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MotoEライダー 大久保 光のレースレポート「ワールドスーパーバイクに代役参戦」

バイクのニュース / 2021年8月31日 19時0分

日本人初のMotoE(FIM Enel MotoE World Cup)ライダーとして、2021年シーズンを戦うことになった大久保 光 選手のレースレポート第10弾! 今回は、スーパースポーツ世界選手権(WSS)第7戦に代役参戦をした様子をレポートしてくれました。

■久しぶりのWSS復帰に苦戦するも好感触

 こんにちは。レーシングライダーの大久保光です。私は今、スペイン バルセロナに滞在中です。バルセロナは、30度を超える暑い日が続いています。
 
 つい先日、同じくバルセロナに滞在中のロードレース世界選手権Moto3クラスの参戦中の鳥羽海渡選手と、バルセロナの中心部にある日本食屋さんで、お昼を食べました。
 
 基本的に、サーキットでしか会わない私達ですが、サーキットの外で会うと、いろいろと話が進み、たまにはプライベートな時間を共有することも大切だと感じることができました。
 
 私が参戦するMotoEは次戦が最終戦ですが、Moto3はまだまだレースが続くので、頑張ってほしいものです。
 
 ちなみに、彼は来年も引き続き、現在の所属チームであるCIPからMoto3を戦うことが発表されています。

 さて、私はまだ来年の契約等は決まっていませんが、交渉中ということで来年もMotoEで走ることを第一に活動を続けています。皆様に良い報告ができるよう、頑張っていきたいと思うので、楽しみにしていてください。
 
 そして急な話となりますが、先週おこなわれたスーパースポーツ世界選手権 ナバララウンドに、代役参戦をしてきました。
 
 チームはMotozoo Racing by Puccettiで、怪我で欠場中の川崎翔吾選手の代役。マシンはカワサキ「ZX-6R」でした。
 
 スペインにあるナバラサーキットは、初めて走るサーキットで、600ccのマシンも、ほぼ今年初乗り(5月のトレーニングで、ヤマハR6で走ったのみ)の状態だったので、正直不安はありました。

スーパースポーツ世界選手権(WSS)第7戦に代役参戦したMotoEライダーの大久保 光選手

 チームも、初めて加入したチームだったので、その辺りの様子を見ながら、セッションを進めていく予定でレースWEEKをスタートさせました。
 
 今回の代役参戦は、Pucceeti Racingの代表であるManuel Pucceeti氏が推薦してくれたことにより実現し、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
 
 推薦してくれたManuel Pucceeti氏への見返りとしては、日本から抹茶チョコレートを大量に送る約束となりました(笑)。
 
 ナバラサーキットの第一印象は、周りにビックリするほど何もない! そして朝と昼で温度差が、かなりあるというものでした。
 
 実際に走ってみると、コースの距離は3.9kmと短く、小さなコーナーが連続して続き、ストレートも長いものがひとつしかなく、非常にテクニカルなコースレイアウトでした。

スーパースポーツ世界選手権(WSS)第7戦に代役参戦したMotoEライダーの大久保 光選手。ナバラ・サーキットの荒れた路面への対策に苦労したようです

 そして何より路面がものすごく荒れていて、その対策にかなり苦労することになります。
 
 まず、初日は20番手で終了。WEEKのスケジュールは、土曜日には予選とレース1、そして日曜日にはレース2という流れでした。

 予選では開始早々に自己ベストタイムを更新しますが、2周目で転倒。20分しかない予選時間のなかでの転倒は致命的でしたが、幸い軽傷だったため残り5分で再度コースイン。
 
 なんとか1周、計測することができ、その間にさらに1秒タイムを縮めることができたので、15番手となりました。
 
 レース1では、様子を見ながらのスタートとなりましたが、やはり慣れないバイクとコースでは、序盤からペースを上げていくことが難しく、一時は17番手まで順位を下げてしまいます。
 
 しかし、そこから徐々にペースを上げていくことができ、最終的に12位でチェッカー。チームのベストリザルトを獲得することができました。

スーパースポーツ世界選手権(WSS)第7戦に代役参戦したMotoEライダーの大久保 光選手。チームのベストリザルトを獲得するとともに、ヨーロッパスーパースポーツのクラス優勝に貢献しました

 また、今回参戦したクラスはヨーロッパスーパースポーツというカテゴリに分類されるらしく、クラス優勝も果たしたみたいです。自分のことではありますが、正直、私もよくわかりませんでしたが……(笑)とにかくチームは大喜びで、代役参戦をしてよかったなと思いました。

 レース2ではフロントタイヤを、ワンランク柔らかい物を選択し、決勝に臨みました。
 
 フィーリングは良かったのですが、序盤からペースを上げようとした矢先に転倒し、リタイアとなりました。やはり、しっかりといろいろな部分が整っていない状態で、無理をすることは良くないなぁと、猛烈に反省しています。
 
 しかしMotozoo Racing by Puccettiは、今年からできた新チームだったのですが、体制自体は、それほど悪くありません。まだまだチーム自体、試行錯誤が必要な部分はありますが、一丸となって組み立てていきたいと思います。
 
 また、本来ならば今回のナバララウンドのみの参戦でしたが、レース後にチームから改めてオファーをいただき、引き続き次戦のフランス、マニクール ラウンドへ参戦することが決定しています。
 
 マニクールは、私が好きなサーキットのひとつでもあるので、シングルフィニッシュ、そして更に上位を狙っていけるよう、チームとしっかりコミュニケーションをとっていきたいと思います。引き続き応援宜しくお願いします。

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