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参院選の争点は?安倍元首相「日銀は政府の子会社」発言を踏まえて

bizSPA!フレッシュ / 2022年7月3日 8時46分

写真

※首相官邸HPより

 東京大学中退の経歴で、マルチに活躍するラッパー・ダースレイダー(45歳・@DARTHREIDER)の連載「時事問題に吠える!」では現代に起きている政治や社会の問題に斬り込む。

darth

 2022年6月22日に公示され、7月10日に投開票が行われる第26回参議院選挙。投票に参加するにあたっての基本的な考え方を述べた前編に続いて、今回の参議院選挙の争点についてダースレイダーが見解を語る(以下、ダースレイダー氏の寄稿)。

◆国際情勢に対する不安

 今回の選挙では、まず国際情勢が気になりますね。ロシアがウクライナに侵攻してからもう4か月が経っています。

 その結果、国際情勢にさまざまな影響が起きていますし、日本はロシアの隣国ですから、隣国が戦争を仕掛けたときにどう対応すべきかという議論も起きています。そのため、いろんな候補や政党が防衛に関して言及していますね。

 自民党からは、防衛費をGDP比2%に引き上げようという案が出ています。これはNATOが加盟国に求めている水準なのですが、日本はそもそもNATOではありませんから、なぜそこと比較されるんだろうという疑問があります。

◆岸田文雄首相がした、防衛費の財源の話

岸田文雄首相

※首相官邸HPより

 それから、防衛費の財源の話になったときには岸田文雄首相は「(防衛力強化の)内容、予算、財源を三位一体で議論する」といった回答をして、数字ありきではないと言うのですが、ではなぜ最初に2%って数字が出るのか? とか、そういうツッコミは情報をつぶさに見ればもっと出てくると思います。

 それに対して「その2%で防衛費はいくら増えるのか?」「増えた金額でどんなことができるのか?」を1つの指標にすることはできますよね。

 確かに今、不安な人は多いと思います。直接的な武力の行使に対する不安もあるでしょうし、間接的には、ロシア・ウクライナ産の小麦の値段の高騰や、ロシア・ウクライナからの提供が止まったことによる木材の値段高騰も懸念すべき点です。

◆自分は何が心配なのかをまず考えてみる

 心配事は人によって異なると思いますから、選択肢を知る必要が最低限あると僕は思います。一口に安全保障と言っても、

「敵が攻撃するかもしれないから敵基地を先に攻撃するんだ」
「福祉・インフラが整備されていなければ最初に被害を被るのは一般人だ」
「現在の日本では難民を受け入れられないのでは?」
「少子化対策が国力にも繋がるはずだ」
「より外交努力を重ねて近隣諸国との関係を築くべきだ」

 など、いろんな意見があるでしょう。「防衛費を上げる」という案をきっかけに、そういったさまざまな意見・メニューを考えるきっかけになると思います。

◆経済への姿勢もひとつの指標に

日銀

 そしてもうひとつ、今回の選挙で指標となるのが経済への姿勢でしょう。

 現在は、円安が進んで、物価が非常に上がっています。ロシアのウクライナに対する侵略行為によって国際経済も不安定になっていますし、アメリカのインフレとか、いろいろなことが同時進行で起こっている状況です。

 ただ、経済は用語が難しかったり数字が飛び交ったりで、判断を難しくしてしまうところがあるのは確かです。ですが今回、日本銀行の黒田東彦総裁が非常に良いパスを出してくれたと僕は思っています。

 黒田総裁は2022年6月6日の都内の講演で「日本の家計の値上げ許容度も高まってきている」という発言をしました。大勢の人から「うちは値上げを受け入れてないぞ」って怒りの声が集まって、後に撤回されましたけど、発言の撤回ってそもそもどういう意味なんでしょうね。考えを改めた訳ではなさそうです。

◆安倍元首相の「日銀は政府の子会社」発言

安倍晋三

※首相官邸HPより

 5月9日、大分県大分市の会合で安倍晋三元首相は「日銀は政府の子会社」という発言をして、国民民主党の玉木雄一郎さんも同意しています。これを黒田さんの発言とつなげるなら「政府の子会社である日本銀行の黒田総裁が、家計が値上げを受け入れてると言った」というパス&ゴールになります。個人的には、ここを争点にしていくのがわかりやすいと思っています。

 自民党、公明党、国民民主党とかは“家計が値上げを受入れ派”です。政府の子会社がどんどんお札を刷ってどうにかしてくれるから円安カモン!というスタンスです。対して、野党の立憲民主党や日本共産党、れいわ新選組などは“値上げを受け入れない派”。

 今の状況に繋がる政治をしてきたのは自民党・公明党で、今の時点での責任は少なくとも彼らにあります。ただ、参議院選挙は政権交代選挙ではありません。今すぐに対策を打てるのは政権与党であることも事実です。では政権与党にこの争点について考えてもらうにはどうすれば良いか?

 6年間という任期で国政についてじっくり考える代理人を選ぶ選挙ですから、まずは、値上げを受け入れらないという声が一定数あることを、選挙結果で見せられればいいのではと思っています。まぁ、僕個人としては、賃金が増えないのにいろんなものが値上げして買えなくなっちゃうのは、“零細インディペンデントの砂場”で遊んでる人としては大変ですから、値上げは受け入れてません。でも、あくまでこれは僕の場合です。

◆著名人や元タレント候補をどう見るか?

