池上さん、中国の「報道規制」はネット時代であっても効果がありますか?

文春オンライン / 2019年5月22日 6時0分

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Q 中国の「報道規制」強化、その効果は?

 トランプ大統領が対中関税を大幅に引き上げると表明しました。一方中国では、関係する報道の規制を強化したようです。現代でも、こうした報道規制の効果はあるものなのでしょうか。(50代・女性・主婦)

A このネット時代であっても、膨大な人員を動員して情報を隠蔽したり、削除したりしています。

 トランプ大統領が対中関税引き上げを表明した途端、中国・上海の株式市場は暴落しました。一般の中国人にとっては、なぜ暴落が起きたか、当初はわかりませんでしたから、動揺が広がりました。

 しばらくしてアメリカが対中関税引き上げを表明したという情報が口コミを中心に伝わり、投資家たちは納得したようです。

 ふだん中国による報道規制は徹底していて、一般の中国人は詳細な情報に接することは困難です。でも、金に関する噂は一気に広がります。意外に庶民は実情を察するのです。

 しかし、共産党が知られたくない情報は徹底的に隠蔽されます。このネット時代であっても、膨大な人員を動員して情報を隠蔽したり、削除したりしています。

 こうなると、ネットを駆使する若者たちは、当初出現した情報やキーワードが削除されるのを見て、「この情報は知られたくないのだな」と推測するようです。とはいえ、自分がその情報を拡散すると、今度は自分の身が危ない。結局、沈黙します。

(池上 彰)

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