『高梨はづきのきおくきろく。』 みんなが口にする“セローはいいぞ”を実体験!
バイクのニュース / 2021年10月18日 11時0分
毎月8の付く日は『高梨はづきのきおくきろく。』の掲載日です。今回はヤマハのマウンテントレイル『セロー250ファイナルエディション』に試乗したよ。セローは、35年間の歴史に
終わりを告げて今では買えないモデルになったけど、セローを体感したかったワタシは、ついに試乗することになったよ!
■背の高いバイクに乗るのは初体験
皆さんこんにちは、高梨はづきです。今回はヤマハの『セロー250ファイナルエディション』に試乗したよ!
去年、バイク乗りにリターンしてから「やっぱりセローはいいバイクだ」という言葉をチラホラ聞くようになって、セローってどんなバイクだろう?と気になっていたワタシ。調べてみると、とても歴史のあるオフロードバイクだということを知った。
今回試乗させてもらったファイナルエディションを最後に、現行ではラインナップされなくなってしまったバイクだけど、みんなが口にする”セローはいいぞ”を体感したくて乗ってみたから、難しい言葉は使わずにビギナー目線で紹介していくね!
1985年に誕生した初代セロー225
セローの歴史をサクッと調べてみると、セローが生まれたのは1985年。山道を楽しむために生まれた新しいカテゴリーバイク。初代のセローはキックでエンジン始動するタイプだったみたい。
二代目からは誰もが簡単にエンジン始動出来るセルに変わって、それまでキックに懸念を抱いていた人からそれが拭い去られて人気が上がり、更に時代と共に何度も改良されて、2020年に35年という歴史に幕を閉じたんだって…なるほど。
実際にセローを目の前にして見てみると、フォルムは山道に対応している設計になっていることに気がついたよ。一番に目が行くのはフェンダーの作り。泥が跳ね返ったり、草木が挟まっても抜けきるようにタイヤとの隙間があるんだね。
自然を満喫できる装備を纏っているセローからは、乗る前からワクワク感を感じます
それから焼きたてバームクーヘンのようなフロントフォークブーツ(黒い波打ったカバー)もガッツリ装備されているし、他にもパーツのつなぎ目は泥水や土ぼこりが入らないようシールでカバーされていて、林道や泥道にも適した装備。ライトは電球で、明るさについては少し心細い感じはするけど、それはそれでなんだかいい味を出しているようで好印象だなぁ。
跨ってみるとシート幅は薄い作りになっていた。これはきっとオフロード車特有の、獣道でも足に力を入れて車体を左右に振ったり、安定させることが出来たり、腰を浮かせて乗っても扱えるような作りのデザインなのかもしれない。ギザギザになってるステップも立って走行しても足元が滑らないように工夫されてるってことだよね。
丸いライトは、明るさが少々不安だけどいい味を出しているようで好印象
カラーリングは初代のカラーリングのイメージを持ってきたのかな? 緑と黄色って最強の組み合わせ。私が小学生の時の自転車カラーが緑と黄色とオレンジのビタミンカラーだったことを思い出す。
ホイールのゴールドは高級感あってカッコいいよね。スポーク(線がいっぱいのホイール部分)タイプなのは、地面からの反動を逃すための物で、タイヤはブロックタイヤと凸凹道に適した仕様なんだけど、全て考えられて組み合わされてるのがわかったよ。
ちなみにセローのマークは”ヒマラヤカモシカ”という動物から考案されてるんだって。険しい山道でも颯爽と走る姿はセローにピッタリのロゴデザインだよね。ロゴについても面白い歴史があるから興味ある人は調べてみるといいかも。
車高は少し高いけどセローの車重は133キロで、シート幅も狭いから特に不安はなかったかな
セローの足付きは画像の通り。車高は少し高いけど、車重は133キロで、シート幅も狭いから特に不安はなかったかな。ブロックタイヤのバイクを乗る事自体初めてだから、走り出しは今まで乗ったことのないようなフワフワしたような不思議な感覚! 慣れないからちょっと不安。だけど、それも走ってしまえばすぐに仲良しになれた。
