the「燃費」ヨンヒャクって頼もしい!! スズキ「バーグマン400」の燃費性能を実走計測
バイクのニュース / 2021年8月28日 11時0分
日本メーカー唯一の400スクーター、スズキ「バーグマン400」(2020年型)の燃費を測ってみました。250には無いゆとりの走りはどのような結果を出すのでしょうか。
■250クラスにはないゆとりの走り、国内メーカー唯一の存在
250ccクラスのスクーターと同等サイズの車体に400ccクラスのエンジンを搭載することで、250クラスにはない走りにゆとりを、さらにクラスを上げてヤマハ「TMAX」なら、ゆとりに加えスクーター離れしたスポーツバイク的な走りなど魅力はさらに増大するものの、お値段もマシマシに。その点で「BURGMAN 400 ABS」(以下、バーグマン400)という選択は希少では?
今回テストするのは、2021年型で国内排出ガス規制に対応し、快適性とパフォーマンスがアップデートされる前の従来モデル、2020年仕様です。
the「燃費」では、基本的に毎回同じルートを走行しています。市街地、高速道路、ツーリング路(快走路)など、通常のツーリングを模した実走テストで燃費記録を見ています。
記事中の距離、燃費の数値は、車載のトリップメーターと平均燃費計の数値です。交通の流れに合わせエコラン的走行はしていません。
「バーグマン400」の燃費性能は、60km/h定地燃費値(2名乗車時)が27.2km/lで、WMTCモード値(クラス3、サブクラス3-1)では25.2km/lとなっています。燃料タンク容量は13リットル、車重は218kgと大柄な“ヨンヒャク”スクーターはどのような結果を出すのでしょうか。
■初速の空振り感が、ややもったいないと感じる市街地走行
the「燃費」の市街地計測は、都内外苑周辺をスタートし、青山一丁目交差点で国道246号に出て赤坂を経て皇居に出たら、お堀を左手に見つつ桜田門前を直進。銀座方向へ向かう途中、丸の内の裏道を通り、晴海通りで銀座、築地、晴海を通過し、首都高速湾岸線と並行する国道357号沿いの東雲付近まで12.6kmを走行。外苑付近が「東京2020」開催に伴う通行止めがあり、迂回のためいつもより少しだけ距離が増えています。
いざ、ツーリング燃費の計測へ。都内にある石畳のブティック通りからスタート
午前8時台、交通量はやや多め。前半は信号停止が多く、丸の内付近を過ぎると逆に国道357号方向へは交通量が減り、スムーズな流れになりました。
市街地での走りは、さすがヨンヒャク、発進で218kgの車体に85kgのライダーが乗っても不満の無い加速です。ただ、発進の時アクセルを開け、車体が走り出すまで意外と高めの回転まで持っていくイメージがあります。
交差点で信号が変わり、前車について走る場合、アクセルをゆったり開けると車体はあまり進まず、ちょっとした空振り感があるのが勿体ないと思った市街地です。ヨンヒャクならもう少し低い回転からゆったり走り出してくれると、なお上質感が上がるのでは、と思うのです。乗り心地、加速、減速時と車体のバランス感などはさすが! という出来映えなので、なおさらです。
やや混雑した市街地での燃費記録は22.4km/lでした。
■高速巡航がとてもラク、どっしり安定感はさすが
the「燃費」の高速道路燃費は2区間で計測。往路はアクアライン連絡道の「袖ケ浦IC」から館山道「富浦IC」までの53.6km、復路は館山道「富津中央IC」からアクアライン連絡道「木更津金田IC」までの25.2kmを走行しています。
往復ともアクアライン連絡道は制限速度が80km/h、館山道は往路区間では100km/hから80km/h、70km/hへと次第に下がり、途中から片側一車線になります。復路区間は100km/hです。往復とも館山道はアップダウンが連続し、速度維持に気を遣います。
東京都内から千葉県木更津エリアへ移動し、高速道路燃費を計測
その点「バーグマン400」は速度維持がとてもラク! 大型車を追い越す、追い越される、というような空気の流れに変化があってもどっしり安定感はさすが。タンデムツーリングでもラクラクでしょう。
切り通しやトンネルが多い低山の中を縫うようにして走る高速道路は、時に向かい風も強く、250クラスのスクーターではパワー不足を感じる場面でもまず気になりません。
高速道路燃費は、往路が29.5km/l、復路が31.5km/l、平均30.5km/lを記録しました。
■里山ツーリングルート、状況次第で伸びしろアリかも?
the「燃費」の快走路燃費は、往路の高速道路燃費計測が終わった「富浦IC」直近のコンビニエンスストアからスタートします。「安房グリーンライン」等を経由して房総半島南端エリアまでの22kmが区間1、南端エリアから海岸線、国道410号線などを経由して鴨川市にある「大山千枚田」までの38.5kmを区間2、そこから県道182号「紅葉ロード」などを経由して館山道「富津中央IC」入り口までの25.9kmが最終第3区間となります。
実際の燃費はどうなのか? スズキ「バーグマン400」(2020年型)を走らせる筆者(松井勉)
平坦路とアップダウン区間が組み合わされたルートで、房総半島を巡るツーリングライダーにも定番的なルートとしてお馴染みです。
ここでも「バーグマン400」は排気量のゆとりを見せてくれます。ルートには追い越し禁止区間も多く、時に制限速度を下回るスピードで同一方向に走る車両をフォローする場面がありますが、いったん走り出せば2500から3000rpmあたりで生み出すトルクでゆったりと走れるため、ストレスが溜まりません。
また、アップダウンが連続する場所でも、上り坂をさほど意識せず走れるのも美点でしょう。ツーリングバイクとしてもしっかり機能してくれる、これは発見でした。
燃費は区間1が30.3km/l、区間2が31.1km/l、区間3が31.4km/lという結果で、快走路平均は30.9km/lとなりました。400cc単気筒エンジンであることや、この日のペースを考えるともう少し伸びてもいいのでは、と感じたのは正直なところ。駆動系がCVTであるというコトも一因なのかもしれません。
■ビグスク復権の日はまた来る、そんな予感が巡る走りだった……
400クラスのスクーターは、国産モデルとしては唯一の存在となった「バーグマン400」です。3つのセクションの総合平均燃費は29.3km/lでした。これは60km/h定地燃費値もWMTCの数値も超える、久々の星5つ獲得です! タンデム、高速道路を走る機会が多いという方なら400スクーターは試すべき存在、とお勧めしてリポートを締めたいと思います。
いつものツーリング想定の計測ルートを走り終え、ゴール地点の千葉県木更津エリアに到着
■スズキ「バーグマン400」(2020年型)燃費結果
総合評価:☆☆☆☆☆(ホシ5つ)
総走行距離:178.1km
市街地:22.4km/l
高速道路:30.5km/l
快走路:30.9km/l
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