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格安PCR検査は信用できるのか。乱立する業者に医師が警鐘

bizSPA!フレッシュ / 2021年2月10日 8時45分

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株式会社MASAI Medicalの梅原氏

 新型コロナウイルス感染の再拡大で「PCR検査」への関心が高まっている。だが、受けようとしても、検査方法や機関が複雑で、かつ保健所によってはすぐに受診できないなど問題も多い。

会社のギモン

※イメージです

 そんななか昨今話題となっているのが数千円で受診できる「格安PCR検査」だ。都内では行列までできたそうだが、意外な落とし穴もある。今回は、自身も医師でオンラインPCR検査や医師オンライン健康相談サービスを手がける株式会社MASAI Medical(マサイメディカル)の梅原淳代表取締役社長に、PCR検査を利用する際の必須知識を聞いた。

◆PCR検査の不確実な情報が出回った

 そもそも梅原氏が代表を務める株式会社MASAI Medicalは、当初、医療従事者の負担軽減や医療サービスの効率化のためにオンライン診療のサービスを始める予定だった。

 それが新型コロナウイルス拡大によって、急遽、2020年5月には自宅でできるPCR検査サービス「MedLab(メドラボ)」をスタートさせた。しかし、梅原氏は「PCR検査は、インフルエンザの検査でも使われる手法で目新しさはありません」と語る。

「一般の方にとっては、今でも理解が難しいと思います。さらに不確実な情報がメディアやインターネットで錯綜したのも、状況を悪化させています。私たちもなるべく正しい知識を発信するように心がけていますが、PCR検査そのものの『信頼性』はまだ十分ではないと感じています」

◆格安PCR受診だけだと陰性でも無意味?

梅原

株式会社MASAI Medicalの梅原氏

 自治体によっては発熱の症状が出たり、濃厚接触者になっても、PCR検査を受けられないところもある。そんななかで話題になっているのが、1回20分、2000~3000円で受診できる格安PCR検査だ。

 しかし、安さゆえに注意が必要だという。梅原社長は「いわゆる格安PCR検査だけでは、コロナ陰性を証明する手立てはありません」と明かす。

「PCR検査の結果が陰性だと公的に示すには、証明書が必要となります。格安のPCR検査機関のなかには、そもそも証明書を発行できなかったり、数万円の手数料を請求したりするところもあります。私の知人にも、受診先が陰性証明書を発行しておらず、それをもらうために、別のサービスを受けなおしました」

◆72時間以内に診断結果が判明

 MedLabのPCR検査(+医師オンライン診察)は1回1万4,900円(税抜き)。「鼻」「のど」「唾液」の3種類ある検体の採取方法のうち、「唾液検査」を取り入れている。注文すると、自宅や会社に検査キットが届き、自身で採取・返送をする。

「検査ラボへ返送後、72時間以内にマイページにて検査結果を開示しますので、病院への通院は一切不要です。そこで、陰性証明書のダウンロードも可能です。希望者にはビデオチャットを用いた医師とのオンライン診察体制も整っていますし、もちろん陽性反応があった場合は保健所へ連絡し、そちらに案内するようにしています」

 実際に検査キットを取り寄せてみたところ、郵送物のなかには採取用機材や検体を返送するための包みなどが入っていた。

梅原

手順を示した説明書も。誰でも簡単に検査できそうだ

 MedLabに限らずオンライン検査では、検査キットを郵送でやりとりするところが多い。梅原社長曰く、良い業者と悪質な業者は、その取り扱い方法で見分けられるそうだ

「信頼性の高い審査結果を得たいのであれば、検体を『冷蔵保存』するなど管理を徹底している業者を選ぶといいと思います。なかには常温で検体を郵送している業者もあると聞きますが、それはアウト。唾液は有機物なので時間が経過すれば腐ってしまいます。管理できる梱包を用意するなど『ひと手間』加えている業者はより信頼性が高いといえます」

◆オンライン検査業者の良し悪し

「今年1月には、一部のPCR検査キットが返送時に、しっかりと梱包されていなかったとして、日本郵政が荷物の引き受け条件を示しました。検体の郵送には厳重な三重梱包が求められており、こうした条件を満たす業者を選ぶ必要があるでしょう

 MedLabでは梱包基準も満たし、検査キットも国立感染症研究所が出している精度評価一覧に載るものを使用しています」

 WHOの発表では、コロナは感染から発症するまで1~14日(平均は5~6日)の潜伏期間がある。検査時期が早いと、感染していても(偽)陰性となる恐れがある。

「無症状であれば、1~2週間、様子を見ることをおすすめします。それでも不安な人はPCR検査、あるいは、よりコストが低い『抗体検査』の活用も検討してほしいです」

◆「陽性判定を隠してしまう人」を減らす

梅原

梅原氏もオンライン診療を行う

 現在の状況を打破するため、梅原氏は「今までに誰も経験したことのない状況下で、少しでも不安や心配を解消し、より良い生活の一助となりたい」と語る。

「PCR検査を受けて『陽性』と判断されても、会社や周囲の目を気にするあまり、その事実を隠したがる人もいます。検査を受けた全ての方が無料かつオンランインで、医師に相談できる体制を構築することが、今、求められていると感じています」

 医師のリソースや地方のPCR検査実施場所の不足、また二次感染防止などの観点からオンライン診療がこれからの感染拡大防止に繋がるのかもしれない。

<取材・文/藤冨啓之>

【梅原 淳】
医師。金沢医科大学卒業後、兵庫医科大学病院放射線科、神戸大学大学院 第二内科などを経て、2013年うめはら内科クリニックを開院。2019年、株式会社MASAI Medicalを開業。新型コロナウイルス感染症に特化した、オンライン抗原検査サービスを提供

【藤冨啓之】

WEBコンテンツ制作会社「もっとグッド」代表取締役。ライター集団「ライティングパートナーズ」の主宰も務める。オウンドメディアのコンサルティングのほか、ビジネス・社会分野のライターとしても活動

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