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バイクのタイヤの溝は何のため?タイヤにやさしいメンテナンスとは

バイクのニュース / 2021年8月9日 15時0分

タイヤの交換時期の目安とされるタイヤの溝は、いったい何のためにあるのでしょうか。

■タイヤの溝の役割と残り溝の意味

 タイヤ交換の目安のひとつが「タイヤの残り溝」です。タイヤの溝は、深さが0.8mm以上ないと車検にはとおりません。なぜなら、タイヤの溝は水を排水するための排水溝であり、タイヤのゴム残量を表しているわけではありません。タイヤの残り溝が少なくなると、排水できる水の量が減り、濡れた路面でスリップする危険性が高まってしまい、大きな事故を誘発しかねません。そのため、残り溝が少なくなるとタイヤを交換する必要があるのです。

 とはいえ、バイクのタイヤはもっとも路面に接地する中心部分が早く減るので、タイヤのふちはほとんど使っていない状態となることがほとんどです。しかし、溝が浅くなり1か所でもスリップサインが出ている場合は、タイヤを交換するようにしてください。

 これは自動車も同様で、4本のうち1本でもスリップサインが出ていると、タイヤ交換は必須です。なぜなら、溝が浅くなったタイヤでスリップをすると、ハンドルもブレーキも効かない状態になるからで、タイヤは溝が浅くなるにつれて排水効率が低下します。その状態でスピードを出すと、タイヤが雨水でできた水の膜の上に乗ってしまい、「ハイドロプレーニング現象」を起こしてしまうのです。

 一度ハイドロプレーニング現象が起きると、タイヤは地面に接地していないためコントロールを失い、タイヤのグリップが戻るまでは何もできません。

タイヤの溝が浅い場合は、ウエット路面で排水効率が低下し、ハイドロプレーニング現象を起こしてしまう可能性があります

 バイクの場合は、スリップを起こすとそのまま転倒し、バイクが壊れるだけでなく運転者も怪我をする可能性が高いため、自動車よりもタイヤ交換の重要度は高いといえるのではないでしょうか。また、晴れた日しか運転しないから残り溝が少ないタイヤでも問題がないのでは?と考える人もいるかもしれません。

 しかし、JAFがおこなった摩耗タイヤ検証「旋回ブレーキテスト(ドライ)」では、時速60kmの自動車でカーブに進入し、フルブレーキをした結果、夏用タイヤ(2分山)の制動距離が夏用タイヤ(5分山)より長いという結果が出ています。残念ながらJAFではバイクでの検証まではしていないようですが、この検証結果からも、タイヤの溝が少なくなっていると乾いた路面であっても運転操作に影響があることは明確です。

 ほかにも、溝が残っていてもタイヤにひび割れが起きていると、タイヤ交換は必須です。ゴム製品のひとつであるタイヤは3~4年で劣化し、5年ほど経つとタイヤ全体がひび割れだらけになることも珍しくはありません。

■実はやるとNGなタイヤのメンテナンス

 洗車中に、タイヤの汚れが気になり、強力な洗剤をつけてブラシでこすっている人はいませんか。それは、タイヤの劣化を加速させるため、要注意です。結論として、タイヤを洗うときはできるだけ洗剤を使わず、水洗いのみで汚れを落とすようにしましょう。そしてタイヤワックス等は使わず、紫外線や雨が当たらないところに保管するのが、好ましいメンテナンスといえるでしょう。

タイヤを洗うときは洗剤を使わず、水洗いのみで汚れを落としましょう

 では、なぜ洗剤をつけてタイヤを洗うべきではないのかというと、タイヤの表面に染みでている老化防止剤(劣化防止剤)も一緒に洗い流してしまうからです。その結果、タイヤの劣化やひび割れを早めてしまうのです。なお、タイヤに含まれる老化防止剤は、バイクに乗ることで効率的にタイヤの表面に浮き出てくる仕組みとなっています。

 また、バイクに限らず自動車でもタイヤのサイドウォールが茶色っぽくなっていることがありますが、サイドウォールの茶色っぽい色は、老化防止剤がタイヤ表面に染みでてきたことで起きる現象。この茶色っぽい色が気になって洗剤で洗いながしてしまうことは、タイヤのメンテナンスとして好ましくありません。入念に洗えば洗うほど、タイヤ表面に染みでてきた老化防止剤を取り除いていることになります。

 さらに、タイヤワックスを塗る人もいると思いますが、バイクでは避けたほうがよいでしょう。車のタイヤとは違い、バイクのタイヤはサイドウォールの面積が少なく、間違って地面と接地するトレッド面に付けてしまうと、スリップや転倒の原因となります。加えて使用しているタイヤワックスが油性であれば、タイヤのゴムと相性があまりよくないこともあるので要注意です。

 タイヤメーカーのダンロップはWebサイトで、「タイヤの手入れについて」、タイヤの艶出し剤や保護剤はゴムの劣化や変質の原因となるため、塗るのを控えるように説明。オイルやグリスなどがタイヤに付いたときも、拭き取るように指示しています。

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