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『鎌倉殿の13人』ゆかりの地 三浦一族の「怒田城」は縄文時代の貝塚だった!? バイクで往く城跡巡り

バイクのニュース / 2022年1月9日 11時0分

2022年1月からスタートするNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』は、平家を打倒し成立した鎌倉幕府の最高指導者「北条義時(ほうじょうよしとき)」を主人公とした作品です。鎌倉幕府を立ち上げるために奔走した、数々の武士にゆかりのある山城の多くが各地に残されています。滅亡の道を歩んだ三浦一族の「怒田城(ぬたじょう)」跡を訪れました。

■縄文時代から戦国時代まで、人々の生活があった興味深い小山

 2022年からスタートするNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』は、平家を打倒し成立した鎌倉幕府の最高指導者「北条義時(ほうじょうよしとき)」を主人公とした作品です。鎌倉幕府を立ち上げるために奔走した、数々の武士にゆかりのある山城の多くが各地に残されています。神奈川県横須賀市にある「怒田城(ぬたじょう)」跡をバイクで訪れました。

民家の外れに突如現れる小山が「吉井貝塚」=「怒田城」の跡。良好な保存状態だった貝塚からは数々の貴重な出土物があったと言われている。ここに目をつけた武士もまた興味深い民家の外れに突如現れる小山が「吉井貝塚」=「怒田城」の跡。良好な保存状態だった貝塚からは数々の貴重な出土物があったと言われている。ここに目をつけた武士もまた興味深い

 89歳という高齢になってもなお、一族を率いる名将として最後まで戦った三浦義明(みうらよしあき)ですが、その三浦一族を代表する城が「衣笠城(きぬがさじょう)」です。そしてその支城と言われている「怒田城」は、「衣笠城」からバイクで15分ほど走ったところにありました。

 この辺りは「舟倉(ふなぐら)」という地名があり、すぐ近くを「平作川(ひらさくがわ)」が流れています。かつては海に面していたとも言われ、船をつける場もあったのだと思われます。

現在、アクセスは至ってなだらかな舗装路で歩きやすい地形になっているが、城が存在していた当時は海や崖山に囲まれた急峻な要害だったのかもしれない現在、アクセスは至ってなだらかな舗装路で歩きやすい地形になっているが、城が存在していた当時は海や崖山に囲まれた急峻な要害だったのかもしれない

「怒田城跡」は民家の脇にある小山にあり、それは唐突に現れました。小高く急峻な崖を持つ山は、まさに山城に適していたのでしょう。ですが、この地の歴史はそれだけではありませんでした。入口近くの看板を読むと、ここは「吉井貝塚」として発掘調査が行われており、縄文時代早期(約8000年前)から古墳時代後期(約1400年前)までの石器、土器、住居跡などが出土したそうです。

 ここを「怒田城」として構築した正確な時代は明らかにされていないようですが、1992年の発掘調査で土橋が出現し、台地自体が城であったことが判明したようです。平安時代末期に「山城を作る絶好の地」として目をつけたのが三浦一族でした。

 早速歩いて山道を登りますが、全て舗装されている上に距離も短く、すぐに頂上にたどり着くことができました。山城としてはあっけなく感じますが、反対側は急峻な崖でフェンスが設置され、眼下には京急久里浜線が見えます。当時は海にも面していたとも言われ、やはり守りに適した山城だったようです。

頂上の平場からは久里浜の街並みが見下ろせた。すぐ近くを京急久里浜線が走る(久里浜駅から北久里浜駅間)。急な崖はまさに要害の証。当時は海に面していたとも言われる頂上の平場からは久里浜の街並みが見下ろせた。すぐ近くを京急久里浜線が走る(久里浜駅から北久里浜駅間)。急な崖はまさに要害の証。当時は海に面していたとも言われる

 貝塚自体は2つに分けられており、その間を1.7mから3mの高さになる「空堀」が備えられていました。貝塚を改良して作られたというこの山城は、古代人から武士に到るまで、その時代の知恵が巡らされているようで、なかなか興味深いものがありました。

 ちなみに三浦義明は自害して「衣笠城」は落城しました。和田義盛(わだよしもり)という人物がこの要害の地である「怒田城」での籠城戦を進言したものの、義明に受け入れられなかったようです。もしも三浦一族がここで籠城していたら、歴史はどうなっていたのでしょうか?

「衣笠城跡」の近くにある「腹切り松公園」は、三浦義明が切腹したとされる伝承の地。松の樹が1本立っていた「衣笠城跡」の近くにある「腹切り松公園」は、三浦義明が切腹したとされる伝承の地。松の樹が1本立っていた

 また、「衣笠城址」の近くには「三浦大介腹切の松(腹切り松公園)」もあります。ここは「衣笠城」を逃れた三浦義明(仮名:大介)が切腹した地として、児童公園になった今でも松の木が大切に保存されています。物騒な名前ではありますが、地元の人たちの敬愛も感じられる、そんな土地だと思える今回のバイク旅でした。

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