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UberEats配達員のツラい体験談。高校生から「うわ、かわいそ〜」と嘲笑

bizSPA!フレッシュ / 2022年7月7日 15時46分

写真

河野吉宗さん(仮名・29歳)

 6月2日、とあるTwitterユーザーがUberEatsを利用したときのエピソードを綴ったツイートが話題となった。UberEatsで「(注文した品を)玄関先に置く」を設定したところ、届いた品物の下にメッセージの書かれた紙が敷かれていたという。

ubereats

※イメージです

 そこには注文へのお礼とともに「地べたに食べ物を置くのに抵抗がありこのような紙を敷かせていただきました ※私個人で作成したものであり UberEATSとは関係ございません 商品をお取り頂いたら捨てて頂いて大丈夫です」といったメッセージが印刷されており、その配達員の思いやりに「嬉しくなった」という。

 このツイートは20万以上のいいねがつき、「資源(紙)の無駄」などの批判もありつつ、基本的には“ほっこりネタ”としてもてはやされた。

 しかしフードデリバリーの仕事は、ときに理不尽なことも多くあるようだ。今回は東京都内でUberEats配達員として働く筆者が、他の配達員のエピソードも取材した。

◆生活費を稼ぐために…44歳フード配達員

 前職はIT関連の仕事をしていたが、若い人材に押されて仕事を続けられなくなり、今はUberEatsをはじめとしたフードデリバリーの仕事で生活を維持しているという須藤伸也さん(仮名・44歳)は、「惨めな気持ちになるこも多い」と話す。

「以前のようなIT関連の仕事はもうできないと思います。喘息の持病もあり、年に数回は今も救急外来にいきます。納期を守らないといけない仕事は今はできません」

 そう話す伸也さんは薬の副作用で仕事に集中できないことも多く、体調がすぐれない日も多い。そのため、生活費を稼ぐためにやむなくフードデリバリーを始めたのだ

◆高校生から「うさ晴らし」の標的に

学校

 しかし、フードデリバリーを始めてから、今まで味わうこともなかった気持ちになる出来事に遭遇した。

「はじめは自転車で配達を始めました。回数をかさねて慣れてきましたが、雨の日にカッパを着てずぶ濡れで配達していたとき、通りすがりに傘をさした数人の高校生から『うわぁ可哀そ~。ああなったら死にてーよな』と馬鹿にするように言われたんです。何か言い返そうとも思いましたが、フードデリバリーサービスのクレーム窓口に通報されるのが嫌だったので我慢しました……」

 須藤さんは配達を始めて2か月ほどで、配達用の原付バイクを購入した。

「普通自動車免許のみで二輪免許は持っていないので、中古の原付をヤフオクで落札しました。いざ原付で走ってみるとキープレフト走行、二段階右折、制限速度30キロと原付特有のルールのせいで大変な思いをします……。特に制限速度に関しては、悪法と言っていいと僕は思います。30キロで走るなど現実的ではなく、警察の取り締まりを常に恐れながらの配達になりました

◆交通社会では“いじめられっ子”

原付

※イメージです

 しかし、伸也さんをもっとも苦しめた相手は警察ではなかった。

急に幅寄せされるなど車に殺されそうになる場面が今まで数回ありました。2車線の道路でも急ハンドルでいたぶるように目の前に割り込まれたり、速度が遅いバイクは交通社会では正にいじめられっ子なんです。配達用バッグを車体の後ろに積んでいるせいか、バッグにロゴが入っていなくても有名なUberEatsや出前館だと推察されるようで、運営に通報されたこともありました」

 幅寄せや急な割り込みで二輪車を転倒させることは、重大な事故にも直結する。伸也さんは運転する原付のナンバープレートをもとにUberEatsと出前館に「蛇行運転をしていた」などと身に覚えのないことで通報されたこともあったという。

 UberEatsを例にとると、「配達パートナーに関する相談フォーム」「事故やUberに関する相談フォーム」が設けられており、一般人が目撃した配達パートナーに対する苦情や報告を入れることができる。「自分の人生がつまらないから、僕らのような社会的に弱い立場の人をいたぶりたいのでしょう……」と、伸介さんはぼやく。

◆言い返せない配達員の苦労

ウーバー

河野吉宗さん(仮名・29歳)

