テロ対策の面からも悠仁さまには政府専用機を。秋篠宮さまと別の飛行機で行くのは当然

文春オンライン / 2019年8月21日 5時30分

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ブータンを訪問するため、羽田空港を出発される悠仁さまと紀子さま(8月16日) ©共同通信社

 秋篠宮さまご夫妻と長男の悠仁さまは8月16日から25日までの日程で、ブータンを私的に訪問されている。中学1年生になられた悠仁さまにとっては、初めての外国訪問となった。

 この外国訪問では皇位継承順位第1位の皇嗣である秋篠宮さまと、第2位の悠仁さまについて、宮内庁は不測の事態が生じた際の皇位継承への影響を考慮し、別々の民間機を利用するという判断をした。

同じ乗り物に乗られないのは危機管理上、当然のこと

 宮内庁関係者が語る。

「秋篠宮さまは単独で、悠仁さまは秋篠宮妃紀子さまとお二方での渡航となりました。皇位継承順位が第1位と第2位の方が同じ乗り物に乗られないのは危機管理上、当然のことです。昭和天皇がご危篤となった際も当時の東宮御所から、皇位継承順位第1位の皇太子だった上皇陛下が上皇后さまと秋篠宮さま(当時は礼宮)のお三方で1台の車に乗って皇居に駆けつけられ、第2位の皇長孫だった天皇陛下と黒田清子さん(当時は紀宮)はお二方で、1台の車で駆けつけられています」

 やはり危機管理上、上皇陛下と天皇陛下には宮内庁としても同じ車に乗っていただくわけにはいかなかったというわけだ。

私的旅行とはいえ、皇位継承第1位と第2位のお立場

 ただ今回、秋篠宮さまは6月から7月にかけて行かれたポーランドとフィンランドの公式訪問に続いて民間機を使われたことで、宮内庁内部では一部で疑問視する声が出ているという。

「今回のブータンご訪問はあくまでも私的な旅行なので、通常は政府専用機が使用できるケースではありません。上皇后さまは皇后時代の2002年、国際児童図書評議会創立50周年記念大会に名誉総裁として出席されるためにお一方でスイスに渡航されましたが、その際は民間機でした。天皇陛下も皇太子時代の2013年、国連の水と衛生に関する諮問委員会の最終会合に名誉総裁として出席されるために米ニューヨークに渡航されましたが、これも民間機です。天皇と一緒に海外を訪問することが多い皇后も、皇太子も通常の外国訪問では政府専用機を使用するわけですが、お二方とも私的なものだったために遠慮されたかたちです。

 ただ、皇太子に準じるお立場の皇嗣殿下には政府専用機を使う資格がおありになるのに、ポーランドとフィンランドの公式訪問では使用されなかった。この判断は相手国に『軽く見られている』との誤解を与えかねないという声が庁内にはありました。今回も私的とはいえ、皇位継承順位第1位と第2位のお立場での外国訪問は、予算措置のために訪問の公的色彩を強めた上で、政府専用機にしてもよかったのでは、という意見が一部でくすぶっているのです」(前出・宮内庁関係者)

 政府専用機は白地に赤い日の丸という外観から、日本航空(JAL)の航空機と誤解している人もいるが、実際には航空自衛隊が運用している。

 その運用については自衛隊法第百条の五で、「防衛大臣は、国の機関から依頼があった場合には、自衛隊の任務遂行に支障を生じない限度において、航空機による国賓、内閣総理大臣その他政令で定める者(国賓等)の輸送を行うことができる。自衛隊は、国賓等の輸送の用に主として供するための航空機を保有することができる」と定められている。

運用は裁量の幅が大きく、厳密なものではない

 また、ここでいう「国賓等」は自衛隊法施行令第百二十六条の十六で「天皇及び皇族、国賓に準ずる賓客、衆議院議長及び参議院議長、最高裁判所長官、内閣総理大臣、国務大臣」などとなっている。

