子育て中の20代主婦が、40万人に支持される「人気YouTuber」になれた理由

bizSPA!フレッシュ / 2020年11月17日 8時47分

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子育て中の20代主婦が、40万人に支持される「人気YouTuber」になれた理由

 SNSの発展に伴ってインフルエンサーが激増し、差別化するのが難しくなった。新規参入が相次ぐYouTuberも同様で、過激なネタだけでは一時的な再生数稼ぎにはなってもファンがついてこない。注目を集め、人を惹きつける独自性が必要だ。

ほしのこ

YouTuberのほしのこさん

 主婦YouTuberのパイオニア・ほしのこさんは、生後半年の子どもを育てながら25歳でYouTubeでの動画投稿を始めた。翌年にはYouTuberで最も多くの企業案件を獲得し、2020年10月末時点でのチャンネル登録者数は40万人超。もともと専業主婦で“特別な人”ではなかった彼女が「主婦YouTuberと言ったらほしのこ」と言われるまでになった過程を聞いた。

◆初期の認知度は?ファン作りのコツ

――YouTube動画の投稿を始めたばかりの頃、認知度を上げるために取り組んでいたことはありますか?

ほしのこ:知名度がないうちからYouTubeに動画投稿しても埋もれてしまって見てもらえないので、まずはInstagramでファンを増やしました。YouTubeよりInstagramのほうがファンを作りやすいからです。Instagramのフォロワーを1000人くらいに伸ばしてから、YouTubeに動画を投稿しました。

――どうやってフォロワーやファンを増やしていったのですか?

ほしのこ:当時は娘を出産したばかりだったので、ターゲットを子育て中の主婦に設定しました。既婚者で子どももいる私が独身女性のようなコンテンツを出すことはできないし、自分がこれからも無理なく出せるコンテンツに特化しようと思ったんです。

 まだ数が少なかった主婦YouTuberとして活動することで「主婦と言ったらほしのこ」と思ってもらえるように自分のポジションやキャラクターを固めていきました。

◆特に反響が良かったのは収納

ほしのこ

――主婦をターゲットにしたことが差別化につながったんですね。

ほしのこ:「どうやったら見てもらえるか」は常に意識してましたね。主婦YouTuberでライフスタイル全般を見せる人はまだ少なかったので、主婦YouTuberのなかでも目立てるようにあえて出しました。美容と収納を中心に発信したのですが、特に反響が良かったのは収納です。すでに美容動画は飽和状態だったのに対して、収納動画はそこまで多くなかったので需要があったんだと思います。

――「主婦×収納」という組み合わせにニーズと希少価値があったんですね。やはり視聴者は主婦の方が多いですか?

ほしのこ:はい。当初は私より年上の主婦の方が多かったんですけど、今は少しずつ独り暮らしの女性も増えてきました。やっぱり、家の収納の参考に見ていただくことが多いです。

◆コンテンツの質を決めるこだわり

ほしのこ

――ほしのこさんの動画はフォトジェニックでおしゃれですよね。一般的な人気YouTuberのキャッチーな編集とはまた違った雰囲気ですが、動画を作る際に意識していることはありますか?

ほしのこ:最初は人気の美容系YouTuberを参考にしつつ、海外YouTuberのセンスも取り入れていきました。アイキャッチとして表示されるサムネイル画像に入れる言葉は日本の美容YouTuberを、画像全体のテイストは海外YouTuberを参考にしたんです。英語は全然わからないんですけど、もともと海外YouTuberの動画もよく見ていたので、そこからエッセンスをもらって今に至っています。

――海外のエッセンスがほしのこさんらしさになっているんですね。動画編集のこだわりはありますか?

ほしのこ:まだまだ自分の編集には満足できていなくて、視聴者さんに飽きられないようにずっと進化させています。動画に合わせて編集のやり方を変えていて、特にこだわっているのはカット!

