the「燃費」新作ラクマッチョな人気クルーザー ホンダ「Rebel 1100 DCT」の実燃費を計測!!
バイクのニュース / 2021年7月10日 11時0分
2021年に登場したホンダ「Rebel」シリーズの最大排気量モデル「Rebel 1100 DCT」の燃費を実走計測しました。「CRF1100Lアフリカツイン」DCTモデルと同じパワートレーンを搭載しています。その実力は?
■現行「Rebel」シリーズ最大排気量、気になる実走燃費は?
巷で人気の和製クルーザー「Rebel(レブル)」シリーズに1100モデルが出たので、the「燃費」研究班では「さっそく出動せよ!」「ラジャー!」とのやり取りがありましたが、その「ラジャー」、ホントは「ロジャー」だったそうです(ググった雑学です)。
そもそも無線用語だったホントは「ロジャー」の「ラジャー」ですが、かつて無線の感度が良くない状況でのコミュニケーションで、通信内容を理解したことを意味する「レシーブ」の「R」を伝える時に「ROGER」としたのが始まりだとか。
しかし無線で「R」といえば「ROMEO」では? そうなんです。じつはアメリカ軍で一定時期、独自のアルファベット表現を使っていた名残、それが「ロジャー」だったのです。その発音が「ラジャー」に聞こえ、そのまま「了解!」の意味が「ラジャー」になったというわけです。
子供のころテレビで見た戦隊もののキメ台詞が「ロミオ!」より「ラジャー!」で良かった、と言うと歳がバレそうですが、そういうことでもなくて今回のテスト車両はそのRつながり(?)の、ホンダ「Rebel 1100 DCT」です。
ホンダ「Rebel 1100 DCT」(2021年型)
現行「Rebel(レブル)」シリーズは、2017年に排気量250ccの「レブル250」がデビュー(モデル名で言えば1985年に登場した「アメリカンスタイルのスポーツバイク」からの復活)。同デザインで500ccもラインナップし、その人気ぶりはご存じの通りです。
そして2021年に新型として加わった1100は、アフリカツイン系のドライブトレーンを搭載した「Rebel」シリーズ最大の排気量を持つ1台です。同年5月にマニュアルミッション(MT)モデルも追加されましたが、発売当初は自動変速MTの「DCT(Dual Clutch Transmission:デュアル・クラッチ・トランスミッション)を搭載したモデルが先行リリースされました。
「CRF1100Lアフリカツイン」のエンジンとDCTとのカップリング、この2点だけでもマッシブな加速と、DCTによるクラッチ操作、シフト操作を機械に任せられるMT感覚のままイージーライドが可能になったことなど「2021上半期 燃費が気になるベスト10」があれば間違い無くノミネートされるはず。そこでthe「燃費」取材班は「レブル1100 DCT」でいつものテストコースに向かったのです。
走行距離、燃費値は車載のトリップメーター、平均燃費計の数値を参考に計測。自動変速の「D」モード、ライディングモードは「スタンダード」で走る
the「燃費」では、市街地、高速道路、快走路(ツーリング路)の3つのモードで燃費を計測しています。記事中に表記される距離、燃費データーは、車両のトリップメーター、平均燃費計の数字で、いわゆる満タン法ではありません。ルートは例外を除き同じルートを交通の流れに合わせ走り、低燃費狙いのエコランはしていません。
カタログデータを見ると「レブル1100 DCT」の燃費値は、定地燃費値(60km/h、2名乗車時)が31.5km/lで、WMTCモード値(クラス3-2、1名乗車時)が18.9km/lとなっています。
燃料タンク容量は13リットル。これは「レブル250」や「レブル500」より2リッター大きくなっていますが、1100ccクラスのバイクとしてはミニマムに感るだけに、やはり実走燃費が気になるところ。今回のテストでは、ライディングモードはスタンダード、自動変速の「D」モードで計測をしています。
■停車中のアイドリング時間が響いた市街地燃費
the「燃費」市街地計測ルートは、都内外苑周辺をスタート。ホンダの青山本社がある交差点から国道246号線で皇居、丸の内、銀座を通り、かちどき橋、晴海を直進。首都高湾岸線と併走する国道357号線の東雲周辺までを走行します。
いざ、ツーリング燃費の計測へ。都内にある石畳のブティック通りからスタート
ルートには片道3車線ほどの広い道が多いものの、交差点での信号待ちも多く、タイミングによっては停止時間が長くなる場合もあります。今回、いつもよりも通過時間が6分ほど長かったため、停止時間と交通量が多めだったことが結果に出ました。
市街地走行12.3kmで燃費は13.3km/lとなりました。同ルートで計測した同じパワーユニットを持つ「CRF1100Lアフリカツイン・アドベンチャースポーツES DCT」の記録が15.3km/lだったことからも、停止時間のアイドリングは燃費に響きます。
■激加速も可能ながら、高速道路は100km/h以下でクルーズが楽しい
都内での市街地燃費計測を終え、高速道路、快走路燃費を計測する房総半島へ移動します。高速道路燃費は合計78.9kmを走行した結果、平均23.2km/lでした。
エンジンは排気量1082ccの水冷直列2気筒OHC4バルブを搭載(写真はDCTモデル)
2区間で計測するthe「燃費」の高速道路区間。往路のルートはアクアライン連絡道「木更津IC」から館山道にアクセスして南下。終点の「富浦IC」までの53.6km区間です。アクア連絡道は比較的平坦ですが、館山道はアップダウンが連続するほか、途中から片側1車線となります。制限速度はアクアライン連絡道が80km/h、館山道は100km/hから80km/hへ、そして70km/hへと変化します。
復路は快走路燃費計測を終えた館山道「富津中央IC」から館山道を北上、アクアライン連絡道で東京湾方面に向かい、「木更津金田IC」までの25.3km区間で計測します。路面の傾斜は往路同様ながら、制限速度は館山道100km/hでアクアライン連絡道から80km/hとなり、ペースで言えば復路のほうが速めになります。
「レブル1100 DCT」はパワフルかつ快適に高速道路を走ります。120km/h制限のあるルートでも全く問題ないでしょう。しかし、ポジションの関係からライダーが受ける風圧は速度を上げるほどに強く、遠距離をハイペースで走るより、100km/hないしは90km/hでクルーズコントロールを活用しながら流すのが吉。それでも力強さを常に感じられるため、これが良質な楽しみ方ではないか、と感じました。
■容量13リットルの燃料タンク、残量警告灯は早めだった
高速道路で「富浦IC」まで移動後、直近にあるコンビニエンスストアから始まるthe「燃費」の3区間ツーリングルート計測。区間1は「富浦IC」から「安房グリーンライン」経由、房総半島南端エリアまでの22.6km。区間2は南端エリアから国道410号、県道34号経由で「大山千枚田」までの38.1km。区間3は「大山千枚田」から「紅葉ロード」経由で館山道「富津中央IC」への25.8kmとなります。
実際の燃費はどうなのか? ホンダ「Rebel 1100 DCT」(2021年型)を走らせる筆者(松井勉)
区間1で通過する「安房グリーンライン」は、長い上りと長い下りが組み合わさったルートで、気持ち良いカーブとのコンビネーションはまさに快走路です。この区間では23.7km/lをマークしました。
続く区間2では、前半が海沿いに続く平坦路、後半がアップダウンとワインディングが続くルートとなる38.1kmです。この区間では24.5km/lと、今回のベストを記録します。
快走路区間3は「安房グリーンライン」と双璧とも言える快走路、「紅葉ロード」を通過します。この道もアップダウンとカーブ、そして里山風景に癒やされる道です。the「燃費」取材班が何度走っても飽きないルートで24.2km/lと、区間2とほぼ同等の数値を記録しました。
じつは途中、リザーブ警告灯が点灯し、給油をしました。レギュラーガスが8リッターちょっとしか入らず「まだまだイケた!」という発見もありました。快走路燃費平均は24.1km/lでした。
■力強いクルーザー、じつはバキュン系!?
結果的に道路状況に左右される市街地では燃費が伸び悩みましたが、燃費よりメリハリのある加減速を楽しむバイクだと感じた次第。ライディングモードは「ユーザー」を選び、変速タイミングやエンジンブレーキのパラメーターを少し燃費よりに振れば、同等の走りの楽しさで伸びしろあり、と感じた取材でもありました。とにかくマッチョパワーに誘惑されず、スーっと流して走れば、という注釈はつきますが……。
ホンダ「Rebel 1100 DCT」(2021年型)
■ホンダ「Rebel 1100 DCT」(2021年型)燃費結果
総合評価:☆☆☆☆★(ホシ4つ)
総走行距離:177.7km
市街地:13.3km/l
高速道路:23.2km/l
快走路:24.1km/l
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