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the「燃費」特別編 ヤマハ「SR400ファイナルエディション」を昔ながらの満タン法で実走計測!

バイクのニュース / 2021年8月14日 11時0分

2021年型で43年の長い歴史に幕を下ろしたヤマハ「SR400」は、排気量400ccの単気筒エンジンで燃費が良いとのウワサもあります。果たして本当なのか? 実走で測ってみました。

■「満タン法」は、あくまでも参考燃費

 一部に熱狂的なファンを持つというウワサ(?)のthe「燃費」企画。このコンテンツでは、市街地、高速道路、ツーリング(快走路)という3つのシーンに分け、毎回、同じルートで燃費を計測しています。また、取材時に記録する燃費は車載の平均燃費計を使うことにしています。

 これまで、一般的な燃費計測と言えば「満タン法」でした。ガソリンスタンドで満タンにしてスタートし、燃費計測をする距離を走行した後、再び満タンにして、走行した距離を給油量で割り算すると、1リッターあたりの走行距離が出る、というものです。

 しかしこの満タンが意外にクセ者です。バイクの取り扱い説明書を見ると「給油はここまで」と明確に書いてあるプレートがあり、その位置は給油口のかなり下であることが多く、さらに、給油ノズルが入る程度の丸い穴が開いているだけで、ガソリン面を目視して均質に満タンにすることが難しいのです。

 つまり「こんなもんかな?」で給油したのでは誤差が多いのも事実。それが車載の平均燃費計を活用する所以です。そのため、平均燃費計を搭載してないモデルはthe「燃費」企画でテストすることがありませんでした。

 しかし、ヤマハ「SR400」は是非とも計ってみたい、the「燃費」取材班からそんな熱い声が上がり、いつものルートではない特別編として燃費を計測することにしました。

スリムな形状の燃料タンクは容量12リットル

1. 市街地は都内を1時間以上走行し、燃費を計測する
2. 一般道は200km以上走行し、燃費を計測する
3. 一般道+高速道路のコンバインド燃費も計測する

 「満タン法」一発計測のため、ある日、あるライダーが、とあるルートで走った時の「SR400」の参考燃費、とお考え下さい。

 なお、カタログに記載された「SR400」の燃費性能は、60km/h定地燃費値が40.7km/l(2名乗車時)、WMTC値(クラス2、サブクラス2-2、1名乗車時)は29.7km/lとなっています。

■単気筒400ccの市街地燃費は良い?悪い?それとも普通?

 都内で行なった市街地走行では、環状5号線こと「明治通り」沿い、渋谷区内にあるセルフのガソリンスタンドから出発し、渋谷、新宿、池袋と進み、巣鴨から国道17号で都心方向に戻り、再びスタート地点のガソリンスタンドに戻る28.7kmを走行しました。

 信号や渋滞が多く、路線バスが走る区間なのでペースもゆったり目。アイドリング時間も長めでした。

「こんなもんかな?」とレギュラーガソリンを満タンにしてみると、給油機のカウンターは0.82リッターで燃費は35km/lでした。1リッター以上は入ると思ったのに、ちょっと驚きです。

■300kmを超えても点灯しない残量警告灯……

「一般道は200km以上走行」のルールに則り、ツーリングに出ました。都内から国道4号とそのバイパスを使い、イージーに距離を伸ばす作戦です。スタート地点は市街地計測と同じガソリンスタンドです。

オーソドックスな丸型2眼メーターはアナログ式。平均燃費計は搭載していない

 新宿から靖国通りで東へ。秋葉原周辺で国道4号との交差点を左折。上野を通過し、足立区内を走り、埼玉県へ。越谷市内までは信号が多く車の流れも滞りがち。距離も伸びません。

 しかしその先、春日部周辺から国道4号バイパスの威力を実感。「ここ、高速道路ですか?」という道幅で周囲のペースも自ずとアップ。流れに合わせるだけで何の苦労もなく1時間で50kmを移動しています。その流れのスムーズさは栃木県北部、矢板市周辺まで続き、その後、対向2車線の街道となります。那須塩原市周辺で渋滞を体験したものの「SR400」との一般道ツーリングは楽しいの一言です。

 結局、福島県に入り、東北自動車道「白河IC」周辺で、トリップメーターは194kmを超え「そろそろか?」と思いバイクを揺すっても、ガソリンはタンクの中にだいぶ残っている様子。市街地燃費35km/lから想定しても12リッター入りの燃料タンクには半分が残っている計算です。

トリップメーターが303kmを回っても警告灯は点灯せず

 さらに100km走ることに決め、白河市内から国道294号線で猪苗代湖へ。その後、再び白河市内の国道4号に戻り、303.1km地点で給油。それでも7.9リッターしか入らず、燃費は38.3km/lに。リザーブワーニングが点灯するのは残量2.2リットルなので、まだ80km近く走れた計算です。

■高速道路50kmと一般道58km移動、燃費は34.3km/l

 高速道路と一般道のハイブリッド燃費は「白河IC」から東北道で南下し「矢板IC」まで。インターを降りて再び国道4号を50km程度走行し、セルフのガソリンスタンドで給油することに。高速道路は「那須高原SA」まで上り区間、その後は下りが多くなる印象でした。

 80km/h走行が心地よい「SR400」ですが、じつは100km/hプラスアルファの方がライダーに伝わる振動が少ないことも体験済みなので、100km/h制限の箇所はペースを上げて走りました。

満タン法で「SR400」の燃費を計測。福島県猪苗代湖周辺にて

「矢板IC」で国道4号にアクセスしてからは、往路と同等のペースで走ります。合計108.8kmを走行した時点でガソリン3.17リットルを給油。燃費は34.3km/lでした。100km/hでの高速道路走行は「SR400」としては高回転多用ゾーンとなり、燃費的にはきびしそうな印象でした。

■ビックリするほどの好結果でもなかった、the「燃費」取材班の偽らざる結論

 単気筒、排気量400ccのエンジンは燃費が良いのは当たり前。そんな口調で語られてきた「SR400」です。1日でおよそ500km走行し、その多くを一般道で移動した今回、このバイクの良さは堪能出来しました。

 燃費の結果で見ると、一般道でも高速道路でも、排気量が大きく、気筒数も多いバイクが「SR400」に近い数値を出すことはあり、単気筒で低燃費説(SR400の場合)をそっくり当てはめるのは難しいとも感じました。

2021年で生産終了を告げたヤマハ「SR400 Final Edition」

 しかし、実感として「SR400」の魅力は永遠に不滅です、と遙か昔に現役を引退した長嶋茂雄さんの引退セレモニー時の言葉を借りてリポートを締めたいと思います。

■ヤマハ「SR400 Final Edition」(2021年型)特別ルールによる燃費結果
総合評価:☆☆☆☆★(ホシ4つ)
市街地:35km/l
高速道路+一般道:34.3km/l
快走路:38.3km/l

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