃費はどうだ!?

バイクのニュース / 2021年6月12日 11時0分

好燃費もウリのホンダの個性派クロスオーバーモデル「NC750X」(DCT仕様)は、2021年型となって燃費性能も向上しているのでしょうか? 先代モデルの記録と比較しながら燃費を測ってみました。

■燃費性能に優れた排気量745ccの直列2気筒エンジン搭載、最新型の実力は?

 2021年、ホンダは「NC750X」シリーズをフルモデルチェンジし、2月下旬から発売しています。搭載される直列2気筒エンジンは、鼓動感あるリズムで走りを楽しませるほか、前傾したシリンダーとシート下に燃料タンクを納めるレイアウトによって、ライダーの両膝の間にはフルフェイスヘルメットが格納できるサイズのラゲッジスペースを確保。クロスオーバースタイルの中に隠れた秘密を持っています。

 そのエンジンは日常で最も使用する回転域をベストになるよう作り込んだのが特徴となっており、最高出力43kWを生み出す回転数は6750rpm、最大トルク69N.mを生み出す回転数は4750rpmと、スポーツ系バイクで普通に使いそうな回転数だと言えます。実際に乗ってみると、エンジンは2000rpmから3000rpm周辺を使ってもスイスイと走ってくれます。

 その恩恵として、750ccクラスの排気量にしては好燃費をサラリとマークするバイクとして代々お馴染み。過去にthe「燃費」で計測した2020年モデルの「NC750X DCT」や同系のエンジンを搭載する「X-ADV」は、スズキ「V-Strom 650XT」や、ヤマハ「テネレ700」、「XSR700」など、少し排気量の小さいバイクに対しても、市街地、高速道路、ツーリングと、燃費ではアドバンテージを付けています。

 その「NC750X DCT」の最新版(2021年型)は、スペックを見ても60km/h定地燃費値で43km/l(先代より1km/l向上)、WMTCモード値クラス3-2における計算値で28.6km/lと、ここでも先代より0.3km/l燃費値を伸ばしています。さて、実走で新型の燃費性能はどうでしょうか。

ホンダ「NC750X DCT」(2021年型)カラー:グランプリレッド。車体側面の外観変更によりフロント足まわりの軽快な印象が強調されている

 the「燃費」のテストは、市街地、高速道路、快走路(ツーリング路)を実走。燃費をチェックしています。記事中にある走行距離、燃費値は、車両のトリップメーター、平均燃費計の数字を記載しています。

 通行止めによる迂回などがある場合を除き、テストルートは毎回同じ。走行するペースは一般的な交通の流れに合わせたもので、低燃費記録を打ち立てるような走り方はしていません。とはいえ、一定速度まで加速するアクセルの開け方ひとつでガラリと変わるのが燃費です。燃費取材班のライダーが走ったひとつの参考記録とお考え下さい。今回は、先代の「NC750X DCT」が記録したthe「燃費」のテストデータも併記します。

■市街地燃費は先代とイーブン! 23km/lを記録

 the「燃費」の市街地燃費計測ルートは、東京都内の外苑周辺をスタート。国道246号の青山一丁目交差点から皇居方向に走り、皇居、丸の内のオフィス街、銀座から勝鬨橋を経て晴海を直進し、首都高湾岸線沿いを走る国道357号沿いの東雲付近まで。トリップメーターの走行距離は12.2km、そこまでの平均燃費は23km/lでした。

いざ、ツーリング燃費の計測へ。都心の石畳のブティック通りから朝の通勤時間帯の大通りへ

 新型では新たにライディングモードが装備され、今回はSTDモードで計測をしています。DCTの変速タイミングもライディングモードによって異なり、お任せでDCTが変速するATモードだと、市街地で6速を多様することはありません。そのため、5速までのエンジン回転数なので、ちょっと燃費で損をしているような気持ちにもなりますが、それは先代も同様でした。

 市街地燃費に優れた様子は、ヤマハ「XSR700」の20.4km/l、スズキ「V-Strom 650XT」が18.9km/l、ヤマハ「テネレ700」が16.8km/lだった記録からすると、その違いがわかります。