 日常生活を映すルーティーン動画なら、実際の空気感が伝わるようにゆったりした動画にしたいので、カットはあまり入れません。お役立ち情報を紹介する商品紹介動画は、忙しい主婦でも家事をしながらサクサク見れるように大胆にカットして、テンポ感を良くしています。商品紹介はどうしてもダラダラしゃべりがちなので、編集画面の音の波形を見ながら、とにかく無駄な間を入らないように細かくカットしていますね。

◆滑舌の悪さを自主トレで克服

ほしのこ

――視聴者は同じでも「ルーティーン動画ならゆっくり見たいし、商品紹介動画ならサクサク見たい」というニーズの違いを踏まえて編集のやり方を変えているんですね。

ほしのこ:どんな動画にせよ、聞きやすくするのが一番大事だと思っています。もともと滑舌が悪くて「さしすせそ」がうまく言えないのがコンプレックスで……自主トレで滑舌を良くして、視聴者さんが少しでも聞き取りやすくなるように努力しました。前よりはだいぶはっきり話せるようになったと思います(笑)。

――常に視聴者目線で動画を作っているんですね。主婦YouTuberだと育児に関する話題も出ますが、炎上リスクも高いと思います。こうしたデリケートな話題はどのように発信していますか?

ほしのこ:最初はよくわからないままに何でもかんでも発信していたのですが、育児に関しては「これはほしのこさんの意見ですよね」「こういうことは発信するべきじゃないと思います」などいろいろなコメントをいただいて、育児コンテンツを出すリスクを実感しました。だからと言って自分を出さなくなったり育児コンテンツを避けたりしたら、自分らしさがなくなっちゃうし、共感も得られないので、どうしようと悩んでいました。

◆「憧れの主婦」から「ありのままの自分」に

ほしのこ

――子育ての話を聞きたい人もたくさんいるでしょうし、ニーズがある育児コンテンツを出さないのはもったいないですよね。

ほしのこ:育児について悩んでいる人はとても多いので、育児系の動画を出すと反響は良いですし、うれしいコメントもたくさんいただきます。だから昔ほどオープンにはさらけ出さなくなりましたが、言葉に気を付けてフラットに発信するようにしました。育児の方針も家の事情も人それぞれなので、あくまで私の話として伝えています。コメントにも必ず目を通して、改善できるところは改善していますね。

――なるほど。ほしのこさんは美容、収納、育児と「完璧な主婦」だと思われやすいキャラクターですが、実際は大変なこともたくさんあると思います。自分のイメージ、ブランディングについてはどう思っていますか?

ほしのこ:最初はやっぱり「憧れの主婦」になりたかったので、撮影する前に部屋を整えたりしていたのですが、活動を続けるにつれて「ずっと完璧なほしのこでいるのはツラいな」と思うようになりました。ファンを作るには憧れられる要素も必要だと思うんですけど、同じくらい親近感を持ってもらうのも大事ですよね。だから今はなるべくありのままを出すようにして「憧れの主婦」から「ありのままの自分」にシフトしています。無理せず自分をさらけ出すことも、継続のコツですね。

<取材・文/秋カヲリ 撮影/スギゾー>

【ほしのこ】
YouTuber。千葉県出身。1児の母。25歳からYouTubeでの動画投稿を始めて、美容や収納、インテリア、料理などを中心に主婦YouTuberとして活動。2018年には年間で41社ものスポンサー企業がつき、YouTuber案件王になる。主婦YouTuberのパイオニアとして着実にファンを増やし、チャンネル登録者数は2020年10月末時点で40万人超。BitStar所属
■ YouTube「ほしのこCH
■ Twitter:@hoshinoko_728
■ Instagram:@hoshinoko728

【秋カヲリ】

元恋愛依存症の心理カウンセラー・文筆家。一児の母。YouTuberメディア「スター研究所」編集長。人間オタクで「なんでなんで」と質問責めして分析するのが趣味。性とジェンダーの話を好む

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