「つながりにくい」と噂の楽天モバイル。高層階や地下鉄で試してみた

bizSPA!フレッシュ / 2020年10月24日 8時46分

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新宿駅前で高速通信を確認

 国内4社目のキャリアとなった楽天モバイル。2020年9月末には5Gプランとその対応端末も発表されたが、現状では4G回線すら全国で使えるわけではないのが現状。月額2980円でデータ使い放題というプランは魅力的だが、本当にお得に使えるのか検証してみた。

楽天モバイル

画像は楽天モバイル公式サイトより

◆「データ無制限」はエリアの制限が

 楽天モバイルは、3月までは他社キャリアの回線を借りてサービスを提供するMVNO(いわゆる「格安SIM」)として事業を展開していた。2020年4月に自社回線でのサービスを正式スタートし、日本での「第4のキャリア」となった。とはいえ、既存のキャリアであるdocomoやau、SoftBankのように「全国どこでも大抵つながる」という状況ではない

 現在、楽天モバイルの回線が使えるエリアは、東京、大阪、名古屋などの都市圏やその周辺地域に限られ、それ以外の地域では自動で「パートナー回線」とよばれるau回線を使った通信に自動で切り替わる

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楽天モバイルの回線が使えるのは濃いピンクのエリアのみ。薄ピンクはau回線を使う「パートナー回線」エリアだ

◆楽天モバイルのオリジナル端末で挑戦

 先述の「データ使い放題」というのは楽天回線に限られ、au回線を使った場合は月5GBの上限があるため、楽天モバイルの電波が入るかどうかは非常に重要だ。

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端末代と事務手数料相当分のポイントは楽天ポイントで戻ってくる

 今回検証に使ったのは、楽天モバイルのオリジナル端末「楽天mini」。画面サイズわずか3.6インチと超小型の4Gスマホだ。本体購入費と事務手数料が全額ポイントで還元されるキャンペーンが行われているので、実質無料で入手できた。

◆建物地下やビルの間は大丈夫だが…

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新宿駅前で高速通信を確認

 公式マップ上で対応エリアとなっている都内およびその周辺で、実際の電波状況を検証してみた。まずは山手線沿線の上野、渋谷、新宿でチェック。駅構内や一般的な建物の中、屋外などでは、問題なく楽天回線に接続できた。通信速度は、新宿駅南口で下り78.3Mbps、上り52.8Mbpsを記録。かなり快適に使えるスピードだ。

 山手線沿線から離れると状況は変わるのだろうか? 中央線中野駅近くにある中野中央図書館の休憩コーナーで確認してみた。地下2階ということもあり、速度は下がるのではと予測していたのだが、なんと楽天回線で下り72.3Mbps、上り38.9Mbpsという新宿駅前とさほど変わらない結果に。

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地下2階でも通信速度が落ちることはなかった

 さらに、建物と建物に挟まれた路地でも確認。ひらけた場所よりやや速度は下がるものの、ストレスなく使える速度を維持していた。

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建物の間の狭い路地でも、まずまずの速度で楽天回線につながる

 移動中の利用は、地上を走る電車と地下鉄で事情が違ってきそうだ。山手線や中央線では走行中もずっと楽天回線に接続されていた一方で、地下鉄銀座線では、駅のホームでは楽天回線につながるものの、車内に入るとすぐau回線に切り替わり、走行中だけでなく駅に停車しているときもau回線のままだった

◆39階の高層ビルも窓際ならOK

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39階で楽天モバイルの電波をキャッチ

 では、高層ビルではどうだろう? 恵比寿ガーデンプレイスタワー最上階を訪れた。39階という高さからあまり期待していなかったのだが、窓際ではなんと「楽天回線エリア」の表示が。

