400年の時を経て残る「穴太積み」 大分県「角牟礼城」を訪ねる バイクで往く城跡巡り
バイクのニュース / 2021年12月19日 13時0分
大分県玖珠(くす)町に残された「角牟礼(つのむれ)城」は、1280年に構築されたとされる山城です。戦国時代、より強固な城として確立し、難攻不落と称された名城の跡には、三の丸付近までバイクで行くことができます。
■強固な山城に「穴太積み」アリ!?
大分県の玖珠(くす)町に残された「角牟礼城(つのむれじょう)」は、1280年に構築されたとされる山城です。戦国時代、より強固な城として確立し、難攻不落と称された名城の跡には、三の丸付近までバイクで行くことができます。
「角埋山」を目指しバイクで駐車場へ。ここから三の丸へは歩いてすぐ。30分もあれば本丸から往復で歩いてこれる距離
標高576m、険しい崖に囲まれた山間部に「角牟礼城」はあります。大分県竹田市の「岡城」も断崖絶壁を利用した強固な城として名高く、猛将の島津義弘を撃退したことでも知られますが、ここ玖珠町の「角牟礼城」も1586年から1587年の戦いで落城しなかったことで知られます。
城主の大友氏は豊臣秀吉により失脚させられ、代わりに城を治めたのが毛利高政(もうりたかまさ)でした。1594年から1600年にかけて城を整備した際に構築されたのが「穴太(あのう)積み」の石垣です。これは野面積(のづらづみ)と言われる、ほとんど加工されていない自然石を積み上げる工法で、石同士の隙間には「間詰石」と呼ばれる小石を詰めています。
「穴太積み」は、一見乱雑な積み方に見えながら、緻密な計算がなされている職人技。強固な石垣は400年を超える年月にも耐えている
「穴太積み」は野面積みの一種ですが、積み石の表面から3分の1くらい奥のところへ重量がかかるように積まれており、一見雑多な積み方に見えて、じつは安定性が抜群とのこと。この工法は戦国時代に活躍した石積み職人集団「穴太衆」によるものだそうです。
本丸へ向かう道中に大手門跡や二の丸の曲輪などの遺構を見ることができる
バイクを駐車場に置き、本丸を目指して登ります。まず最初に到着する三の丸辺りから、穴太積みの石垣が見られます。三の丸は三方を石垣で囲まれた曲輪(くるわ・区画された空間)で、石垣の角に檜台の遺構も残っています。二の丸跡、二の丸西曲輪も残されており、石垣だけでなく土塁なども残されています。
本丸に近づくと「切岸(きりぎし)」と呼ばれる、人口の垂直の崖が見えてきました。容易に本丸へ登頂できないようにする防御施設です。
大分県玖珠町の文化財として保護されている「角牟礼城」。縄張図など解説も詳しく、要所にQRコード案内などもあり、スマホでも資料を調べることができる
本丸へは「虎口(こぐち)」という出入り口を登ります。階段状の遺構が残されていたようですが、現在は砂利が敷かれ、なだらかな坂になっています。本丸は標高576mの「角埋山(つのむれやま)」の山頂です。訪れたときは何やら工事中のようでしたが、完成が楽しみです。
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