 介護職の合間に、副業的にフードデリバリーもやっているという河野吉宗さん(仮名・29歳)は、月に10日間ほど自転車でフードデリバリーをしているが、「大人になったのになぜか怒られる機会が増えた」とぼやく。

「自転車でちょっと高級そうに見えるマンションへ配達へ行ったときでした。お客さんへお届けしてからマンションを出る際に『お前そこにチャリとめるな! クズ』と、怒鳴られました。声のほうを見ると中年男性が鬼のような顔で自分をにらんでいました。

 マンション入口付近の壁に邪魔にならないように自転車を立て掛けていただけなのに怒鳴られて驚きましたが、後から考えると、僕がバッグを背負った配達員だったからだと思います。僕のことを社会的に下と思い、自分のことを優位に感じて威張ってきたのではないでしょうか」

 吉宗さんに食ってかかってきたという中年男性にも何かしら理由があったのかもしれない。だが、いずれにしても人に暴言を吐く行為は悪いことだろう。

◆激しく叱責され、思わず言い返すと……

タワマン

※イメージです

 他にも吉宗さんは配達中に嫌な気分を味わったという。

深夜に他の高級マンションへ配達へ行ったときのことです。そこは1階に受付けがあり、そこに勤めるこれまた中年男性が『住人様の邪魔になるから自転車をそこにとめるな!』と、言ってきました。『お前、お前』とフードデリバリーを始めてからやたら言われる機会も多く、頭にきて思わず『お前のとこの住人様がご注文されたんだぞ』と言い返してしまいました」

 すると後日、吉宗さんのフードデリバリーアプリにこんなメッセージが。

◆耐え忍ぶ仕事?フードデリバリーの現実

「そしたら後日、フードデリバリーの運営部から『最近のご注文にて口論に関わる報告がございました。今後このようなことがあれば……』と、アプリへのアクセスを停止する可能性やアカウントの永久停止となる可能性が記載されたメッセージが来たのです

 どこの誰の報告かの記載はありませんでしたが、すぐに察しがつきました。2日前のマンション受付のあの男性が通報したのだと……」

 吉宗さんは幸いアカウント停止になることはなく、今も元気に配達を続けている。そしてフードデリバリーを兼業する筆者も、配達中のトラブルは決して他人ごとではない。

◆工事現場の警備員さんがなぜか横柄?

 月30時間ほど、さまざまなフードデリバリーを兼業している筆者も、吉宗さんと似たような経験をしてきた。

 東京都内をバイクで配達しているが、車からの幅寄せは数えきれない。筆者もUberEatsでマンションへ配達へ行った際に、酒に酔っていたであろうマンション住人の中年男性から「お前? いい年してかわいそう」「なんだ? やるのか」などと挑発されたことがある

 また、配達先へ向かう際、経路がたまに工事でふさがれていることがある。地図をみて走っているので困ることもあるが、工事現場の警備員さんの態度がなぜか非常に横柄なときがある。たまにではあるが、配達バッグを背負っているときにそれは起こる。配達員に対しては、なんとなくだが威張れる気分になるのだろうか。

◆配達パートナーは「個人事業主」

Uber Eats

※イメージです

 また、筆者のこれまでの経験からすると配達員に対するクレームや素行の問題などがフードデリバリーの運営者に報告された際、彼らは配達員に一方的な通告を出すのみで、配達員にも平等に事情を聞くなどの対応はないようだ

 というのも、ほとんどのフードデリバリーでは、配達パートナーは被雇用者ではなく、あくまでも「個人事業主」であるため、それが配達中のトラブルであっても運営側は関与してこないのだ。

 最低限の社会的保障も得られず、事故のリスクを背負いながら、混雑する道路を日々走り抜けている配達員たち。生活のためにフードデリバリーを続けている人も多いが、生涯それで生活していけるとは誰も思わないはずだ。立場はどうあれ人は人、お互い傷つけあうことは止めないか? フードデリバリーを始めて、筆者もそう願う日が増えた。

<取材・文・撮影/逆撫太郎>

【逆撫太郎】

東京都出身。高校中退後、多くのアルバイトをしながら、惨めな人生経験を積む。バックパッカーとなり毎年海外へ出陣する。国内外より物品を仕入れて日本で物販に専念しつつ、よりよい人生を今も模索し続ける中年男性!

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