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もう顔と名前を忘れない。記憶力を伸ばすコツを“記憶術の開発者”が伝授

bizSPA!フレッシュ / 2021年6月11日 8時45分

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もう顔と名前を忘れない。記憶力を伸ばすコツを“記憶術の開発者”が伝授

 こんにちは、記憶術講師の吉野邦昭です。デキるビジネスマンは、さまざまなことをしっかり記憶し、効果的に思い出すことができます。このような人とあなたは、脳の構造が違うのでしょうか?

考える

※イメージです(以下同じ)

 いえ、必ずしもそうではありません。あなたが脳の使い方を知らないだけなのです。記憶力が向上する脳の使い方を知り、その応用として「顔と名前の覚え方」をマスターして、デキるビジネスマンの仲間入りをしましょう!

◆脳が記憶しやすくなる3つの特徴

 記憶というものは、脳のいろいろな部位が役割分担し、その総合力で情報が記憶されます。ですから、各部位の強みや弱み、部位間の連携のメカニズムを把握し活用することで、記憶力を飛躍的に向上させることができます。その中でも、少し意識するだけで実践でき、かつ、効果が高い「分解」「集中」「反復」について解説しましょう。

【分解】
1)分解すると、脳は動き出す
「掃除をしなくちゃいけないけど、なんかやる気が出ない……」そんなときに、ほんの一部分だけ……例えば机の上だけ片づけようとスタートすると、なんだか調子が出てきて、結局、部屋全体を掃除できたというような経験はありませんか?

 脳は「なんとなく」「ぼや―っと」把握しているときは動きが悪いのです。記憶においても、「とにかく覚える」「とりあえず全部覚えたい」と思っているときは、脳は動き出しません。

2)本当に全部覚えなければならないか?
 資格試験対策の勉強で例を挙げてみましょう。建築基準法に関して、次のような問題があります。
<Q:建築基準法に関する次の記述は正しいか。○か×で答えよ。>

 高さ30メートルの建築物には、原則として非常用の昇降機(エレベーター)を設けなければならない。

 この問題に答えるには、次のような条文を知っている必要があります。「高さ31mをこえる建築物(政令で定めるものを除く)には、非常用の昇降機を設けなければならない」(建築基準法 第34条第二項)。

 しかし、この62文字の条文を“丸暗記“する必要はなく、理解してキーワードだけ覚えれば良いのです。この条文の場合は、「非常用昇降機 31m以上」という11文字だけ覚えれば良いのです。このように、“分解して覚えるべき部分だけを抽出”することで、脳の負荷を減らしてやるのです。

【集中】
 脳は、並行処理が苦手ですから、「1つのことに集中する」と意識することが大切です。物忘れをするときというのは、往々にして何かの“ながら”をしているときです。

・メールの返信をしながら、部下の報告を聞いている
・SNSでやり取りしながら、いつもと違う場所に鍵を置く

 一番簡単で確実な集中する方法は、“目を向けること”です。部下の報告を聞くときは、部下の目を見る。鍵を置くときに、スマホから目をはずして鍵を置く瞬間を見届ける。たったこれだけのことで、忘れる頻度が激減したという人が続出しています。

【反復】
 脳は、何度も反復された情報は重要なものだと判断し、長期に記憶しようとします。また、一度は記憶された情報でも次第に忘れていくため、定期的に反復して覚え直すことが必要なのです。記憶術を使うことで覚えやすくなり、また、忘れにくくなるので、反復回数を減らすことが可能です。しかし、“1回で一生覚えている”というわけにはいかず、ある程度の反復は必要となります。

◆脳の特性を押さえて、短時間で記憶力を高める

吉野邦昭

吉野邦昭氏

 頭の良いと言われる人たちは、実は、脳の特性を良く知っていて、効率的に使っているのです。もちろん、記憶についてもさまざまな“脳を使うコツ”があるのです。

【イメージする】
 脳は、イメージできると飛躍的に活性化すると聞いたことがあるでしょうか。この“イメージ”という言葉には、大きく分けて2つの意味があります。

<① 五感で感じるもの、五感を思い出すもの>
・心に思い浮かべる像や情景
・心像・形象
・心の中に思い描くこと

<② ニュアンス、雰囲気>
・ある物事についていだく全体的な感じ
・印象

 ここで、脳トレの分野でイメージという言葉を使うときは、①の五感……特に、視覚情報を言います。

 ですから、子供の頃の記憶……例えば「修学旅行はどこに行きましたか?」と聞かれると、「京都」という“言葉”ではなく、清水寺や東寺の五重塔といった“視覚情報”が思い出されるのです。すなわち、長期にしっかり記憶しようというときは、言葉ではなくイメージ(視覚情報)で覚えることがコツなのです。

