コロナ疑惑の記者がPCR検査を初受診「拷問を受けているよう」

bizSPA!フレッシュ / 2020年10月18日 8時46分

写真

コロナ疑惑の記者がPCR検査を初受診「拷問を受けているよう」

 夏場以降の第二波がようやく沈静化しつつある新型コロナ。とはいえ、東京では依然として連日多数の感染者を出しており、楽観視できる状況ではありません。そんな中、ライターである私、トシタカマサも「コロナ感染の疑いあり」と保健所の方に大きな病院に連れて来られ、PCR検査を受けることになってしまったんです。

コロナ

画像はイメージです(以下同じ)

◆突然襲った胸の痛みと息苦しさ

 私が体調不良を感じたのは8月下旬のこと。このとき取材で四国に滞在していたのですが、その日は午後3時過ぎといつもより早めにホテルへチェックイン。少し仮眠を取ろうとベッドに横になったのですが、夕方に目が覚めるとみぞおち付近を軽く押されるような痛みを感じたのです

 その影響なのか少し息苦しさを感じ、さらに首にも痛みが。ただし、うつ伏せの姿勢で寝てしまったこともあって、むち打ちのような痛みだと解釈し、一旦放置しました。

 しかし、翌日も体調不良は続きます。前日のようなみぞおちの痛みと息苦しさは続き、食欲もまったくなくホテルの朝食も残してしまいます。部屋に戻ると視界がグルグル回って貧血のような症状に。そこでホテルから徒歩数分の場所にあるドラッグストアに鉄分のサプリとゼリー飲料を買いに行きました。目と鼻の先にあるのにものすごく遠く感じました

◆身に覚えが全くないのに…

ホテル

 幸いホテルは連泊だったため、この日は予定をキャンセルしてホテルで休息。翌日には体調がある程度回復したため、取材を再開します。

 首の痛みは薄れても息苦しさは相変わらずで、以前のような早歩きはできません。四国へは旅関係や鉄道の取材で訪れていたのですが、このときはアポイントを取って誰かに会うような内容ではなく半分旅行のようなノリの取材です。

 とはいえ自粛ムードの強い時期だったため、飲食店への出入りは極力控え、夜はホテルの部屋で食べるようにしていました。

 しかも、四国取材に行く半月前からは友人や仕事関係の会食は一切なく、ライブハウスのような場所への出入りもなし。取材もこの時期は電話やオンラインでしていたこと、さらに独り暮らしだったので誰かと濃厚接触をした覚えもまったくありませんでした

◆コロナの症状にほとんど該当せず?

 それでも息苦しさはコロナの症状のひとつでもあったため、心配になって自治体の相談窓口に問い合わせます。症状やそれまでの行動について細かく質問されましたが、「あくまで今話を聞いた限りですが、コロナの可能性は低そうに思います」とのことでした。

 確かに、体温はずっと平熱で味覚や嗅覚の異常もなし。ネットでセルフチェックを行っても当てはまる項目がほとんどなかったため、違う原因かなと考えるようになっていました。

 結局、四国には当初の予定どおり1週間ほど滞在し、9月に入って帰京。四国では息苦しさを感じながらも毎日4~5キロメートル歩いていましたが、このころになると体調はさらに悪化。以前よりも息苦しさはひどくなっており、それだけではなくお腹のあたりもすごく張っていました

◆短い距離も歩けなくなってしまう

肥満

 もともと私は体重90キロ台半ばの肥満体型でしたが、いつもなら腹筋に力を入れればお腹を引っ込ませることができました。でも、このときはそれすらできなくなっていたのです。

 本当ならこの時点で病院に行くべきだったと反省していますが、私はもともと病院嫌い。この10数年で通ったのは皮膚科の1回だけです。

 しかも、このときは某地方都市での次の取材を控えており、東京には2日いただけで離れてしまいます。私は数年前からこの地方都市と東京の二拠点生活を送っていました。そのため、もうひとつの拠点に向かう、軽いつもり移動したのですが体調は日を追うごとに悪化
 ついには短い距離を歩くのでさえツラい状態に。飛行機到着後、機内から降りて空港ターミナルを歩く際も後から来たお年寄りの方にも抜かれている状態で、100~200メートル歩いては休むの繰り返しでした

◆街のクリニックでは検査だけ…

病院 医者

 なんとか取材をこなし、そのまま地方都市にある自宅で休んでいましたが一向に体調がよくなる気配は見られません。それでついに病院に行くことにしたのです。すでに最初に体調の異変を感じてから2週間が過ぎていました。

 幸いにも近所に循環器のクリニックがあったのですが、初診ということもあって待合室には入れてもらえず、入口に置かれたイスに座って待つことに。

 問診票に症状を書き、尿検査とレントゲン、血液検査を受けましたが、ずっと待たされるだけで医師からの説明は最後までなし。その対応を見て、やっぱり自分はコロナだったんだと思ってしまい、急に怖くなってしまいました。

