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女装のオカルト研究家が分析する“陰謀論”「信じてしまう人は繋がっている」

bizSPA!フレッシュ / 2021年11月7日 8時45分

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女装のオカルト研究家が分析する“陰謀論”「信じてしまう人は繋がっている」

 家族が「デマ」にハマっておかしくなってしまったという悲痛な声が溢れている。新型コロナウイルスやワクチンについて、ネット上で根拠の無いような誤情報が拡散されたことで、分断が起きて社会問題化している。どのようにしてそんな扇動的な「デマ」を信じる人になってしまうのか、カルト宗教やスピリチュアル思想の研究などを軸に、その源流を探る書籍がこのほど出版された。

雨宮純

オカルト研究家、ネットウォッチャーの雨宮純さん

『あなたを陰謀論者にする言葉』(フォレスト2545新書)を10月に出版した雨宮純さん@caffelover)は、都内在住のエンジニアであり、オカルト研究家、ネットウォッチャーで、“週末女装男子”と様々な顔を持つ気鋭のライターだ。

 前後編にわたるインタビューで、今回の出版の経緯や“陰謀論”が蔓延する背景などを分析してもらった。

◆当初は“陰謀論”がテーマではなかった

――出版おめでとうございます。初めての書籍ということですが、情報量が凄まじく、現代の問題に向かっての繋がりを、順を追って解読していくようで読み易かったです。

雨宮純(以下、雨宮):ありがとうございます。当初は“陰謀論”がメインテーマではなくて、自分が好きだったオカルトから、スピリチュアル、自己啓発など研究してきたことをベースに“怪しいもの”を集約するように書きたかったんです。

 そこから今に至り、最新のトピックとして、ネットに蔓延しているいわゆる“陰謀論”を取り上げて、最終的にはそれをタイトルにつけるまでになりました。そのあたりはセールスのプロである編集さんの判断に任せたのですが、おかげさまで重版も決まって、ご好評をいただいているようです。

◆自腹で参考書を100冊程度は購入

陰謀論 スマホ

※画像はイメージ

――どのような経緯で出版することになったのでしょう。

雨宮:ことしの春ごろにツイッターで編集者の方に声をかけていただきました。ネット記事で、悪徳商法や洗脳をともなう“事業家集団”の潜入ルポを自分が書いたことから注目していただいたようです。

 もともとの趣味もあって、陰謀論に繋がるような考え方について興味はあったのですが、改めて参考書籍を合計100冊程度は自腹で購入し、夜な夜な読んで勉強し直して書いての繰り返しでした。

 カウンターカルチャー、ニューエイジや新宗教、精神世界など、目次になるトピックを編集さん側には事前に送って、zoomで打ち合わせをしながら書いて、8月には脱稿しました。それまではネットに何本か記事を書けたらいいなと思うことはあっても、出版をするようになるまで想像はしていませんでしたね。すごいことになったなと。

◆オカルト研究にハマったきっかけは…

あなたを陰謀論者にする言葉

雨宮純『あなたを陰謀論者にする言葉』 (フォレスト2545新書)

――雨宮さんはオカルト・スピリチュアル・サブカル研究家ということですが、そうなったきっかけは何だったのでしょう。

雨宮:小学生の頃に“学校の怪談”やコックリさんが流行っていて、UFOやUMA(未確認生命体)なども大好きでした。1999年に『ノストラダムスの大予言』が何も起こらなかったことで、大人は嘘つきだと絶望しまして(笑)。

 自分の中でオカルトブームは去って、もう科学しかないと理系の方面に進んだのですが、当時「ライフスペース」や「法の華三法行」といったカルトによる事件が多発して、本でも書いたように民俗学の先生と妙に仲良くなりまして。今思うと精神世界やニューアカが好きな先生だったんだろうなと思います。そこから精神世界や宗教に関する本も読むようになりました。

――今回もメイクをして(軽めの)女装でインタビューを受けてくださっていますね。そちらの趣味はいつ頃から?