【「思い出す」を繰り返す】
 中学1年生の頃、英単語を覚えようとして、「apple、リンゴ。apple、リンゴ……」と何度も覚えることを繰り返したことがありますか? 実はこれ、とても非効率なのです。記憶は、記銘→保持→想起→忘却というプロセスをたどっていきます。記銘は覚えること、保持は覚えている状態、想起は思い出すこと、そして忘却で忘れていくのです。

 ここで、実は記憶というものは「想起するときに深く記憶される」のです。

「apple、リンゴ。apple、リン……」と繰り返すのは、記銘を繰り返しているのです。そうではなく、記銘した後に適度な時間を空けて「appleって何だったっけ? あ、リンゴだ!」と想起=思い出すと、トータルで掛ける時間を少なく効率的に覚えることができるのです。

 この、想起のタイミングは、忘れ切る前、ちょっと忘れかけというところがベストです。

◆脳裏に焼き付ける「顔と名前の覚え方」

テクノロジー 脳 頭脳

 ビジネスマンにとって、お客様や取引先など、関係する人の顔と名前を覚えるというのは、信頼関係を構築する上での最強の武器となります。しかし、これがなかなか覚えられない。名前覚えのプロたちはどのようにしているのでしょうか? それをヒントに、「今日からできる、顔と名前の覚え方」をお教えしましょう。

【名前覚えのプロたち】
・ホテルのドアマン
 そのホテルに来たゲストが最初に顔を合わすのがドアマン。ここでホテルの印象が決まってしまいます。そんなドアマンは、お客様の顔や名前だけでなく、車のナンバーまでも覚えているのだとか。

 あるテレビ番組でドアマンが取材されていたのですが、彼の手帳にはお客様のリストがぎっしり書かれていました。名前だけでなく、お顔や背格好の特徴、「毎年○○の時に□□な方といらっしゃる」など。その手帳を、通勤時間や家でくつろいでいるときなど、とにかくちょっとの時間でも反復して見ているそうです。

・外国人
 ある研究では、会話において相手の名前を言う頻度は、英語は日本語の約6.4倍もあったとのこと。それだけ相手の名前を反復しているからこそ、とっさにすれ違った際にも“Hi, Tom.”などと名前が出てくるのですね。また、日本人はお辞儀をしたり、照れから目をそらしたりしますが、諸外国の方は往々にして相手の目をしっかり見て集中します。

◆今日からできる、顔と名前の覚え方

 記憶のプロたちの行動を見てみると、脳が記憶しやすくなる特徴や脳の特性を上手く利用していることがわかります。それらを、ビジネスのシーンで意識するポイントをお教えしましょう。

1)名刺交換やオンライン・ミーティング
① 分解する
・顔を漫然と覚えようとするのではなく、お顔や背格好の特徴をイメージ(視覚情報)で把握する
・名刺や顧客リストに、その特徴をメモしておく

② 集中する
・相手の目をしっかり見て話す、聞く

③ 反復する
・ミーティング中に、何度も相手の名前を反復する

④ 想起する
・ミーティング後、その日のうちと翌日に相手の名前と特徴を視覚情報として想起する

2)メンテナンスする
 空き時間だけでなく、定期的に名前リスト(名刺フォルダ)を見直す。その時のポイントは、覚えるのではなくお顔や背格好の特徴を想起する。

3)備える
 取引先へのアポや2回目以降の会議の予定が入ったときに、相手のお顔や背格好の特徴を想起する。訪問先の他の方々の名刺も一緒に見直すなど、関連する人もあわせて思い出す。

4)精度をアップする
 お会いした時に、相手の特徴が自分の記憶と合っているか集中することで、さらに精度良く記憶される。

 顔を見て名前がスッと出てくる人は、記憶を高めるコツを心得えた上に、努力であったり習慣であったり、“覚える行動”を継続的に行っているということなのです。

<TEXT/記憶術講師、脳力開発研究家 吉野邦昭>

【吉野邦昭】

記憶術講師、脳力開発研究家。京都市生まれ。大学院で船舶工学を修了し、松下電器産業(現在のパナソニック)に入社。独立後、40歳を越えてから脳トレ・記憶法と出会い、現場での豊富な指導経験から、記憶技法を学ばなくてもスグに暗記できる『絵コンテ記憶法』を開発。経営者や社員、お客様向け講演会まで、再開催や続編のリクエストが殺到している。現在、無料セミナーのLINE登録者数5万人 オフィシャルHP:https://yoshinokuniaki.com/

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