 通信速度は下り20.3Mbps、上り54.9Mbpsと地上よりやや落ちるが、動画視聴やビデオ通話も問題なく使えるレベルのスピードだ

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通信速度もまずまずだ

 ただし高層階のどこでもつながるというわけではない。窓際から離れて同じ39階の建物中央付近まで移動するとau回線に切り替わった。

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窓際以外ではau回線に接続される

◆テザリングはスピードがかなり厳しい

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下りの通信速度がとくに厳しい結果に……

 楽天モバイルは、テザリングも無料で利用できる。PCやタブレットのネット接続に楽天回線を使えれば、使い放題のプランの恩恵を存分に享受できそうだ。そう考えてiPadとつないでみたが、通信速度は下り0.53Mbps、上り15.7Mbpsとかなり低速。これではビデオ通話などに使うのは厳しそうだ。

 ちなみに同じ場所でスマホ単体で測定した場合は、下り72.3Mbps、上り38.9Mbpsと高速を記録。テザリングで大幅に速度が低下しているようだ。念のため場所を変えて再度テストを実施したが、こちらも下り2.45Mbps、上り3.99Mbpsとあまりスピードは出なかった。

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テザリングで使い倒すのは難しそうだ

 環境によってはテザリングでも高速通信できるケースもあるのかもしれないが、「どこでもOK」というわけではなさそうだ。固定回線代りの利用はあまり期待しないほうが良いかもしれない

◆通話中に楽天エリアを外れても大丈夫

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ギリギリでエリア内となるはずの場所でauにつながることもあった

 先述のとおり、楽天モバイルの対応エリアはまだ限られている。対応エリアの境界となる埼玉県の上尾駅周辺でどちらにつながるかを確認したところ、公式マップ上で楽天エリア内の場所でau回線につながることとも、その逆もあった。

 エリア境界付近で使う場合は、「楽天回線につなげていたつもりがいつの間にかau回線になっていた」ということがないように、接続先を気にしながら使ったほうがよさそうだ

 では、通話しながら移動していて、途中で楽天エリアの外に出てしまうとどうなるのだろう。楽天回線に接続されている状態で時報サービス「117」に発信し、そのままエリア外へ移動してみた。

◆当面は「併用」が賢明か

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通話中の状態でエリア境界をまたいでみる

 時報サービスでは毎秒の「ピッピッピッ……」という音と10秒ごとの時刻案内が流れるが、楽天回線からau回線へ切り替わる瞬間も、音声の途切れや乱れはまったく起こらなかった。通話の場合はどちらの回線も料金は同じなので、通話中の「エリアまたぎ」は気にする必要はなさそうだ。

 ここまで見てきたとおり、楽天モバイルはまだまだ発展途上のキャリアだ。自宅が楽天エリア内ならデータ使い放題はかなり魅力だが、スマホを楽天モバイルだけにするのは時期尚早かもしれない。

 まずは現在使っている回線を維持したまま、サブ回線として楽天モバイルを追加して、「通話は従来の回線、データ通信は楽天」のように使い分けるのが妥当だろう。

◆対応していればデュアルSIMの選択も

 もし現在使っている端末が楽天回線対応で、1台で2種類のSIMを使える「デュアルSIM」にも対応していれば、新たに端末を購入することなく楽天回線を追加することも可能だ

 たとえば、SIMフリー端末の「AQUOS sense3 SH-M12」がこれに該当する。現在IIJmioなどのMVNOでこの端末を使っている場合、楽天モバイルのプランのみを新規で申し込み、送られてきたSIMカードを今使っているスマホに装着して設定を行えばよい。

 楽天回線対応端末は楽天モバイルの公式サイトで、今使っているスマホがデュアルSIMに対応しているかどうかは、メーカー公式サイトで確認できる。

 同社がサービス正式スタート時から展開している「先着300万人・1年無料」のキャンペーンはまだ実施されている。不十分な点も多いとはいえ、使い方によってはお得に活用できそうだ

<TEXT/酒井麻里子>

【酒井麻里子】

スマホやPC、ガジェットといったデジタルアイテムや、ビジネスに役立つアプリ、日用品などに関する記事を執筆。Twitterは@sakaicat

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