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今さら聞けない! バイクのABSシステムが役立つのはいつ

バイクのニュース / 2022年5月4日 9時0分

バイクのABSシステムは2018年10月から標準装備が義務化された、安全面で非常に重要なシステムです。一体、どんな状況で役立つ機能なのでしょうか。

■バイクのABSシステムが役立つのはいつ?

 2018年10月から標準装備が義務化されたバイクのABSシステムは、安全面において非常に重要なシステムです。では、どんな状況で役立つシステムなのでしょうか。

ABSが装着されたヤマハ「トリシティ125 ABS」ABSが装着されたヤマハ「トリシティ125 ABS」

 バイクは2輪で走行するため、クルマよりもバランスを取るのが難しく、転倒のリスクが付きまとう乗り物であることは否定できません。そんなバイクでの走行中に急ブレーキを掛けた際や、雨天時などの滑りやすい路面状況などで、スリップを回避して安全に走行するサポートをしてくれるのが、「ABSシステム」です。

 日本国内では、2018年10月1日から125cc以上の新型車には、ABSの搭載が義務化されました。また、排気量50ccから125ccクラスの原付二種カテゴリには、 ABSまたはCBS(コンバインドブレーキシステム)のどちらかを装備することが義務化されています。

 継続生産車については2021年10月1日から適用となっており、排気量50cc以下の原付一種のみ、これらの要件の適用から除外となっています。これは、国土交通省が推進する二輪車の安全向上のための施策の一環で、ABSおよびCBSを義務化することで、更なる交通事故の防止を目指すものです。

 一方、ヨーロッパでは日本よりもひと足早く、2016年1月1日から排気量125cc以上の二輪車に対してABSの装備が義務化されました。また、排気量50cc以上の小型バイクについては、ABSまたはCBSを搭載することが必須です。

ABSが搭載されたヤマハ「NMAX」ABSが搭載されたヤマハ「NMAX」

 ちなみに、ABSの正式名称は「アンチロックブレーキシステム」。急ブレーキをかけた際に、タイヤがロックするのを防止する電子制御システムの一種です。

 タイヤのロックとは、ブレーキに急に強い力が加わると、ブレーキの制動力がタイヤのグリップ力を超えてしまい、結果としてタイヤが固定されて滑ってしまう現象のこと。タイヤがロックされた状態になると、横方向の滑りに対するグリップ力がなくなるため、転倒しやすくなります。そのため、特にバイクでは前輪がロックしてしまうと、転倒のリスクが高まるため大変危険です。

■ABSが実際に役立つタイミングとは

 では、バイクに搭載されているABSは、どのような時に役立つ機能なのでしょうか。

 ABSが搭載されていないバイクの場合は、人の手によるブレーキ操作の強弱によって、最適な制動力を得る必要があったため、ライダーが危険を察知し、急ブレーキをかけたときにタイヤがロックして転倒をするリスクがありました。

ABSが搭載されたスズキ「GSX-S750 ABS」ABSが搭載されたスズキ「GSX-S750 ABS」

 しかし、ABSが搭載されたバイクであれば、コンピューターが前後のホイールの回転差を計測し、タイヤがロックする前に自動的に最適なブレーキ圧に調整してくれます。それによりタイヤのロックを防ぎ、転倒のリスクを軽減させたり、停車までの制動距離を短くすることが可能。

 つまり、今まで人の手でおこなっていた緊急時のブレーキ操作を、コンピューターが代わりにおこなってくれるシステムといえるのです。

 そのため、例えば運転操作が未熟な初心者であっても、タイヤをロックさせることなく安全に停止させることが可能。また、雨で濡れた路面や砂利道など、滑りやすく制動距離が伸びやすい状況でも、安定して止まることができ、タイヤのロックによる転倒を防止してくれます。

 このように、バイクの運転に安心感を与えてくれるABSですが、もちろんデメリットも存在します。

スポーツ走行ではABSの搭載がデメリットとなる可能性が高いスポーツ走行ではABSの搭載がデメリットとなる可能性が高い

 ABSに使われている部品には、センサーやコントロールユニットなど高価な部品が多いため、従来の非搭載モデルよりも5万円ほど車体価格が高くなってしまいます。

 この問題についてはABSの義務化により、部品が量産されることが考えられるので、今後は価格が安くなるかもしれませんが、現状はデメリットのひとつ。また、ABSを装着すると、単純にパーツが増えるため車重も重くなります。最近のABSは、技術の進歩により小型化傾向となっていますが、それでも従来モデルより3kgから5kgほどの重量増は避けられません。

 さらに、車種によってはハンドルの操作感に影響がでたり、加速が鈍くなったりするものも。加えて、使用目的によっては、ライディングの邪魔になる場合も考えられます。

 例えば、サーキットなどの高速走行中は、ABSが不必要に介入してしまい、ブレーキが思うように利かない可能性も。また、コーナーリング時に前後タイヤの回転差が発生することで、ロックと認識してABSが作動し、ブレーキが利かなくなることもあり危険です。

 このように一般道では便利なABSですが、サーキット走行などのスピードを伴う用途では必ずしも安全に止まれるわけではないことも覚えておいてください。

※ ※ ※

 ABSはバイクのブレーキを強くかけてしまった際に、センサーによってタイヤのロックを回避し、適正な制動距離を確保してくれるシステムです。しかし、ABSの機能にも限界があるため、100%安全とは言い切れません。システムを過信することなく、日頃からライダー自身が安全運転を心がける必要がありそうです。

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