 最後はクリニックの受付の女性に地元の総合病院への紹介状の入った封筒を渡され、「保健所の方から連絡が行くと思いますので、後はそちらの方と話してください」と言われて終わり。コロナの疑いがあることを最後まで告げられることはなく、PCR検査についての説明も一切ありませんでした

◆保健所の職員が全身防護服で迎えに

 地元のクリニックでは「保健所の方から連絡が行くだろう」とだけ言われ、コロナの疑いがあることを最後まで告げられることはありませんでした。PCR検査なども説明も一切ありません。ただ、もし自分がコロナなら院内感染の恐れもあるし、このような対応も仕方ないと納得。

 ……だったのですが、後で連絡をくださった保健所の方に伝えると、「こちらに丸投げですか……。それにしても何の説明もしないのはあまりに失礼すぎる」と激怒。クリニックに注意すると話していたので、保健所の方から見ればかなりおざなりな対応だったのかもしれません。

 けど、問題だったのはそのことではなく、PCR検査ができる医療機関は複数あってもその日のうちから入院できる病院はなかったことです。保健所の方に確認したところ、翌日であれば大丈夫とのことだったので、この日は自宅で過ごすことになり、翌朝自宅まで迎えに来た保健所の車で病院へ行くことに。

 でも、運転席と助手席に座る2人の職員は全身防護服。近所の目もあることから車内に待機してくれていましたが、護送も同然の扱いです。この時点では確定でなくても自分がコロナ患者だとすっかり思いこんでいましたし、かなりの重症であることも覚悟していました。

◆拷問を受けているような気分に

入院

肺にかなりの水が溜まっていたそうだ

 やがて到着したのはコロナ患者の受け入れを行っている地域の総合病院。救急車と同じ急患用の搬送口に案内され、入口近くの小さな診察室に隔離。

 そこで最初にPCRを検査を行い、箸ほどの長さの棒を鼻の奥までグリグリと突っ込まれます。噂には聞いていましたがキツかったです。ただし、それと比較にならないほどツラかったのが仰向けの状態で行った心電図検査やCTスキャン。普通の状態であれば問題なかったと思いますが、体調不良が続いているうちに仰向けで寝ると呼吸ができなくなっていたため、正直拷問を受けているような気分でした。

 ほかにも複数の検査などを行い、医師から伝えられたのは「うっ血性心不全」。コロナとまったく別の病名だったのです。そのまま即入院することになりましたが、この時点ではPCR検査の結果はまだ出ていません。先生は「可能性はたぶん低い」と言ってくれましたが、コロナにも感染している疑いがあったため、病棟の個室にそのまま隔離。

◆不安でなかなか寝付けなかった

 陰性が確定するまで病室から出ることは認められず、出入りする看護師さんもビニールの簡易防護服を看護服の上から着用しなければならず、かなり大変そうでした。

 私は右腕に点滴、左腕にも注射針が常に刺さったままでそこから1日2回の利尿剤を注入。肺にかなりの水が溜まっていたらしく、お腹が張っていたことや仰向けだと呼吸ができなかったのはそのせいでした。

 原因がわかって一安心ですが、心不全のうえにコロナ発覚なら正直命にかかわるレベルです。翌朝、看護師さんには「昨日はよく眠れました」と言いましたが、本当は不安でなかなか寝付くことができませんでした。

 朝食を終えてしばらく経つと、それまで固く閉ざされていた病室のドアが急に開けっ放しになり、看護師さんも簡易防護服なしで出入り。「よかったですね。陰性です」と言われ、ようやくホッとしたのを思い出します。

◆循環器系では隔離されることも

病室

陽性ではなかったが、結局13日間も入院することに

 私が入院したのは循環器患者専門の病棟で呼吸障害を訴える方も少なくないため、最初は私のように個室に隔離される方が多いとのこと。入院当初はコロナ患者のような扱いを受ける可能性がありますが、問題がなければ入院翌日には隔離が解除されるそうです。

 まあ、私の場合は心不全で結局13日間入院。10月にも心臓のカテーテル治療で2泊3日の再入院を控えており、コロナでなくても素直に喜べる状況ではないですが……。

 後で病院の方に聞きましたが、特に今はコロナの影響で体調が悪くても病院に行くのを控えている方が多いとか。そのせいで病状が悪化してしまう場合もあるそうです。

 そんなことになればまさに本末転倒。私のように心不全だったなんて笑えないケースもあるため、体調が悪ければ我慢せずに早めに医療機関で診てもらうようにしましょう

<TEXT/トシタカマサ>

【トシタカマサ】

ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング