東京五輪、観戦チケットあってもホテルが取れない問題——困ったらこんなホテルを狙え

文春オンライン / 2019年8月19日 17時0分

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 あと1年ほどに迫った東京オリンピック。会期は2020年7月24日~8月9日の17日間(22日から始まっている競技もあり)で33競技339種目が行われる。カレンダーにも変化がある。「海の日」は7月20日から23日に、「体育の日」は名称が「スポーツの日」に改められ10月12日から7月24日に、「山の日」は8月11日から10日にそれぞれ移動し、連休が増える。これはより観戦しやすくするための祝日移動といえる。いずれにせよ多くの人々が東京へ押し寄せることになる。

 2019年5月9日からスタートした観戦チケットの抽選受付も大いに盛り上がり、各競技とも申し込みが殺到した。6月20日に抽選結果が発表され、購入希望者は7月2日までに手続きを完了させる方法がとられた。

 ところが、遠方の購入者から困惑の声があがっている。観戦チケットをゲットしたものの、ホテルの予約ができないというのだ。

なぜ会場周辺のホテルは予約できないのか

 実際に会場周辺のホテルを調べてみると、高級ホテルからビジネスホテルまで予約は不可能だった。まだ1年もあるのにあっという間に予約で埋まってしまったのかと思いきや、ある事情があった。とあるホテル関係者によると「会期中の在庫はすべて大会組織委員会に提供している」というのだ。他のホテルも同様で、大会組織委員会が大量に部屋を仮押さえしているとのこと。

 その規模たるや国際オリンピック委員会や競技団体などの関係者向けに、東京ベイゾーン(16会場)・ヘリテッジゾーン(11会場)を中心に約46000室という。これでは一般の観戦者が予約できるわけがない。とはいえすでにチケット代金は支払い済みだ。「チケット販売時にホテル予約が困難になる可能性を知らせてくれれば購入しなかった」という声もある。

 一方で、大会関係者のホテルがないというのは許されず、オリンピック招致の際には客室数保証も開催地の条件とされる。ただ、事前に仮押さえしたことはわかっているのだから「大会組織委員会で大量に仮押さえしてあり、会場周辺ではホテルの手配が困難になる可能性があります」とチケット販売時に購入希望者へ注意喚起すべきだった。

 他方、現段階では“仮押さえ”の状態であるが、各国の競技団体などが独自に宿泊先を確保しているケースもあり、一定数の部屋が不要になる見込みだ。いつ・どれくらいの部屋が手放せるのかは調整中というが、「秋には確定し11月頃から一般客の予約を開始する予定」というホテルもあれば、「国別エントリーが大会の2カ月前なので大会直前まで一般への提供可能客室数は確定できない」という話もあり、いずれにせよ一般利用者が会場周辺ホテルを確保できるのか否かは不確定要素が強い。

郊外や隣接県の駅直結ホテルを狙え

 では、一般客はどうすればよいのか。現段階で可能性がある手段として「郊外や隣接県のホテルを狙う」という方法はアリだ。東京の会場で観戦するなら多摩地区、埼玉県や千葉県なども候補といえる。都心から郊外への鉄道は“速達性”が高いので、30分もあれば隣接県への移動も可能。たとえば千葉県のベットタウンには駅を中心に再開発された街が多く、駅直結で新しいビジネスホテルが数多く誕生している。

 都心では煩雑な地下鉄移動や乗り換えに数百メートル歩く駅、ホテルへも10分歩いたりなど平気で30分ほどかかってしまう場合も多い。都心から鉄道で30分とはいえ駅直結等の条件であれば検討の価値はあるだろう。多摩地区や埼玉県、千葉県のホテルへ実際に電話して確認してみると「まだ予約は可能」との回答がいくつも確認できた。埼玉県でも京浜東北線沿線では難しかったが、東武東上線や西武線沿線では予約可能なホテルがあった。ただし、郊外に宿泊という選択には鉄道頼りということもあり、競技開始時刻/終了時刻などを考慮する必要がある。

都心にこだわるなら「進化系カプセルホテル」が狙い目

 どうしても都心ということであれば、簡易宿所(カプセルホテルやホステル)も候補に入るだろう。カプセルホテルは、プライバシーの確保は劣るが、最近、女性も利用可能な“進化系カプセルホテル”といわれる施設も増加、旧態型のビジネスホテルよりも快適とセレクトする人もいる。ホステルはバックパッカーを例とするような訪日外国人旅行者も多く、国際交流の場にもなっており宿泊+αの楽しみを求めるゲストは多い。こちらもそれぞれ数軒に確認したところ、まだ予約可能の施設もあった。合法化された民泊も競争が激化しており、ホテルライクなクオリティの高い施設もあるので情報収集の価値はあるだろう。

穴場はレジャーホテル(ラブホテル)

 また、レジャーホテル(ラブホテル)も、ビジネスプランや女子会など一般客利用にも力を入れる施設が増加している。レジャーホテルは一般の宿泊予約サイトへ掲載されない施設も多いため競争率は低く、事前予約が可能なケースも多い。

 一般ユースもしている数軒のレジャーホテルにオリンピック会期中の予約について確認したところ、「考えもしてなかったが(取材がきっかけで)オリンピック時の予約を開始することにした」という施設もあった。一定数の客室供給が期待できるカテゴリーだ。

新規開業施設の情報収集も

 オリンピックまでにはまだまだ多くのホテルが誕生する。都内では各地でホテル建設がすすんでいる。公式発表されている開業情報だけでも相当数あるが、実はまだ開業日を確定していない施設、業界誌の開業情報に掲載されていない施設もあり、宿泊施設全体としては正確なカウントは困難だ。たとえば、最近筆者に直接入った情報から例を挙げると、中央線・武蔵小金井駅南口徒歩5分に現在建設中の「Wild Cherry Blossom-HOSTEL, TOKYO KOGANEI-」がある。2019年12月中旬開業予定のホステルであるが、1名利用(半個室タイプ)をはじめ、2人部屋、3人部屋、4人部屋(いずれも完全個室)もあり、1名5000円前後を想定している(オリンピック期間中の料金は未定)。確認したところ10月に予約をスタートさせるとのことで、オリンピック時の予約もまだ間に合うという。

 最後に、ここまでの話をまとめよう。以下の宿泊施設が現段階で検討しうる五輪観戦ホテル候補といえる。

【現段階で予約可能性のある五輪宿泊施設の選択肢】
●多摩地区/隣接県ホテル(都心から30分程度――競技開始・終了時刻に留意
●都心のカプセルホテル/ホステル/レジャーホテル/民泊 ――寛容できる業態か確認
●建設中/新規開業施設――情報収集のうえ予約可能時期など確認

 現段階では“絶対的不足“が叫ばれている東京オリンピック会期中のホテル問題。もちろん、これから大会組織委員会が予約を手放すなど、都心の一般ホテルでも予約可能になるケースも予想される。マメな情報チェックは必須だ。

(瀧澤 信秋)

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