■スポーティになったエンジンと向かい風の影響か、先代比では少しマイナス

 高速道路の燃費計測は2区間で行います。1区間目は房総半島に渡ったアクアライン連絡道「袖ケ浦IC」から快走路計測を始める館山道の終点「富浦IC」直近のコンビニエンスストアまでの53.1km。2区間目は、快走路燃費計測を終えた館山道「富津中央IC」からアクアライン連絡道「木更津金田IC」までの25km、合計78.1kmで計測しています。

エンジンは排気量745ccの水冷直列2気筒OHC4バルブ(写真はDCT仕様)

 往路でもある1区間目は、アクアライン連絡道が比較的平坦で制限速度は80km/h、館山道は片側2車線区間が100km/h、1車線区間が80km/hから70km/hとなります。館山道はアップダウンの連続です。

 この日、往路では向かい風が強く吹きました。またエンジン特性をよりスポーティに振った新型では、今までの「NC」が制限速度よりも80km/hから90km/hで巡航するほうが心地よかったのに対し、100km/hないしは新東名高速にあるような120km/h区間でも快適に走れるエンジンに変わっています。そのため、先代と比較すると、むしろ制限速度を超えないようにライダーが常に注意する必要があるほど、スーっと速度が伸びます。「あー、クルーズコントロールが欲しい」そう取材班のメモに走り書きがありました。

 乗り心地は快適度が増し、高速クルーズがさらに得意科目に。また、マスツーリングでもハイペース(といっても制限速度程度で)走っても全く苦になりません。その分、回せば燃費が悪化するため、ライディングモードに先代同様、思わず90km/hで走り続けたくなるようなエコモードを求める声も上がりそうです。

 高速道路の平均燃費は31.5km/lとなり、先代の32.6km/lに対してマイナス1.1km/lという結果でした。

■快走路でも先代とイーブン! 記録は33.7km/l

 the「燃費」の快走路データは次の3区間で計測しています。区間1は、高速燃費計測を終えた「富浦IC」直近のコンビニの駐車場をスタート。房総半島の中央を抜ける「安房グリーンライン」を抜け、南端エリアまで21.7kmまで。区間2は、房総半島南端エリアから国道410号で海岸線を半島の東側に向けて走り、途中から内陸へ。その後、県道34号との交差点を左に折れ、「大山千枚田」までの38.4km。区間3は、「大山千枚田」から県道34号、県道184号「紅葉ロード」を経て館山道「富津中央IC」までの25.8kmで計測します。

実際の燃費はどうなのか? ホンダ「NC750X DCT」(2021年モデル)を走らせる筆者(松井勉)

 区間ごとの燃費計測結果は次の通り。平均すると33.7km/lになりました。カッコ内は先代のデータです。

区間1 32.9km/l(33.5km/l)
区間2 33.5km/l(33.8km/l)
区間3 34.7km/l(33.8km/l)

 3区間ともアップダウンが多く、ワインディングとも言えるセクションが続くかっこうの房総ツーリングルートです。先代比では、アップダウンの長い区間1、前半は平坦で後半がアップダウンという区間2、ワインディングとアップダウンが続くもののペースの上下が少ない区間3という、ルートのキャラクターに合わせ変化はあったものの、平均では先代同様の33.7km/lでした。

■回るエンジンの誘惑、それでも好燃費の暖簾を維持

 結果的に750ccクラスの排気量であることを考えたら燃費は良好。燃料タンク容量は14リットルと大きくありませんが、レギュラーガスであることを含め、遠出を楽しむにも良き相棒となってくれそうです。

走行距離や燃費値は、車両のトリップメーターと平均燃費計の数字を利用。2021年型で液晶メーターが新デザインに。ライディングモードやスロットルバイワイヤシステムを新採用している

■ホンダ「NC750X DCT」(2021年型)燃費結果
総合評価:☆☆☆☆★(ホシ4つ)
総走行距離:178.4km
市街地:23km/l
高速道路:31.5km/l
快走路:33.7km/l

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