パチンコ店の都心・郊外・ドヤ街でコロナ対策を取材。意外な工夫も…

bizSPA!フレッシュ / 2020年8月1日 8時47分

写真

「アベノマスク」をつけてパチンコを打つ人たち

 新型コロナウイルスが感染拡大して以降、やたらと世間から目の敵にされているパチンコ店。しかし、これだけ批判が叫ばれる状況でも、いまだクラスターとなった店が現れないのは各店の営業努力によるものだろう。

繁華街

※画像はイメージです

 そこで今回は、それぞれ異なる立地のパチンコ店に足を運び、実際に各店のコロナ対策を体験してみることにした。はたしてコロナに対する予防策にちがいはあるのだろうか。さっそく行ってみよう。

◆繁華街のパチンコ店はアプリで入場抽選

 7月中旬の週末、まずは東京有数の繁華街にある人気店「M」を訪れた。コロナ以前は店の前に入場の行列ができるほどの人気店だったが、現在では並ぶ客たちの密を避けるため、スマホアプリをつかって入場抽選を行っている。

 前日のうちにアプリで予約をして抽選し、その結果の番号を店員に見せて入場するというシステムだ。

パチンコ

入場抽選で当選した人たちだけが遊べる仕組み

 入り口には自動で来店客の体温を計測する検温器が設置されており、逐一客の体温が画面に表示されている。昼夜問わず人通りの多い、繁華街なので入念にコロナ対策が行われていた。アプリにしても検温器にしても、ハイテクな技術でコロナを乗り切ろうとしているようだ。

 さて、店内の様子はどうか。予想に反して特定の人気台(この日は「押忍!番長3」)に客が密集していただけで、そこ以外はガラガラだ。客が全くいない。

 コロナ対策としてスロット台の間には飛沫防止のビニール製のパーテーションがあったり、客が座っていない場所には「消毒済み」と書かれたプレートがおいてあったりするので、店員が清掃した台かどうかがひと目でわかるようになっている。ありがたいサービスだ。

◆常連客「感染は気にならない」

パチンコ

入店時に検温調査をする筆者

 コロナ以前と以後で目に見えない変化はあるのだろうか、喫煙所でタバコを吸っている常連客に話を聞いてみた。

「そうですねえ。小池都知事が夜の街を大々的に取り上げるようになってから、客が減ってるのでライバルが少ないです。機種によってはガッツリ勝てる台も多いので、僕的には助かってますよ」

 それでは感染するリスクは怖くないのだろうか。

全然、気にならないですよ。店員が台を何度もアルコール消毒してますしね。それにパチンコ屋って誰もしゃべらないから感染する心配がないんですよ」

 なるほど来客数が減ったことで、むしろ稼ぎ時になっているのか。

◆郊外の大型店は台数の多さを生かす

 続いて訪れたのは、パチンコ&パチスロの設置台数が日本で五指に入るロードサイドの超大型店「K」だ。こちらは店の大きさを生かしたコロナ対策を行っているとのこと。たしかに入り口には大型の業務用扇風機を複数台おいて常に換気を行っていた。これで満足できるわけではないが、狭い店に比べると客の安心も段違いだろう。

パチンコ

郊外のロードサイドにある人気店「K」

 驚いたのは人気の台に客が集中するのを避けるため、人気台と不人気台を交互に設置していたことだ。これによって客をひとつ飛ばしに座るように誘導しているのだ。

 実際に今春、設置されたばかりの「P戦姫絶唱シンフォギア2」に客が集まっていたが、交互に座っているので密集の心配はなさそうだ。なるほど、効果的な対策といえるだろう。

◆パチンカーへの風当たりは強い

パチンコ

大型扇風機で室内の換気に気を配っていた

 他にも対策を行っている。もともと休憩スペースがあった場所の椅子が撤去されていたのだ。そこに一人の中年男性がしゃがんで眺めていたので声をかけてみる。コロナ以前以後で変化はあっただろうか。

「休みの日はここにあったベンチでテレビを見てたからちょっとさみしいな。嫁からはパチ屋に行くって言うと、コロナにかかるって文句言われるしよ」

 なるほど、パチンカーへの風当たりは強いようだ。出玉の変化はあるだろうか。

「釘が渋くて最悪。客も減ってるし、回らないし、パチンコ業界にとっては大変な逆境だな。ま、俺は通うけどよ」

◆ドヤ街の店は消毒液を置いているが…

 最後に訪れたのは、関東某県にある「Y」だ。この周辺はドヤ街と呼ばれ、日雇い労働者が泊まる簡易宿泊所が多く集まっている。このような場所ではどんなコロナ対策が行われているのか。店内に足を運んだ。

 まず驚いたのは政府支給のマスク、通称アベノマスクを着用している人が多いこと。町中であまり見かけることは滅多にないあのガーゼマスクだ。洗って再利用ができるので、安上がりなのだろう。

パチンコ

入り口窓は常に開きっぱなしになっていた

 ただし、しっかりと口まで覆って着用している人は少ない。呼吸がしやすいように鼻を外に出している人がいるのはもちろん、中にはアゴの下までマスクを下げていて、つけている意味が全くない人まで散見された。高齢者の客が多いので、いささか心配である。

 もちろん店側としても配慮は行っている。店内放送でマスクの着用を促したり、店の入口には消毒液を置いたりしているが、使っている客はほとんどいないのだ。ドヤ街のパチンコ屋に訪れる客はあまりコロナを気にしてないのだろうか。店の外でタバコを吸う高齢男性に話を聞いた。

◆アベノマスク着用の男がワラワラと

パチンコ

「アベノマスク」をつけてパチンコを打つ人たち

「コロナ? まあ一応マスクはつけてるけど、あんまり気にならないな。そんなことより禁煙になったこと(筆者注・今年4月パチンコ店が全面禁煙化)のほうが問題だよ。外でタバコを吸わなきゃなんねえ」

 コロナに感染することは危惧していないようだ。では、出玉の具合はどうなのだろう。

「そうだなあ。コロナ前よりもパチンコは回ってるような気がするわ。なんだかんだプラスになってるし。たぶん店が客を離さないように、甘くしてるんじゃないか?」

 3つの異なる立地のパチンコ店を取材して、それぞれ違った対策をとっていることがわかった。これだけ人気の娯楽施設がクラスターにならないことを願おう。

<TEXT/野村竜二>

【野村竜二】

1994年生まれ。月刊誌「裏モノJAPAN」編集部。テレクラからハプバーまで、様々なアングラスポットに文字通り裸一貫で突撃するライター

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