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【バイクのニュース x MOONEYES コラボ企画】”YAMAHA PAS City V”カスタマイズの道~Vol.3~”24インチ自転車バランス再考” パーツチョイス・ミーティングからのレンダリングデザインが完成!!

バイクのニュース / 2021年7月22日 12時0分

アメリカン・カルチャーの伝道師とでもいうべき存在であるメーカー「MOONEYES」とバイクのニュースのコラボによる、ヤマハ「PAS」カスタム企画も3回目に突入。今回はパーツのチョイスやベテラン・ピンストライパーHiro "Wildman" Ishii氏によるレンダリングデザインを公開します。

■USAの手法を取り入れてPASをカスタム

 USA のカスタマイズで、”チョップトップ”や”スムージング”という手法があります。

“チョップトップ”はルーフの高さを低く落としたり、トランクに向けて流れるようにルーフを再構築していく手法で、”スムージング”は機能的な部分であるドアノブであったり、凹凸がある部分をシェイプしていく手法です。

1966年に製造された TOYOTA Crown Pick Up。ルーフはノーマルでドアノブも残されています

 諸説あると思いますが Speed を追求する為に車輌に施していった事が、後々のカスタムの手法に繋がってきています。僕(筆者:MOONEYES広報 PANスミ)は、何かを取り付けていく「足し算」のカスタマイズしか知りませんでしたので、削ぎ落としていく事によって、本来の魅力的な部分が強調されていくこの「引き算」のカスタムを知った時、衝撃を受けました。今でも個人的に一番好きなカスタマイズの一つです。

 横浜本牧にある MOONEYES に YAMAHA 「PAS City V」 が到着し、カスタム企画がスタート。前回は、新車の電動アシスト付自転車 PAS City Vをバラし、前輪後輪をUSAに送り、MOONEYES USA にてMOON Wheel Disc を製作したところまで進行しました。と言いましても僕は、後先考えずにバラバラにしただけですので何も偉そうな事は言えません。

 車輌を一度自宅に持ち帰り、前輪、後輪を外した状態の PAS City V を、帰宅後の時間で毎日眺めてみる事にしてみました。

カスタムのベースとして使用するYAMAHA 「PAS City V」

 会社に居るときは、”動きを止めない”ように心がけていますが、自宅では、とにかくナマケモノのようなスローな時間を過ごしています。これは家族の理解あっての事、それ以外の何物でもありません。自身の好きな事が仕事に直結している恵まれた環境で勤務していますので、「出来る人」のイメージである「ON/OFFを使い分ける」なんて事はなかなかどうして出来ません。ほぼONですし、それで良いんです。ですので、帰宅してからは、じっくりと次の行動を考えています。次の日の朝一番に躊躇なく動き出せるよう、帰宅してからボーッと考える事が好きなんだと思います。

 うわぁ文章に起こすと地味だな……。イベント業務に集中している時は、夕食時、お味噌汁の具材の豆腐が会場のコマ割りに見える時もあります。豆腐と豆腐の間を滑らかな曲線で漂うほうれん草を見ながら「これくらいの通路幅だと動線がスムーズか……」ぬぉ~これも自覚症状なかったけど、文章に起こすと、だいぶ重症ですね……。

 そして、意外にも食後の洗い物をしている時に、今後の業務の企画であったり、イメージが閃く事が多いのです。恐らく幸福感に満たされた状態なので、何処かにある無敵スイッチが入るのかと。世の中の皆様にこれはお勧めします。洗い物は最高だ!! 「ひゃ~閃いたぜぇ~」なんて自宅で発狂する事はありませんが、洗剤で泡だらけの手をマッハで拭いて自分自身に閃いた内容をメールするんです。文通相手が自分だなんて、めちゃくちゃ地味且つ暗い行為に見える事かもしれませんが、これが重要。肩ぶん回しながら出社して、「さぁやったるぞ!」ってなった時に、何も覚えてなく「おや?」となった事なんて過去に数知れず。だから「拝啓、明日の僕へ」的なメールをする癖がつきました。

