最初は腰にあった手が下へ……自民党ベテラン女性議員が語る「有権者セクハラ」の実態

文春オンライン / 2019年4月16日 6時0分

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有村治子氏

 近年、「#MeToo」運動で勇気ある告発者が何名も出てきているものの、教育、就活、職場……私たちの暮らしのあらゆるシーンで、いまもハラスメントが横行している。

 日本の政界も例外ではない――。こう指摘するのは、自民党参議院議員の有村治子氏(48)だ。

「全国の女性議員は皆、多かれ少なかれ有権者からのハラスメントを受けてここまで来ています。当落線上の選挙で切羽詰まった候補者ほど、『今、この1票を無駄にできない』と我慢してしまう現実があります。有権者あっての政治家です。しかし、現在の日本には『候補者には何をしても許される』という風土が少なからずある」

 第2次安倍政権で初代女性活躍大臣を務めた有村氏は、参院議員を3期18年間にわたって務めている“ベテラン女性議員”だ。命の重みと国家の尊厳を大切にする筋金入りの“保守政治家”でもある。

 3月4日に有村氏が参院予算委員会で行った質問が話題になった。「日本は世界の中でも女性活躍が遅れていて、特に政治分野の遅れが足を引っ張っている」としたうえで、「女性の政治参画が遅々として進まない理由には、立候補する時点、つまり選挙において『アンフェアな壁』があるのではないか」と指摘。そして、自らも含む現在の女性議員は「ハラスメントを乗り越え、くやしさを鎧兜に替え、環境適応して生き残った人ばかり」だとし、政界が「そんな『肉食系女性議員』だけでよいのか」と問題提起したのだ。

 有村氏が例示する“有権者セクハラ”の実態はえげつない。

 女性候補者が宴席に行けば、前から後ろから“いじわるな手”が伸びてくる。「写真を撮ろう」と言われ、最初は腰にあった手が下へと降りていく。突然、背後から抱きつかれる。「応援してやろう。そのかわり2人でお酒飲みに行こう」と誘われる……。

 有村氏はこのたび「文藝春秋」の取材に応え、自らの経験に基づいた“セクハラ撃退法”を伝授してくれた。その一部を紹介しよう。

 有村氏は初出馬した際、有権者からのセクハラに四苦八苦していたという。その時、ある先輩女性議員から「とにかく声を出しなさい。そうしたら相手が怯むから」とアドバイスを受けた。「大きな声を出す」。これが基本である。

「背後から突然抱きつかれたら、大きな声で『まあっ! 主人にもこんな濃厚なハグをされたことなかったですねー』と周囲の人々にも聞こえるよう、ゆっくり太い声でアナウンスします。その時点で、相手は社会的制裁を受けます」

「突然、腰の方向に手が来たら、その手を両手でさっと掴んで『堅い握手』にすればいい」

 有村氏によると、ハラスメントをかわすには、「《相手を反省させるけれども怒らせない》《不条理は許容しないという自分の心にも嘘をつかない》対処法」を習得するのが最も良いのだという。

 当然ながら、ハラスメントのない社会を実現できることが望ましい。

 有村氏による渾身の手記「自民党“肉食系”女性議員も涙した『票ハラの壁』」は、 「文藝春秋」5月号 に全文掲載されている。私たち有権者一人ひとりが、「自分たちの代表をどう選ぶか」、その基準や心構えをあらためて考える時機にきているのではないか。

(「文藝春秋」編集部/文藝春秋 2019年5月号)

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