江戸時代以来!? 東京で「立ち飲み天ぷら屋」を復活させた自由が丘の人気店とは?

文春オンライン / 2019年7月23日 11時0分

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「KIKU 自由が丘店」は改札口を出て10歩もない近さ

 立ち飲みは元文年間(1736~1741年)、今の神田鎌倉橋近くの豊島屋に始まるといわれている。

 江戸時代では立ち食いは屋台として誕生し、そば、寿司、天ぷらなどで大いに賑わった。そしてその後、これらの老舗店が大衆店と分かれて進化して今日に至っている。

 今でも立ち食いそば、立ち食い寿司は街中で目にする大衆店の形態である。一方、天ぷらは都心には老舗店は多くみられるが、立ち食いなどの大衆店はほとんど目にすることがなかった。

 そして、近年、立ち飲みがブームとなり、オフィスワーカーや若者を取り込んで、立ち飲みバルのような形態が人気となっている。

立ち飲みバル+天ぷらブーム=「立ち食い天ぷら」

 一方、天ぷらは長い間、「てんや」などの外食チェーン店が奮闘していたが、ここに来て、天ぷらブームに近いような躍進を遂げている。目の前で天ぷらを揚げる丸亀製麺のパフォーマンスも天ぷらブームに一役買っているかもしれない。

 この立ち飲みバルと天ぷらを合わせたお店「喜久や」が2015年10月、恵比寿に誕生し、「立ち食い天ぷら」という概念が、長い時間を経てもう一度息を吹き返したわけである。

 ところで、今年の5月頃、自由が丘の改札を出て、立ち食いそば屋「そば新」でも行こうかと考えた次の瞬間、改札前に「立ち食い天ぷら」の店がオープンしていることに気がついた。それが「KIKU 自由が丘店」、つまり、恵比寿「喜久や」の系列店であった。しかも、ランチメニューに「天ぷら&冷やし蕎麦・うどん」があることを発見した。

 そこで、7月の連休最後の日に、「KIKU 自由が丘店」を訪問してみた。

自由が丘駅改札の目の前

 お店は改札口を出て、10歩もない近さ。「立呑み天ぷら」という白い暖簾が眩しい。天ぷらのテイクアウトもやっているようだ。店入口付近は立ち食いのテラスコーナー、店内は立ち食いのカウンターとなっている。ちょうどお子さん連れの方が入店していた。店入口付近のコーナーには、年配の夫婦が2組。ご近所の方だろうかご婦人が天ぷらのテイクアウトを発注している。なかなか人気店のようだ。

 店長の津久井さんに話をうかがうと、自由が丘店は恵比寿より年配のお客さんも多いとか。土日の昼間は特にその傾向があるという。

サクッと揚がった美しい海老天

 ランチメニューは16時までと時間があったので、さっそく、「天ぷら&冷やし蕎麦セット」(900円)を注文した。ランチとしては、「喜久や天丼」(1200円)と肩を並べる人気メニューだそうである。

 注文後、天ぷらを揚げ始める。それでも待ち時間は数分。立ち食いのテーブルで待っているとあっというまに登場した。

 登場した天ぷらの美しさにはっとする。甘唐辛子、海老、大葉、ナス、たまご天半分、鶏もも肉の唐揚げ。どれも軽いころもでサクッと揚がっている。天ぷらはカレー塩、抹茶塩、ヒマラヤ岩塩で食べてもよい。

しっかりしたつゆと天ぷらが合う

 そばは冷たくしめたそばに冷たいつゆがかかり、ミョウガ、ネギ、海苔がのって登場する。つゆは濃くしっかりしたタイプ。

 天ぷらを冷たいつゆにつけて食べてみると、なかなかよい。そばと交互に食べ進むのがすごく楽しい。途中から、天ぷら2、3種をそばに載せて食べてみたが、ほんのり油がつゆに移りこれもなかなかよい。

 何時ものようにお行儀の悪い一気食いで、店員さんに笑われてしまった。

夜は飲みながら、旬の鮎の天ぷらを

 ランチメニュー以外の天ぷらのメニューとしては、有名な大根の天ぷら、海老、鱚、烏賊、甘唐辛子が人気5品だそうだ。

 他にも、うに、あなごなどの海鮮天、グリーンアスパラ、れんこん、アボカドなどの野菜天、うなぎのかば焼き天、ポテサラ天などの変わりダネ、絹ごし豆腐の素揚げなどの天ぷら揚げ物のメニューが並ぶ。えび天を海苔で巻いたえび天ロール、稲荷ずしを揚げた稲荷天などもある。

 お酒は、シャンパン、ワイン、日本酒、ハイボール、酎ハイ・サワーと幅広いジャンルにわたる。

 連休の翌日、どうしても天ぷらが食べたくなり、夜の時間に再訪したのだが、店内は若者たちで一杯だった。とろろ昆布がのった「大根の天ぷら」、大葉を纏った「鱚の天ぷら」、ふくよかな「甘唐辛子」も絶品の旨さ。この時期は稚鮎の天ぷらも人気のようだ。

「喜久や」の系列店はすでに東京、大阪、神奈川あたりに数店オープンしており、どこも人気になっているという。「KIKU 自由が丘店」も、地元民を取り込んで今後ますます人気化することだろう。来年には外国人も増えていくことも予想できる。

 また、ランチと夜のメニューをいただくことにしようと思う。

写真=坂崎仁紀

INFORMATION

KIKU 自由が丘店
住所   東京都目黒区自由が丘1-11-6 エトモ自由が丘1F
営業時間 月~日 11:00~23:00

(坂崎 仁紀)

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