祖母が残した花の写真が面白くて……長島有里枝が織りなす世界観

文春オンライン / 2019年7月14日 11時0分

写真

長島有里枝さん ©浅田政志

 1990年代に写真家としてデビューし、文章の執筆や映像、立体作品など、幅広い活動を展開する長島有里枝さん。高崎の群馬県立近代美術館で現代美術作家の竹村京さんとの二人展「まえ と いま」が開催される。長島さんの祖父母は高崎出身。大好きだった祖母は31年前に急逝したが、長島さんはその遺品を用いた連作を発表してきた。

「今回の展覧会では祖母の遺品を用いたシリーズの新作を発表します。祖母は自分の死を予期していなかったので、これから作ろうと思っていた押し花絵画やセーターなどの素材がそっくり残っています。それらを完成させていくという作品が展示の軸になります」

 連作のきっかけは、祖母が残した花の写真がとても面白く、作品としての計画性のあるものだったからだという。長島さんは、女性がクリエーターとして働くことが難しい時代に、表現を楽しむ女性がたくさんいたことに着目する。

「彼女たちが『アマチュア』なのは、『プロ』よりも劣っているからではなく、単に機会を与えられなかったからではないか。祖母の遺品を使ったシリーズでは、この問題意識が大切だと考えています」

 今回の展覧会では写真だけではなく、立体作品も展示。異なるメディアを使って、独自の世界を作りあげていく。

「写真家という自負は強くないです。自分が表現したいことを伝えるのにいちばん良い手法を考えると、写真ではなくなることも多いですね」

INFORMATION

「まえ と いま」
群馬県立近代美術館にて。7月13日~9月1日
http://mmag.pref.gunma.jp/index.html

(鈴木 布美子/週刊文春 2019年7月18日号)

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