雨宮:オカルト好きがサブカルチャー、アングラへの興味にも繋がっています。6~7年前にたまたま女装とコスプレのイベントに行き、目覚めましたね。300人ぐらいが集まるような会場で、見学するだけのつもりでいたら「お兄さんは絶対に女装が似合うよ」って声をかけてもらいまして。

 体験ブースでやってみたら「おお、なるほど!」と。今では週末の趣味として楽しんでいますし、アイデンティティーにまでなっています。ハロウィンイベントやニコニコ超会議、コミケ、クラブなどに出没します。

◆陰謀論に「パトレイバー」の世界が

――書籍の中にも、宗教史の解説の中にサブカルチャーが出てきたり、アニメ、映画の元になった思想などの説明が織り交ぜられていますね。

雨宮:やっぱりサブカルやエンタメを入れたいなと思って。オウム真理教がやっていた“空中浮揚”やヨガを見て、ダルシム(ストリートファイター)を連想した人はいますよね。陰謀論者が言う「東京を戦車が走る」ってパトレイバー(「機動警察パトレイバー」ゆうきまさみ作)の世界じゃんって。

“研究書”になってしまうと読みづらいので、これから陰謀論に染まるかもしれない人がたまたま手に取って、アニメのことが書いているなと、なんとなく入ってきてくれたら。

 そんな『研究書とサブカルの間』を突くのが大事かなと思いました。後で何か変なものに遭遇した時にも、「書いてあったな」って気付いてもらえるように。

◆陰謀論にハマる前に、立ち止まれるよう

雨宮純

――陰謀論を知らない人、これから足を踏み込んでしまいそうな人が読んで事前に学べるように、ということですね。

雨宮:あたかも新しい考えであるかのように盛り上がっているものを見た時に「あれ、これ言っている人はこの思想のルーツを実は知らないんだな」と気付けたら、そこでちょっと立ち止まれるんじゃないかと思うんです。霊的な階層がどうこう言っていたら「神智学からだな」みたいに。

 新しいことっていうのは相当な天才でないと生み出せないと思います。

 最近の陰謀論にしても、大体がこれまであった考え方の焼き直しだと感じます。そういう意味でも、新しくて面白い意義のあるエンタメやアニメを作れる人はすごいと思いますね。そっちを楽しめる人であれば、陰謀論だけに熱中しなくて済むのではないかな。

◆悪徳商法の勉強会に参加してみて…

――雨宮さんは陰謀論に対してもそうですが、ネット上の怪しい商法やスピリチュアル・ビジネスなどへの言及もされていますね。そうした啓蒙活動の動機は何だったのでしょうか?

雨宮:精神世界の勉強をしていた頃には、スピリチュアルなどへの悪いイメージはなかったんですよ。ただ、社会人になって、後に悪徳商法の中にいると発覚する人の勉強会に行った時にスピ系の人と遭遇して、「この人は何を言っているんだろう」と感じて。

 その人の勧めてくる考え方は自分が中学校の時に読んだような話ばかりだったんです。それなのに何を偉そうに言ってくるんだろうと。すごく嫌になりまして。

 意識高い系の人が、自分が知っている自己啓発を押し付けてくるように、ただそういう本を一冊読んだだけじゃないかと。偉そうにされてなんだか嫌だなと思ったのがきっかけで、色々と調べるモチベーションになりましたね。

◆「そういうこと言うから宇宙人が来ない!」

スピリチュアル 陰謀

――スピリチュアル系や陰謀論者の方々って、総じて何かを押し付けてきたり、選民意識があるのかなぜか偉そうにしてきますよね。

雨宮:使い古しの考え方なのにね。

 その悪徳商法をやっている人の集会の打ち上げにはスピ系の整体師のお姉さんがいて、「宇宙人が好きなんです」というから、ロズウェル事件の話などしていたら、なんだか話がかみ合わなくて、「そういうネタバラシみたいなことばかり言うから宇宙人が来てくれないんです!」とか言われまして(笑)。

 そういう違和感もあって、調べていったら、裏にはスピ系の思想があったり、そんな人たちが今はやっぱり陰謀論に傾倒していたりとか、いろいろ繋がっていくんですよね。

<取材・構成/黒猫ドラネコ>

【雨宮純】
オカルト・スピリチュアル・悪徳商法研究家。思春期にカルト宗教による事件が多発したことから、新宗教に関心を持つ。オカルト検証好きが高じて(ノストラダムスの大予言が外れたため懐疑派に転向)、理工系大学院を修了し現在に至る。週末はメイクをする女装男子。著書に『あなたを陰謀論者にする言葉』
Twitter:@caffelover
note:「大仏

【黒猫ドラネコ】

九州出身、都内在住の30代。スピリチュアルビジネスやネット発の胡散臭い案件を観察するライター。ラグビー、野球、大相撲などスポーツ観戦が趣味。超甘党。 Twitter:@kurodoraneko15

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