コロナ感染率の低さNo.1の岩手県に、帰省して抱いた違和感

bizSPA!フレッシュ / 2020年10月22日 15時45分

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コロナ感染率の低さNo.1の岩手県に、帰省して抱いた違和感

 新型コロナウイルスの感染状況は、47都道府県で大きく異なります。感染拡大が心配されはじめていた3月下旬頃、SNSでは「最後まで感染者ゼロの県が最も田舎と言えるのでは?」ということで、「#田舎センバツ」などというハッシュタグも流行りました。

電車を待つ女性

※画像はイメージです(以下同じ)

 しかし、全国で唯一感染者が出ていなかった岩手県でも、7月末についに感染を確認。とはいえ、今でも岩手県内の感染者数は累計26人だけ、人口10万人当たりの感染者数も全国でダントツに少ないのです(10月21日、厚生労働省)。

 そんな岩手県に8月に帰省した田中よしえさん(仮名・30歳)は、思いもがけない目に遭ってしまったのだとか。

◆迷った末、帰省することに

 専業主婦のよしえさんは、夫と二人暮らし。新型コロナの心配はあったものの、例年通りお盆に岩手県内の実家に帰省しました。

「今年は帰省をやめるか迷いましたが、毎年、お盆とお正月には帰っていますし、実家には高齢の祖母がいるのでしっかりと対策したうえで顔を見せに行くことにしました。ただ、旦那は念のため東京に残って、私一人だけで帰りました」

 ガラガラの新幹線で帰省し、地元の駅に着いた時点ですでに違和感を覚えたと言います。

◆異常に警戒態勢な地元民

帰省

「地元は大変な田舎なので、お互いが顔見知りなんですね。だから、普段見かけない人はすぐにわかる。私が道を歩くと、あからさまに避けて通られました。ヨソから来た人はウイルスを持っていると思っているみたいで……。前から来る人が私に気付くと道の反対側に移動したり、極端な人は手前で曲がったりするんです」

 岩手県はこれまでコロナ感染者ゼロを継続していただけに、いっそう警戒感が高まっていたのでしょう。

「実は岩手は、厚生労働省の接触確認アプリCOCOAのインストール率も一番高いみたいで。東京よりもずっと感染対策の意識が高く感じられました」

 官公庁ではなく、あくまで民間の調査ですが、ユーザー参加型のランキングコミュニティ「みんなのランキング」運営する株式会社HANABISHIが6月に全国のCOCOAの普及率について行ったアンケートによると「COCOA」のインストール率は、岩手県が19.2%でもっとも多い結果に。ちなみに、2位は大阪府(18.0%)、3位は埼玉県(16.0%)でした。

◆まさか!?「東京に帰らないで」と迫る両親

 よしえさんは当初、お盆の数日間を実家で過ごし、東京に帰省する予定でした。

「でも実家に帰ってみると、家族に東京に戻ることを心配されて、『ここにいなさい!』と強く言われました。大げさな……と呆れつつも、あまりに強く言われるので、旦那に相談したところ、『俺は1人でも生活はできるから、そっちの家族を安心させてから帰って来なよ』との返事でした。もしうちに子供がいたら帰る判断をしたと思いますが、旦那が大丈夫と言うので残ることにしました」

 思いがけなく別居生活を送る羽目になってしまったよしえさんは。いま、どのように過ごしているのでしょう?

◆いつ、東京にもどるべきか?

スマホ 女性

「まず数日分の着替えしか持っていなかったので、実家に残っていた独身時代の服や母の服を着て、下着類は近所のスーパーで買い足しました。旦那とは毎日LINEと電話でやり取りをしています。

 そして、いま悩んでいるのは、東京に戻るタイミング。家族も大事ですが、やはり旦那がとっても大事ですから、早く元の生活に戻りたいです。新型コロナが収束するのは待っていられないので、家族が納得する理由を作って東京に戻ろうと思っています」

 いまだにコロナへの警戒心が強い近隣住民たちの目も気になるという、よしえさん。彼女が1日も早く元の生活に戻れることを祈るばかりです。

<取材・文/阿形美子 イラスト/田山佳澄>

【阿形美子】

1994年生。大学卒業後、フリーの編集・ライターとして活動中。底抜けの飲んべえゆえ酒ネタが多いが、インタビューやモノ記事、カルチャーネタなどもカバーする。Twitter:@agata_yoshiko

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