■方向性が決まり、いざパーツ選びに

 だいぶ脱線しました。話を戻しましょう。今回の YAMAHA 「PAS City V」 のカスタム企画について、基本的にフレーム加工などの大掛かりなカスタムや、明らかにカスタマイズしましたと主張する部分は極力避けたいと考えています。YAMAHA 開発チームの方達が、僕の数万倍も数億倍も考えて考えて、イメージをカタチにしていって隙が全くない完成したモデルです。帰宅後、一人で考えたり自転車好きなご近所さん、同僚とガレージで沢山のパーツをあてがい「こうかな? いや違うな、ちょっとここもバラしてみよう」と夜な夜な繰り返していましたが、最終的に辿り着いたのが今回の冒頭の部分になります。そう「引き算」のカスタムです。今回の企画で1台の自転車として完成した時、”カスタム自転車”と主張満々の1台より、あたかもコンセプトモデルのような自然なバランスにしたいと考えています。

ばらしたYAMAHA 「PAS City V」に部品をあてがいイメージを膨らませます

ばらしたYAMAHA 「PAS City V」に部品をあてがいイメージを膨らませます

ばらしたYAMAHA 「PAS City V」に部品をあてがいイメージを膨らませます

 目の前の24インチの電動アシスト付自転車を、”シンプル”に。魅力的な部分をより強調していくように細かい部分を削ぎ落としていく。電動自転車のメカニカル的な部分は、純正だと安全性、耐久性の事を考えフルカバードされていますが、ここの部分も逆に削ぎ落とし、敢えて見せる。そして純正フレームの深いシルバーカラーの質感の良さを更に強調する為、他の各パーツの”色”を統一もしくは、廃していく事にします。

 そうなってくると、各パーツのセレクトの段階になっていきます。

横浜市平沼橋にある "045サイクル" の佐々木様と打ち合わせを行う筆者(MOONEYES広報 PANスミ)

 ここで、次に連絡を取り、ミーティングを行ったのが横浜市平沼橋にある “045サイクル” の佐々木様です。かれこれ10年以上のお付き合いですが、元々は僕ら広報スタッフがプレス業務として一番連絡を取り合うメディア業界の方で、二輪雑誌を制作されていました。今は、Web媒体の制作を行いつつ、ビーチクルーザーに特化した自転車店も経営されています。

コロナ禍でイベント会場でお会いする事もなく、久しぶりの再会になりましたが、早速ミーティングに入ります。

045サイクルオリジナルのステム

 まず、ポスト部分が長く高いからなのか、車体を小さく見せてしまっているように個人的に感じていたので、高さを極限まで低くする為の045サイクルオリジナルステムを使います。そうする事で、自転車として一番見慣れているポストとハンドルバーのバランスに変更。

045サイクルオリジナルのハンドルバー

 ポストが低くなった分、ハンドルバーは高さがあるものにして、セット後に純正時の高さと変わらないように、そしてビンテージやビーチクルーザーのような幅がある主張が強めなモノではなく、定番のスタイルに見えながら24インチの自転車として最適なバランスとなるよう、立ち上がりまでの部分とグリップ部分の張り出しが最小限に作られている045サイクルオリジナルハンドルバーに。実際に手にしてみるとこれがだいぶナローな印象ですが、今回、通常の26インチの自転車とくらべ一回り小さい24インチの自転車です。そう考えると組んだ時に違和感の無いバランスになると思います。

 フロント部分のシルエットがイメージ出来たところで、今度はシンプルに削ぎ落とせる部分を考えていきます。完成後は、公道で乗る予定は無く、自社主催のイベント会場などで使用する予定なので割り切って考えていきます。

 まず、荷物用のラック、ライト、フロント(リアも)のフェンダーも外します。電動アシストの液晶コントローラーはハンドルバーがナローになった分、配置位置が無くなるのでポストセンターに。メインフレームの下側を走る大量のワイヤー&配線は、チョッパーの様にインナーケーブルも考えましたが、大掛かりな加工が必要になるのと整備性が難しくなるので、純正のパーツを活用しながら、極力隠していきます。ペダルもゴムや反射版がついていないシンプルなモノに。フルカバードされていたクランクの部分は、メカニカルでカッコ良い部分なのでカバーを取り外します。逆サイドの配線部分のカバーと、バッテリー、キーの部分のプラスティック部分はシルバーに塗装して、フレームから自然な流れで一体化していくようにしましょう。

YAMAHA 「PAS City V」カスタムに使用するパーツ。極力シンプルな構成にしていきます

YAMAHA 「PAS City V」カスタムに使用するパーツ。極力シンプルな構成にしていきます

 シート、グリップに関しては、純正のブラウンのレザーの質感がとても良く気に入っているのですが、ここは色を廃しシャープな印象を残せるようブラックにします。

YAMAHA 「PAS City V」カスタムに使用するパーツ。極力シンプルな構成にしていきます

YAMAHA 「PAS City V」カスタムに使用するパーツ。極力シンプルな構成にしていきます

 やっぱりカスタムを生業にされている佐々木さんのプロの意見は、的確ですし、僕がイメージしているモノが次々と出ていきます。いやぁさすがです!  045サイクルの佐々木さんとミーティングでイメージ、パーツ選択をしていったところで、次の段階に入ります。

■楽しみにしていたレンダリングデザインが完成!

 これも楽しみだったんですよ!! 今回の企画で絶対やりたかった事なんです。

 それは……USA のRace Car や、Show Car でよく見る製作前のレンダリングデザイン(完成予想イラスト)です。

 なかなか日本では馴染みが無いモノかもしれませんが、USA ではこのレンダリングデザインをプロに起こして貰う事はステイタスになっている部分もあるぐらい価値のある事で、一つのカルチャーとして成立していると思います。

 でもここは日本。誰に頼むかと言ったら、そりゃぁ決まってます。常日頃レンダリングデザインを起こしている人が社内にいるんですよ。本当に恵まれた環境にいますね僕は。

 はい、誰かというと、大先輩のこの方、Hiro “Wildman” Ishii です。

 ご存知ない方の為に Wildman のご紹介を。

日本で最初の Pro Pinstriper であるiro "Wildman" Ishii

 まだ、日本に Pinstriping Art という言葉が根付いていない1989年、 MOONEYES Signs & Pinstriping Studio がスタートします。日本で最初の Pro Pinstriper が誕生した瞬間でもあります。彼の名は、 Hiro? “Wildman” Ishii。 Wildman という名前は、修行にいった巨匠である Ed “Big Daddy” Roth から授かりました。Wildman は、あらゆるジャンルのオーダーにも変幻自在に対応する事が出来、日本のみならず世界中のファンを魅了するパイオニアとして現在も第一線で活躍しています。

 そうなんです。MOONEYES Signs & Pinstriping Studio 創業から32年、様々なデザインを起こしてきている Wildman はレンダリングデザインも当然ながら何度となく描き起こしています。当然、僕の目の前で描き起こしているのも何度となくみています。ですので、今回のこの企画、是が非でもレンダリングデザインが欲しかったのです。

 もう、僕が出来るのは、ベラベラベラベラ頭の中のイメージを Wildman に伝える事のみです。「ここが、こうなって、あそこがあーなる予定なんですよ。そうなるとここがこういう風に見えるじゃないですか」名前は Wildman ですが、人柄は”超”がつくほどの温厚で優しい先輩です。ただひたすらに僕の話に頷き、後日完成してきたのが……

 ジャーン!! こちらになります。

Pro Pinstriper であるiro "Wildman" IshiiによるYAMAHA 「PAS City V」レンダリングデザイン

 ひゃ~カッコ良い……痺れますね。贅沢なかぎりです。ちょっと待ってください。しばし僕は、悦に入らせていただきます。

 USA からオーダーしていたタイヤも到着しました。さぁ、ここから一気に現実世界の中で、カタチにしていこうと思います。

 次回も宜しくお願い致します。

MOONEYES 広報 PAN スミ

〈次回予告〉1.75=1-3/4 は大間違い!  壁を乗り越えろ! そして遂に……

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