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嘘みたいな「200円のウインナー弁当」が爆売れ。ローソンストア100の部長に聞く、10年間の苦労

bizSPA!フレッシュ / 2021年9月21日 8時47分

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株式会社ローソンストア100・運営本部統括部長の林弘昭氏(画像提供)

 コロナ禍で自分のためにお金を使う人が増え、高級食パンや高級布団など「高級」がついた商品が売れるようになった。そんななか、200円(税別)という低価格で買える「ウインナー弁当」が予想外に好評だ。ウインナー弁当はローソンストア100の関東エリアで2021年6月30日に発売された、ご飯とウインナー5本だけの商品

ローソンストア100

全国に出店する「ローソンストア100」。こちらは立石六丁目店

「え? おかずがウインナーだけ?」と思うかもしれないが、これが話題となり2021年8月25日から、近畿地方を中心に全国展開にまでなったのだ。しかし、発売までに10年の歳月がかかったという、なんともドラマ性がありそうなお弁当。

 このウインナー弁当の発案者でもある、株式会社ローソンストア100・運営本部統括部長の林弘昭氏に話を聞いてみた。

◆ウインナーはメインのおかずになる

 2011年、関東運営部にいた林氏は、ウインナー弁当を商品化するアイデアを思いついたそうだ。それは「ウインナーはお弁当のメインにならない」というこれまでの考えを覆すものだった。しかし、企画を商品部に出しては却下され続けていたという。10年経ってからようやく商品化されたが、一体どんな背景があったのか?

「2015年に近畿運営部に転勤になった際、協力してくれた商品開発者がいました。近畿限定商品として発売寸前までこぎつけたのですが、私が関東に戻る辞令がでたため、発売も立ち消えてしまったんです。その時の協力的な商品部の商品開発者が2020年、関東に異動になり、また一緒にウインナー弁当にチャレンジをして、発売になりました」

ローソンストア100

ローソンストア100のウインナー弁当(筆者撮影)

 ウインナー弁当をリリースするためにどんなことをしたのだろう。

「私は店舗の運営をする運営部の人間なので、商品を発売するためには商品部の開発者を巻き込んで、サンプルを作ってもらったり、新商品のプレゼン会議に通してもらったりということが必要です。今回、協力してくれる同志に会えたので実現しました」

◆10年間プレゼンの繰り返し

ローソンストア100

株式会社ローソンストア100・運営本部統括部長の林弘昭氏(画像提供)

 また、林氏から、ローソンストア100で新商品の発売を決定する流れを教えてもらった。

「商品部の開発担当者がサンプルを作って商品部内で提案、プレゼンします。部内からOKがでると、次に運営部(店舗運営)や社長など幹部のいる場でのプレゼンとなり、試食なども経て発売が決定します」

 え? これを10年も繰り返してきた? 普通の人ならモチベーションが下がって途中で諦めてしまいそうだ。

自分のなかでウインナー弁当は『絶対売れる』という確信がありました。『売れるはずがない』というのは内側・売る側の論理で、お客様にぶつけてみないとわからないと思っていました。『諦めたらそこで終わり』そう思っていたんです」

◆大ヒットに「私自身も驚いている」

ローソンストア100

午前中に行った時はまだたくさん店頭に並んでいた(筆者撮影)

 これまでのプレゼンでOKを出さなかった人たちは、この大ヒットに対してどう思っているのだろう。

「ウインナー弁当が却下された理由は『ウインナーだけでは顔にならない』『彩りが悪い』というものでしたが、今回発売したところ大ヒットとなり、これまで却下してきた社内の人はもちろん、私自身これほどまでに『おかず1種類の超シンプルな弁当』にニーズがあったのかと驚いています。200円という価格や、小さ目サイズで麺類や惣菜、サラダなどと買い合わせができる点も良かったと思っています」

 10年という長い時を経て企画を出してきたウインナー弁当は、もはや我が子のような存在だっただろうが、世に出した際、どんな心境だったのか聞いてみた。

「『絶対にウケるはず』と思っていましたが、期待と不安が入り混じるような気持ちでした。しかし、発売初日からすぐに売れ始め、私が担当する加盟店のオーナーからも『ウインナー弁当が売れている』という電話が入ったので手ごたえを感じました」

 林氏は予想を遥かに上回った売れ行きだったとしているが、現在ウインナー弁当は「当初目標の5倍以上売れています」とのこと。

◆ウインナー弁当は大きな利益を産むわけではない

ローソンストア100

ウインナーは既存のものから使用。何種類もあるなかから、商品開発担当者が試食して選んだそう(画像提供)

 ウインナー弁当はウインナー5本とパスタが少し、ご飯だけのお弁当だ。しかし、家で作ろうとしたら意外にコストがかかり、ローソンストア100で200円出して購入したほうが安いのではないかと思ってしまう。これで採算が取れるのか心配になってしまった。

「大変お得な価格設定にしていますので、ウインナー弁当はそこまで大きな利益を生む商品というわけではありません。一緒に麺類や惣菜、デザート、飲料などを買っていただければと思います。コストを抑えるために、弁当のフタはプラスチックではなくラップ、ごはんとウインナーの間にバラン(緑色のシート)を入れることも省いています

 また、ウインナーがメインになるので、テイストや食感などのこだわりがあるはずだが、何かあるのだろうか?

「ウインナーは『白いごはんに合う味』のものを探しました。パリッとした皮の歯ごたえや風味にもこだわりました。燻製の風味は林檎の木で燻しています。また、パスタはおかずというより、ウインナーが転がらないように入れています。シンプルに塩味です。ごはんは特に銘柄はうたっておりませんが、国産です」

◆ウインナー弁当に合うおすすめ商品

 SNSでウインナー弁当について調べると「意外に小さい」という声もあった。食べ盛りのビジネスマンだとこれだけではお腹が膨れない。最後に林氏にローソンストア100のなかで、ウインナー弁当と一緒に合わせると良いおすすめの商品を教えてもらった。

ローソンストア100

実際に食べてみたが、食べ盛りの筆者のお腹も膨れなかった。やはり何品か購入したほうがよさそうだ

「冷やし麺やパスタ、焼きそばなどの調理麺や、カップ麺は良く一緒に購入していただいています。また、お惣菜やお店で揚げたコロッケやチキンなどの揚げ物も人気です。デザートとして最近流行りのマリトッツォもおすすめですね。菓子パンや飲料も良く一緒に買われています。ウインナー弁当200円+カップ麺100円+お惣菜100円+飲料100円=500円ならワンコイン(税別)で収まります。ランチはワンコインで収めたいというサラリーマンの人も多いので、組み合わせも自由自在のこのウインナー弁当は重宝されるのではと思います」

 SNSでは林氏を題材とした「ウインナー物語」を企画して欲しいという声もあるが、もしそのような企画がきたら受けたいとのこと。そして2021年11月にはウインナー弁当第2弾ともいえる商品の発売を予定しているそうだ。またも「お弁当に入っているがメインになれない商材をスポットに当てたもの」を考えているとのこと。これからも「嘘のようなお弁当」で楽しませてくれることだろう。

<取材・文・画像/大川藍 画像提供/株式会社ローソンストア100>

【大川 藍】

ライター。スイスで滞在中にフリーランスとして目覚める。おつまみ系や占い、インテリア系も執筆中。興味のあるものならなんでも記事にしてしまう遅咲き主婦

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