『高梨はづきのきおくきろく。』 歴史あるバイクやクルマに触れる時代に生まれてよかった!
バイクのニュース / 2021年10月8日 11時0分
毎月8の付く日は『高梨はづきのきおくきろく。』の掲載日です。今回は、初めての外国車シボレーの「コルベット」に試乗します。
■初の外国生まれのスーパーカーに急接近したよ!
みなさん、こんにちは!高梨はづきです。今回も最新バイクの試乗レポート…と思いきやなんとクルマの試乗記! それも初めて外国産車に乗らせてもらったよ!
「コルベット乗っちゃいましょう!」
ニヤニヤした編集長から突然そう告げられた私。コルベットと聞いても何にもピンと来ず、悪戯な顔を察するになんだかすごい取材になりそうだ…!と不安な予感。多分これを読んでいる読者の方が「えっ」と驚いていることだろう。私はそれくらいクルマに疎いのだ。
コルベットとやらに対面する前に、編集長から小出しで入手できた事前情報がこちら。
「コルベットはいわゆるアメ車」
「価格はなんと1400万円する」
「エンジンが前から後ろに付いた」
「左ハンドルだったのが右ハンドルに仕様変更された」
私の頭の中で思い浮かべたコルベットはというと、アメリカ西海岸が似合いそうなオープンカーで…メッキ塗装がバンパーなんかに施されていて…全体的に角ばった外装で…フラットなシートで…ドリンクホルダーには瓶コーラが刺さっていたりして…相当華やかな外国高級車なんだろうか?と想像。
その後、コルベット車の詳細URLが送られてくると「え?これがコルベット…?」と唖然。私が想像を膨らましたクルマとは全く違うじゃないか!
車好きな方は車名を聞けば、どんな車かすぐに分かるのだろう。
“シボレー・コルベットとは、つまりスーパーカーだ”
シボレー「コルベット3LT」とドキドキの記念撮影
なんだか震えてきちゃったところで、ついにコルベットと初対面!
目の前にして、出てきた第一印象はというと
「紙ひこうきみたい(スカイキング折りの)!」
調べてみると、とっても歴史のある車だったの。2021年から遡ること110年前(!)の1911年にシボレーが設立されたんだって。コルベットが誕生したのは、それから43年後の1954年にオープンスポーツカーC1型が発売。現代からなんと67年も前のはなし。
1954年に誕生したシボレー「コルベットC1」
画像検索してみたら「昔のコルベットのフロント長っ!」と思わず声が。これまでの歴史あるコルベットにはテーマがあって、その中で印象に残ったのがサメやエイがテーマだった車体。新型のコルベットと比べると、どことなくサメやエイのような面影は残しつつも、更に鋭い走行が出来そうなデザインに切り替わってきているのがわかった。紙飛行機(スカイキング折りの)みたいと感じたのもあながち外していないのかも!と嬉しい気持ちになったミーハーな私であった///
外装をぐるりと見回していくと、風の抵抗を受け流すように低重心な作りになっていて、フロントからサイドにかけて風の流れを操るような流線型ボディが引き締まった印象を持たせる造りになっているよね。サイドのエアインテークはバイクでは見たことのない大きさで、走った時はどうなるのか期待がどんどん膨らんだよ。
スポーツカーらしい低く流線型のボディは、走り始めたら最高のパフォーマンスを発揮してくれそう
スポーツカーらしい低く流線型のボディは、走り始めたら最高のパフォーマンスを発揮してくれそう
新型コルベットはドアを開けるドアノブ自体が存在しない…ということに青天の霹靂だ。庶民の乗るような大衆車しか知らない私にはどう開ければいいのかわからず、アメリカ人が典型ポーズのように両手をあげておどけて見せるような、まさにお手上げ状態だったけど、まさかエアインテークの中にボタンがあって、それを押すと扉が開くようになっているとは…。
ボンネットを開けるとラゲッジスペースがあったり、私の知ってるクルマという概念がスマートに切り崩されていく。海外映画なんかで「あーん、エンジンかからなーい」ってボンネットを覗く女子を見るシーンが減っていくのかも…なんてよくわからない妄想をしちゃうくらい、私の脳みそは処理能力のレブリミットを迎えていた。
編集長からは「乗ってもいいよ」と言われたけど、未知の世界すぎて小心者モード発動。
だって1400万円もするって!!
