松岡茉優主演『カネ恋』が描く“尊い人生”。新たな恋がはじまる予感

bizSPA!フレッシュ / 2020年10月6日 15時46分

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『おカネの切れ目が恋のはじまり』 (c)TBS

 このドラマに出てくる登場人物たちは、なぜこんなにもピュアで繊細で、愛おしいのか。『おカネの切れ目が恋のはじまり』(TBS系/火曜22時〜)第3話で描かれたのは、数多の“嘘”と、それを“言えない”人たちが織りなす恋の物語。玲子(松岡茉優)はまるで“次の運命”を迎え入れるかのように、15年片想いを続けてきた早乙女(三浦翔平)への恋に終止符を打つ

カネ恋

TBSテレビ「火曜ドラマ『おカネの切れ目が恋のはじまり』」 ※公式サイトより

◆嘘で始まり、真実で転換する

 婚約相手と別れたまりあ(星蘭ひとみ)が、そのことを友だちに打ち明けることができず、代わりに結婚相手として慶太(三浦春馬)を紹介する。そんな“嘘”から始まる『カネ恋』第3話は、その後もどんどんこの“嘘”が物語を展開させていく

 ストーリーの主軸となったのは、早乙女がついていた嘘。実は妻子持ちであったにも関わらず、メディアへの出演時は“独身のイケメン会計士”という触れ込みを使い、玲子にもこれまで真実を打ち明けることはなかった。第2話のラストではその事実を玲子の同僚である板垣(北村匠海)が掴むも、彼も、そしてその話を聞いた慶太も、玲子に伝えることができない。

 実は同じ“言えない”場面が第3話にはあり、それは、腹違いの妹であると信じていたひかり(八木優希)が実は慶太の勘違いであったと明らかになるシーン。ひかりから真実を伝えられた玲子は、幸せそうにそのことを信じている慶太に真実を伝えることはしない。

◆どこまでもピュアな玲子と慶太

おカネ

『おカネの切れ目が恋のはじまり』 (c)TBS

 玲子と慶太のお互いの“言えない”は、「これを言ってしまうと傷ついてしまうかもしれない」といった相手への思いやりによるものだ。

 玲子はいつだって他者と真摯に向き合い、なにか“ほころび”があれば絶対に逃さず、お金づかいと同じように一期一会の出会いを大切にする人。慶太は“親切心のかたまり”みたいな人で、少々強引な意見を述べるときもあるけれど価値観の違う相手とのコミュニケーションを諦めず、寂しさや傷を抱える人にはそっと寄り添う猫のような存在。

◆響く雷鳴、そして恋が始まる

 好きだったまりあに「結婚してくれ」と言われたのに、「利用されてるだけじゃん。そんなの愛じゃないでしょ」と落ち込む慶太。そのことに「意外と繊細なんですね」と突っ込む玲子だが、「そもそも恋愛と結婚って違うじゃん」と慶太は力説しはじめる。

「恋は毎日誰にだってできるけど、結婚って“生涯この人ひとりを大切にする”そういう運命に“ゴロゴロピッカーン!”って稲妻みたいに打たれてするもんでしょ」

 その「ゴロゴロピッカーン!」が鳴り響いてしまったのが、第3話の怒涛のラストだった。

 傷心の早乙女に意を決して想いを伝えるも、あえなくフラれてしまう玲子。失恋を忘れる方法を調べて自分で髪をバサバサ切っていく姿が愛らしくも切ないが、そこにそっと身を寄せるのが慶太だった

◆「きっと新しい良い出会いがあるよ」

おカネ

(c)TBS

 髪を切ってもぜんぜん想いが吹っ切れず、むしろ胸を痛めてしまう玲子。どうしたらいいか困惑する慶太は、「痛いの痛いの飛んでけ!」と熱心にぶつかっていく。

 早乙女のことは遠くで見ているだけで幸せだったけど、ついつい一緒にいる時間を想像してしまっていたこと。おじいちゃんとおばあちゃんになって公園でスキップすることを夢見ていたこと。そうした、今まで押し殺していた玲子の早乙女への想いがついに溢れ出すとき、一緒に笑い泣いてあげる慶太。

「きっと新しい良い出会いがあるよ。ほら、このあいだ新しいイヤリングお迎えしたみたいにさ」

 そこで雷の音が鳴り響き、反射的にぎゅっとハグするふたり。そして衝動的に…(?)玲子に口づけをした慶太……。“生涯この人を大切にする”、その運命の雷鳴が轟くときに玲子と慶太はキスをした

◆玲子は少し大胆に、慶太は少し慎重に

おカネ

(c)TBS

 衝撃のラストを迎えた『カネ恋』第3話。全4話構成の本作は、起承転結の“転”を経て、いよいよ終幕へ。できることならもっと長く見続けていたい……。そう思ってしまうのは、ひとえに魅力的な登場人物たちが躍動しているからだろう

 玲子と慶太という正反対のふたりは、お互いがお互いに影響を及ぼすことでこの少しの時間でも変化が垣間見えた。玲子は15年の片想いに決着をつけるために、早乙女に想いを告げる少し大胆な姿を見せる。そして慶太は、玲子と出会うことでお金づかいに気を使うようになり、玲子のように清く生きることの尊さを見つめるようになる。

 そんなふたりが、最終話にしてどういう方向に人生の舵を切っていくのか。慶太のポジティブさや、失恋後の新しい出会いに重きを置く本作では、どうしても“人生”のことを考えてしまう。これからもずっと続いていく、私たちの尊い人生のことを。最後のドラマ出演となった三浦春馬さんの演技を、ラストまでしかと見届けたいと思う。

<TEXT/原航平>

【原航平】

ライター/編集者。1995年生まれ。『リアルサウンド』『クイック・ジャパン』本誌などで、映画やドラマ、YouTubeの記事を執筆。カルチャー記録のブログ「縞馬は青い」を運営。Twitter:@shimauma_aoi

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