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日本と海外の美容院で働いた女性、働き方と“給料の安さ”に驚いた

bizSPA!フレッシュ / 2021年8月18日 15時45分

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日本と海外の美容院で働いた女性、働き方と“給料の安さ”に驚いた

 少子化も伴って、若者の海外離れが取り上げられてはいるものの、いつの時代も海外暮らしに憧れる若者は一定数います。今回は、日本とスペインの2か国で働いた2人の女性に話を聞いて、両国の価値観の違いに驚いたエピソードを語ってもらいました。

スペインの街並み

※イメージです(以下同じ)

「当たり前だと思っていたことが、海外では当たり前ではない」と、日本を出て初めて気付いたと語るのは、スペインの美容院で働いた経験のある沢木千紗さん(仮名・29歳)。

◆東京の美容院からスペインに

 沢木さんがスペインに移住したのは2018年。以前は、東京の美容院で6年間働いていました。過去の勤務先では、1分でも遅刻をすると罰金。時間にはかなり神経質になっていた沢木さんですが、スペインの美容院に就職して早々、遅刻をしてしまいます。

「その日は、バスが遅れていました。バス停から勤務先まで、大急ぎで走って汗だくで出勤したんです。時計を見ると5分過ぎている。『すいません』と謝ると、スペイン人のチーフから、『どうして謝るの? 時間通りに来てるじゃない』と言われ、驚きました。わたしの中では『5分“も”遅れてしまった』と思っていたので(笑)」

 スペインでは日本のような出勤時のタイムカードはありません。1分でも遅刻になる日本に比べ、5~10分の遅刻は「そういうときもあるよね」で、すまされるのだとか。その分、10分多めに働いて帰るなど、スタッフ全員が遅刻にもフレキシブルに対応しているそうです。

◆時間の流れがゆったりしている

美容師

「時間の価値観が全然ちがいますね」と沢木さんは言います。

日本では、10分お客様を待たせるとアウトでした。なので、常に『時間ピッタリに、遅れないこと』を意識していました。時間が押している日や予約が詰まっている日は、ご飯を食べないのも当たり前。

 ところがスペインでは、お客様から『ご飯食べてないの? わたし急いでないから、何か食べておいで』と言われます。30分遅れてくる方もいるので、予約の取り方も比較的ゆとりがある。美容院の中だけではなく、社会全体における時間の流れがゆったりしていると感じますね

 他にも、日本では先輩の目を気にして取れなかった有給も、しっかり年に4週間休むことができ、プライベートが充実したそうです。ただスペインで働くことは、「良いことばかりではない」と沢木さんは言います。

◆スペインで働いて困ったことは…

ローカル

「スペインにおける美容師の社会的地位は、日本に比べ低いと感じますね。日本だと美容師は国家試験に受からないとお客様をカットすることができませんが、スペインでは、免許がなくても誰でもカットができてしまう。そもそも美容師の国家試験がないですから

 その影響か、職人としての意識が低い美容師も多いのだとか。収入も日本で働いていたときの半分ほどだと言います。

給料の安さには驚きました。ただ、日本に比べて物価が安いし、出費が少ないですね。『ついついお金を使ってしまった』となる場所がない。コンビニとかないですし。日本円で15万円くらいの給料ですが、悠々自適な生活が送れています」

◆スペインの地方チェーン美容室で働く

 もう1人、文化の違いに驚いたエピソードを語ってくれたのが、スペイン人オーナーのもとで働く道井ゆきさん(仮名・30歳)。地方のチェーン店で7人のスペイン人美容師に囲まれ、パートタイムで働いています。道井さんは、同僚のスペイン人美容師の行動に、カルチャーショックを受けたそうです。

「日本では、シャンプーの時、お客様の耳に水が入らないように、細心の注意を払っていました。スペインで働きはじめたころ、スペイン人の同僚がとなりでお客様の髪を洗っていたんです。耳まわりを洗うときに、水が入ることなんてお構いなしで、お客様の耳に蛇口をあててジャバジャバっと洗いはじめました。お客様は何気ない様子で身を委ねていて。驚きましたね、ワイルドだなって(笑)」

 シャンプー後、スペイン人の同僚に「あれは、大丈夫なの?」と尋ねてみると、「耳の中まできれいに洗ってあげないと気持ち悪いでしょ?」との答え。正反対の発想に文化の違いを感じたそうです。

「実際わたしも、スペイン人のお客様から『もっと耳の中まできれいに洗って』と指摘を受けたことがあります。こちらではこういう感覚なんだと割り切り、合わせるようにしました。それからは、耳の中を洗ってもいいか承諾を得てから、遠慮なく洗わせてもらっています」

◆「ごめんね~」と何食わぬ顔で

シャンプー

 シャンプーにまつわるエピソードはまだ続きます。

「シャンプー台は通常、枕みたいなクッションがついているのですが、スペインの美容院ではそのクッションを使わない場所が多いのです。シンクにそのまま頭を乗せます。首も痛いし、冷たいし、良いとこなし。水も横から漏れてお客様の服がビチャビチャになる光景もたまに見かけます」

 それでもスペイン人の同僚は、「ごめんね~」と何食わぬ顔でお客様と話していると言います。

スペイン人と一緒に働いてみて、こり固まっていた頭が柔らかくなった気がします。お陰で色んなことをフレキシブルに考えられるようになりました」

 日本はこうだから、と日本のやり方を主張するのではなく、それぞれの国で色んな価値観や方法があるのだと受け入れ理解し、その中でも自分の良さを出していくことが海外で住むには大事なのかもしれません。

<取材・文/早川きえ イラスト/カツオ(@TAMATAMA_GOLDEN)>

特集[ローカルで驚いた出来事

【早川きえ】

北スペイン在住ライター兼美容師。語学力ゼロで海外へ。美容師として4カ国で働く。マルチ・ポテンシャライトな働き方を実践中。趣味はボクシングと美味しいキムチを漬けること。 Twitter:@carmeri2

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