一般庶民の私がどれだけ働いたらその金額が手に入るのか…考えただけで足がすくんでしまった。所有しているApple Watchでさえ、画面を割りそうなのが怖くて日常使い出来ていない始末なのに。
スーパーカー界隈では2000万3000万はザラにあるから1400万と言う数字は安い方とか言うけれど、高級車なのは変わりないもん。変なところ押して戻らなくなったり、小傷でもつけようものならどう償えばいいんですか編集長!?
たくさんのボタンに囲まれた運転席に座ると自然にクルマとの一体感が生まれます
ひとまず運転席にだけ座らせて貰うことに。いざ座ってみるとシートの密着感がすごいの。クルマに包みこんでもらっているみたいで少し緊張がほぐれた。
車内を見渡すととにかくボタンが多い。例えるならプロゲーマーのテーブルセットのような機能性。私には正直どれがどのボタンだかパッと見じゃわからないので、コクピットのようなイケてる雰囲気だけ味わった。使いこなすまでにはコルベットとの濃ゆい時間を重ねていかないと、一心同体になるまでに少し時間がかかりそうかも。
レーシンジドライバーの木下隆之さんとプチドライブしました
浮き足立っていた私を見兼ねて、ご一緒していたレーシングドライバーの木下隆之さんが運転してくださることに。私はサイドシートに乗っていればいいだけという紳士なエスコートに感動。
助手席でさえスーパーカーに乗るのなんて初めてだから、そりゃもうキャッキャウフフしていたんだけど、木下さんのジェントルで熟練された運転技術に見惚れてしまった。短い試乗距離の中でも緩急つけた走りをしてくださって、街中でもこんな走り方があるのかと驚いた。新型コルベットで木下さんとプチドライブしたこと思い出すだけで…ウフフ。とっても楽しかったなぁ。
スポーツカーからの車窓は、地面に近い分いつもと違った景色を見ることができます
助手席からの木下さんの横顔が忘れられないくらいカッコよくて、運転してる姿も佇まいも、さすがレーサーの方だなぁと惚れ惚れしちゃった。木下さん、本当に素敵な運転ありがとうございました!
助手席に乗っている感覚として、前方の眺めは、着座した状態で私の座高が低いせいなのか、やや真ん中下~上が見える感じ。スポーツカーはこれが普通なのかもしれないけれど、やはり地面に近い分いつもと違った光景で新鮮だし、しっかりホールドしてくれるシートを伝って身体に力強いエネルギーが伝わってきて、やっぱりコルベットの特別な息遣いが助手席からでもわかった。
排気量が大きいから、”マッスルカー”と呼ばれているというのも納得の走りと力強さで、助手席にいても私が運転している気分になれるのがスポーツカーもとい、このコルベットというクルマの魅力なんだな。コルベットはロングセラーだからこそ、洗練された仕上がりになってると感じたよ。
歴史ある2台の名車CBとコルベットに現在も乗ることができるのはとても幸せです
コラム第一弾で乗ったホンダCB400SFのことといい、長く作ってる車種だからこそ、バイクもクルマも歴史を紡いできたモデルに乗ることができる時代に生きることができて幸せだなぁ。次回、スーパーカーに触れる機会があったら、今度は心の準備を満タンにして運転させてもらおうと決意した。次は乗らせてもらうぞ!!
今回は、昔のコルベットの顔を継承しつつ、新しい魅力もあって、昔のコルベットファンの人も新型コルベットを楽しめる、そんな一台に触れることが出来たよ。
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