 ただし、運用は政府による裁量の幅が大きく、厳密なものではない。天皇・皇后や皇太子夫妻以外の皇族が利用するケースはまずなく、国務大臣にしても、使用する場合にはその大臣の所管官庁(例えば経済産業大臣ならば経産省)が費用を負担しなければならないことから、予算措置が難しく、敬遠される傾向が強い。

「要するに政府が、必要があると判断して了承すれば、秋篠宮さまと悠仁さまの外国訪問に政府専用機を使うことは不可能ではないのです。政府専用機は機体のトラブルに備えて予備機と2機体制で一緒に運用することになっていますが、これも絶対ではありません。天皇陛下は皇太子時代の2013年4月28日、オランダ訪問のため政府専用機で羽田空港を出発されましたが、安倍晋三首相もこの日、ロシアなど4カ国を歴訪するため、政府専用機で羽田を発っています。

 このように、2機別々の運用は可能なのです。民間機はテロリストやハイジャック犯が乗り込む危険もあります。秋篠宮さまと悠仁さまが同じ飛行機に乗られないのは当然ですが、皇位継承権があるのは現在、お二方と常陸宮さまだけです。そうした点を踏まえれば、政府専用機を別々に運用して、秋篠宮さまと悠仁さまがそれぞれ搭乗されるという選択肢があってもよかったはずなのです」(同前)

安倍首相の意向を反映するならなおさら

 読売新聞の朝刊は7月27日、「皇位継承順位維持へ 政府、秋にも議論着手」との見出しで、安倍政権が安定的な皇位継承策の検討に当たって、女系天皇につながりかねない女性天皇や女性宮家を否定したうえで、議論を進める方針であることを報じた。保守層と呼ばれる支持層に配慮した安倍首相の意向が強く反映された方針であることは間違いない。

 議論の前提として愛子さまが天皇になられる可能性はおろか、ご結婚後も皇室内に留まる可能性も否定しているというわけだ。

 であるならば、皇位継承順位第1位と第2位の安全確保のため、政府専用機の運用を柔軟にすべきではないだろうか。政府の1機関である宮内庁が首相官邸に具申すべきだったと言うのは言い過ぎだろうか。

令和時代の〝秋篠宮家警備〟を再考すべき

 政府関係者が語る。

「結局、公式訪問も『民間機で』という秋篠宮さまのご意向がある以上、山本(信一郎宮内庁)長官も、長官をサポートする西村(泰彦同庁)次長も、出過ぎた具申はしかねるということでしょう。

 秋篠宮さまはポーランドなど2カ国訪問の前の記者会見で民間機の使用による警備の問題について質問され、『警備は確かに大事かも知れませんけれども、それによって市民生活に何か不都合なことが起こる、それは避けたいなと思っています』などと答えられ、警備の強化にも政府専用機の使用にも否定的な姿勢を示されていましたから。

 ただ、警察庁警備局長から警視総監となって退官した西村次長は、警察内部でも警備のプロ中のプロとして知られています。2000年の九州・沖縄サミットを沖縄県警本部長として指揮しており、前職は内閣危機管理監です。警備の機微を知り尽くしているにもかかわらず、最善策を具申できないのは、忸怩たる思いがあるはずです。事実上の皇太子の立場にある皇嗣となられても、警備面は平成時代の宮家としてのものを踏襲するという強いご意向の前に西村次長もなすすべがないということではないでしょうか」

 秋篠宮さまは皇嗣となられて、秋篠宮家の住まいも、サポートする宮内庁職員の定員も旧皇太子家と同等となった。だが、皇位継承の重圧から一定の距離を置いて生活されてきた秋篠宮さまは〝宮家の宮さま〟としての自由度を維持するために警備などはフットワーク優先で平成時代に近いものを希望されているとされる。

 ただ、天皇陛下や秋篠宮さまの子供世代に男子皇族は悠仁さまただお一人だけしかおられない。その悠仁さまがいる秋篠宮家の警備が平成時代を踏襲したものでいいはずはないのではなかろうか。悠仁さまの中学校の机に刃物が置かれていた事件も記憶に新しい。令和時代の〝秋篠宮家警備〟について、再考することが必要なのではないか。
 

(朝霞 保人)

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