ホントに初心者でも参加可能!? カワサキ主催の「Ninja ZX-25R」ワンメイクレース参戦レポート! 番外編
バイクのニュース / 2022年1月15日 13時0分
レース初心者の女子ライダーが、カワサキが2021年にスタートさせた「Ninja ZX-25R」のワンメイクレース「Ninja Team Green Cup」の最終戦に参戦! そのレポート第5弾、番外編です。
■このレースに出るために二輪免許を取得
レース初心者の筆者(先川 知香)が、カワサキが今年スタートさせた「Ninja ZX-25R」のワンメイクレース「Ninja Team Green Cup」の最終戦に参加。レースデビューの初心者歓迎を謳う同レースは、本当に初心者が参加しても楽しめるのでしょうか。
今回の番外編では、ひとつの答えとなるエピソードを紹介したいと思います。
カワサキ「Ninja ZX-25R」のワンメイクレース「Ninja Team Green Cup」の最終戦に参戦したレース初心者の佐藤 祐太選手
Ninja Team Green Cupのピットは、2台から3台でのシェアピットとなっており、私のピットでも、初対面の男性がひとりで走行準備をしていました。
名前は佐藤 祐太選手。最初はただのお隣さんという感じで、特別気に留めてはいなかったのですが、時間が経つにつれて、私はだんだんひとつの違和感を感じ始めます。
その理由は、いつまで経ってもずっとひとりだったこと。もちろんプロのレースという訳ではないので、ひとりで参加するという人も居ないとはいい切れません。しかし、このレース専用のアンダーカウルを装着すれば、サイドスタンドが使えず、バイクを停車させるにはレーシングスタンドを使用するしかなく、不慣れな場合は人手が必要です。
また、転倒など何かあれば自走で帰ることも難しくなるなど、レースではすべてをひとりでやり切ることは難しい部分が多数存在します。
カワサキ「Ninja ZX-25R」のワンメイクレース「Ninja Team Green Cup」の最終戦に参戦したレース初心者の佐藤 祐太選手
そのため、多少レースを知っている人なら、ひとりで来ることはあり得ません。気になって佐藤選手に聞いてみたところ、「決勝の日は、手伝いの人が来てくれます」との回答。元々、バイクに興味があった訳ではなく、レースも見たことがなかった佐藤選手は、周りにいたバイク好きの友達に誘われたこともあり、ふらっと立ち寄ったカワサキプラザ東京等々力で、Ninja ZX-25Rに一目惚れ。さらに、このレースの存在を知り、すぐにバイクの免許を取得。4月にバイクを購入し、今回のレースに向けて練習をしてきたという、色んな意味でのレース初心者でした。
「だから、ひとりじゃ無理だって知らなかったんです。ショップの人が、同じ25R仲間を紹介してくれたのですが、その人はスケジュールの都合で今回は出れなくて……」。
■ひとりでレース参戦!? その信じられない結末とは
レースにひとりで参戦するのは難しいという現実すら知らない状態であるにもかかわらず、満を持してNinja Team Green Cupの最終戦に参戦した佐藤選手。その行動力にも、もちろん驚きでしたが、さらに驚いたのは、そんな佐藤選手への周りのサポートでした。
カワサキ「Ninja ZX-25R」のワンメイクレース「Ninja Team Green Cup」の最終戦に参戦したレース初心者の佐藤 祐太選手。ピットも和気あいあいとした空気が流れていました
ひとりで来ていたはずの佐藤選手のピットに、いつの間にか入れ替わり立ち替わりで人が来るようになり、様々な手伝いをしている姿が見られたのです。
「お手伝いの人、来てくれたんですね!」(先川)
「いえ、昨日参加したライディングスクールで一緒だった人です」(佐藤選手)
レース初参戦の佐藤選手がひとりで来ていることを知った他の参加者が、初対面であるにもかかわらず、できることを手伝ってくれていたのです。これからレースを戦う相手の手助けを、参加者同士で自然にできる空気感。Ninja Team Green Cupのピットは、そんな和気あいあいとみんなで楽しめる雰囲気で溢れていました。
佐藤選手は、今回初めてNinja Team Green Cupに参戦した感想を、次のように話してくれました。
「バイクに特別興味があった訳じゃないのですが、以前からカワサキのバイクがカッコいいとは思っていて、ふらっと立ち寄ったカワサキプラザ東京等々力店の店長さんに、ZX-25Rを勧められて、跨らせてもらったら、すごくシックリきたんです。それで、このバイクいいなと思っていたら、このレースのことを教えてもらって、初心者でも参加できると聞いたので、これは買うしかないと即決しました。
それが1月だったのですが、僕、まだその時点では免許も何も持っていなくて。4月に鈴鹿でサーキットトライアルがあるというので、それに間に合わせるために免許を取得しました。だから、バイクでの走り方も知らないのに、サーキットに行っちゃった感じです。
今回も決勝日はバイクを購入したショップの店長さんたちがふたりで手伝いに来てくれて、昨日までも、他の参加者の人たちがたくさん手伝ってくれたり、こういう助け合いの精神みたいなものが、バイクって本当にいいなって思わせてくれました。バイクに乗っているだけで、どんどん仲間が増えていく。これもバイクが好きな理由のひとつです。
カワサキ「Ninja ZX-25R」のワンメイクレース「Ninja Team Green Cup」。レース後には参戦したライダー全員での記念撮影も行われました
実際にレースに参戦した感想も、最高でした。やっぱり、ここを目標にしていたので、今までの人生でレースというものに出たことがなかったし、なので、色んなことが初めて尽くしで全部楽しかったです。
準備とかも、色々と考えないといけないことがあって、結構大変だったのですが、でもやっぱり最後にチェッカーを振られた時に、すごくこみ上げてくるものがありました。来年も、是非参戦したいと思っています」。
※ ※ ※
バイクを買ったショップのスタッフだけでなく、同じバイクに乗る仲間、同じレースに参加する仲間たちみんなで助け合うことで、全員でレースを楽しもうとする空気感。Ninja Team Green Cupには、そんな環境が作り上げられていて、正にレースデビューの初心者におススメできるレースであることを体感できる場所になっていました。
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