■セローの魅力は、走るほどに愛着が湧くところだね
林道に適したバイクと聞いていたけど、道路で走るとものすごく面白い! 何が面白いってしっかりハンドルを握って操作しないと暴れてしまいそうな不安定さというか…初めて補助輪なしの自転車に乗れたような感覚と言ったら伝わるかなぁ?とにかくワクワクするの! これまで乗ってきたバイクは発進してしまえばバイクが勝手に自立してくれるような高性能バイクばかりだったから、セローに乗って初めて”扱う”という言葉がぴったりなバイクに出会ったって感じ。
ブロックタイヤで高速を走ったのは初めてで怖かったけど、しっかりとニーグリップをして制限速度以内で走れば楽しくなってくるよ
高速道路も乗ってみたけど、100キロくらいから少しハンドルがブレたりする。最初はそのブレが、普段体験したことないからなんだか怖くて「フロントフォーク曲がってるのか!?故障か!?」って焦ったけど、ブロックタイヤかつ車重が軽いことから来る適正なもので、高速でハンドルがブレるのは仕方のないことみたい。高速道路でスピードを緩めるとサイドや前後を走る車もいて突っ込まれたり事故につながったり逆に危なかったりするんだけど、ブレ続けるのが怖いって人におすすめの操作方法を教えるね。
時速制限をなるべくキープしたままブレを抑えるためには、ブレたら無理せず少しアクセルを緩めて減速し、また開けてを繰り返すと速度は安定したままブレが続くことなく収めることが出来るよ。それでも完全にはブレは収まらないんだけどね。でももっと慣れてくると、そのブレさえも可愛く思えてきて「セローが生きてるー!」って楽しくなってきた。ニーグリップも勝手にギュッとしてしまうから、内ももを鍛えられていいんじゃないかな(思考ポジティブ)。
オフロードバイクならではの視界の良さは、馬に乗っている気分にさせてくれます
視界も良くて、いつも乗ってるバイクより視線が高めの位置にくるから、馬に乗っているような気分にもなったよ! 座る位置も好きな場所に座れて楽々だし、林道と公道のリーンの仕方も違ったりと、こりゃこのバイク一台でだいぶ運転技術が鍛えられるな、と思った。
それとブロックタイヤって、道路への設置面が普通のオンロードタイヤよりも少ないから、カーブなどで滑りやすいって聞いたことがある。雨に濡れた高速道路も走ってみたけど、高速で走るとハンドルのブレが出てくるから、それがより滑りそうという感覚と恐怖があるのかもしれない。
ワインディングで舗装路を走ってもずっと楽しいし、絶対飽きないと思う
雨の日は晴れてる日より危険度が増すのはどのバイクも一緒なんだけど、無理な走行さえしなければ大丈夫そう! 晴れてる日はきついカーブを攻めても難なくクリアするし、なんなら公道で走った方が楽しさは倍増する。もっというとただ走ってるだけでずっと楽しいの。ストレートの道から何でもないゆるいカーブ、辺鄙(へんぴ)な場所でもずっとアドベンチャーだから絶対飽きないと思う。「この一台で満足できる程!」そのくらい言っちゃう。
アドベンチャーバイクって面白いね。セローファンが多いのがすごくわかった。現行車が売られていないのが寂しくなるくらい素敵なバイク。
初めてダートも走ってみたよ!
オフロード車でもガッツリ林道を走って「よーし!汚しに行くぞ!」っていうのは中々一人じゃ心細いと思うけど、セローは泥で汚しても心配ないスペックだから、これならせっかくセロー乗ってるし、山で乗り回したい、バイクで暴れたい、泥被り体験したいって気になるよね。
あっ、こうしてみんな山道に誘われるのか。私もその一人になりたい。セローは個性的で魅力的なバイクだったなぁ。
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