ダースレイダー

自民党・生稲晃子氏の演説を最前列で見守るダースレイダー、プチ鹿嶋氏(ダースレイダーInstagram6月25日の投稿)

 そして、今回の立候補者の中で目立つのが、著名人や元タレントの多さ。これは2001年から参議院比例区で採用されている非拘束名簿式のシステムが関係しているはずです。投票用紙に候補者名・政党名のどちらを記入してもいいので、名前が立っている人を擁立する動きが盛んになっているようです。

 ただ昨今では、以前ほど著名人にポーンと票が集まることは少なくなっているようです。著名人を出したからといって「政治のことはわからないから知ってる人の名前書いちゃえ」というわけでは必ずしもないということですね。

 ですが、前回の記事でも言ったように、投票に参加することは、自分がその時点で何を考えているかを確認することだと思っています。だから、単純に知ってる顔・名前だから書いたとしても、自分がそのように決断したことをちゃんと分かっていればいい。そこが民主主義のポイントで、名前を知っているという理由で投票する人が一定数いるならば、その民意が反映された結果が出てくるんです。

 しかし逆に言うと、著名人だから何も考えていないとか、名前だけで擁立されているかどうかは、その人が議員になった後の活動を見て判断するしかない。今回、自民党の今井絵理子さんや朝日健太郎さんは再挑戦をしています。2期目をやるということは1期目の業績をチェックできます。

◆候補者チェックは祭りの屋台を見て回る気分で

 これまで政治活動をしている人の場合はなおさら、選挙期間に言っていることにプラスして過去の実績も見ていくべきです。政治家になる前からNPOやNGOの活動をしている人もいますから、そういったもので判断していくのも1つの手だと思います。

 僕にとっては、選挙とは自分の位置確認をするという意味で、自分事です。プチ鹿島さん一緒にYouTubeで配信している「ヒルカラナンデス」で常々言ってますけど、選挙とは“お祭り”で、投票券とは有権者がもらえる“プレミアムチケット”です。これでお祭りに参加できるんです。

 なので僕は、「どんな屋台が出てるのかな」って感じで楽しむようにしています。選挙の話になると、非常に真面目になって「遊びじゃないんだ」「真剣に考えろ」と言う人もいます。それもごもっともなんですけど、僕は人生を遊ぶかのように楽しく生きることを大切にしているので。あと、確認しておくべき点はこの祭りの主催者は誰なのか?です。

 この祭りの主催者は主権者である僕たちです。候補者はそれぞれ神輿みたいなものでもありますが、映画『仁義なき戦い』のセリフを思い出してみましょう。「神輿が勝手に歩ける言うんなら、歩いてみいや、のう」。代表制民主主義では代議員はあくまで神輿の担い手である主権者の代理人です。

◆“民が主”になればどんどん楽しくなっていく

 生きていくのはもちろん大変なことで、ツラいこともありますし、望まない仕事をしなければいけないときもある。人生にはいろいろな苦難が付き物ですが、僕は人生の目的ってきっと「楽しく行こうぜ」だと思ってます。僕の場合は、それが人生の目標でもあります。

 だから、自分が所属している社会の在り方にも楽しみながらアプローチしていく。これ、民主主義ではない政治体制になってしまった場合には、「楽しむ」とかまったくなくなりますから。民主主義の社会は本来、“民が主”になればどんどん楽しくなっていくんです。なぜなら、自分たちが楽しむための場所づくりをするという考え方だから。

◆自分と意見が100%一致する人はいない

選挙ポスター掲示板

選挙ポスター掲示板(撮影:bizSPA!編集部)

 ちなみにこの「楽しみ」という言葉には困難な課題に対して自分ごととして向き合うこと、異なる考え方の人と意見をすり合わせていくことも含まれるので“楽”ではないことも多いでしょう。その意味で本来は民主主義社会を前提として、どのようなスケールで社会を回すかと言う議論に早急に移行するべきだと僕は考えています

 ルソーが民主主義が成立する限界とした2万人規模の社会であれば回るのか? など民主主義社会が今、国際的に直面している議題のテーブルに日本社会はまだ着席すらできていません。選挙はそのテーブルに座るための道のりのボーナス期間だと思って、一人ひとりがどんどん乗っかっていくのがいいと思います。

 みなさん、それぞれの生活の中で気になることがあると思いますから、自分の争点で考えればいいと思います。候補者はあくまで代理人なので、自分と意見が100%一致する人はいません。だから、どちらかといえばこの人かなって決め方でいいと思います。

 自分のための参議院選挙です。7月10日が投開票日で、期日前投票もできますので、ぜひお祭りに参加して下さい。

<TEXT/ダースレイダー 構成/bizSPA!取材班>

【ダースレイダー】

1977年パリで⽣まれ、幼少期をロンドンで過ごす。東京⼤学に⼊学するも、ラップ活動に傾倒し中退。2010年6⽉に脳梗塞で倒れ合併症で左⽬を失明するも、現在は司会や執筆と様々な活動を続けている。

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